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診療効率を上げる「診療支援システム」とは

診療効率を上げる「診療支援システム」とは

「診療支援システム」は医師・経営者のワークロードを最適化するためにある

クリニックを開業しようという医師にとってどのような「診療支援システム」を導入するのかは悩みどころです。
まず最も重要なポイントは、医師であり、かつ経営者であるという二つの役割をこなさなければいけないことです。医師としての修練は十分に積んでいたとしても経営者の基礎知識や経験を持つ方は少ないのではないでしょうか。経営者の視点というのは一朝一夕で身に付くものではありません。

また、経営者としてスタッフの仕事についても留意する必要があります。人間関係はもちろんですが、スタッフの教育・待遇・募集などにも気を配らなければなりません。経営者には人をうまく使うすべも求められるのです。
忙しく患者さんに接し、現場の医療をこなしながらクリニックの経営も見るという一人二役を行うわけですから、仕事量を最適化し、時間的なムダをなくしていくことが求められます。

『トヨタ自動車』の「カイゼン」ではありませんが、ワークロードの最適化こそ開業医師が追究するべきものであり、これはクリニックの医療の質を高めることにつながります。

そのためにこそ「診療支援システム」があるのです。

「診療支援システム」とは?

「診療システム」と呼ばれるものには主に以下のようなものがあります。

  • 電子カルテ
  • 医事システム(レセコン)
  • 予約システム
  • オンライン診療システム
  • 自動精算機

電子カルテ

コンピューター上でカルテを閲覧できるようにしたもので、カルテを電子的にデータベース管理します。もはやクリニックに必須のシステムといえます。

導入の際に気を付けたいのは「医事システム(レセコン)」との連携です。「電子カルテ」ソフト(あるいはシステム)と「レセコン」が連携できればデータの受け渡しができるため非常に便利なのですが、実は「電子カルテ」の種類によって連携できる「レセコン」が限られている場合があります。

そのため、導入の際には、まず医師として利用したい「電子カルテ」を決めてから連携できる「レセコン」を選ぶのがよいでしょう。

医事システム(レセコン)

「レセコン」と呼ばれることがあります。これは「レセプトコンピューター」を縮めた言い方で、「レセプトの作成」「レセプト請求」をコンピューター上で行うためのものです。

  • 患者さんの受け付け
  • 診療の記録
  • 処方箋の発行
  • レセプトの作成
  • レセプト請求

を行うことができます。レセプト作成・請求はクリニックの経営(売上)に直結する、重要ですが面倒な作業です。これをスタッフが効率よくこなしてくれれば、ワークロードの最適化・効率化に大きく貢献します。

また電子カルテと連携することができれば、診療記録の管理に非常に便利です。レセコンの種類によっては患者さんの来院状況、ひいては経営状況を分析するツールを提供するものもあります。

今やレセコンを用いた「レセプト請求」がほとんどとなっていますので、導入は必須といえます。しかし前記のとおり、導入に際してはまず「電子カルテ」の種類を選ぶのが先です。

予約システム

患者さんが来院日時を予約するために用いるシステムです。「予約ソフト」には多種多様なものがあります。予約システムだけでスタンドアロンで完結していてもいいのならどれを利用しても同じかもしれません。

しかし、「レセコン」と連携していたほうがいいとなると、予約機能を持った「レセコン」を選択するか、あるいは予約システムと連携できる「レセコン」を選ぶことになります。

また、患者さんの持っているスマホから来院予約をするものもあれば、クリニックに置いて、患者さんが来院時に「次回の予約をする」といった専用機も存在します。専用機の場合にはタッチパネル式で簡単に操作できるといった工夫を凝らしています。次の診療につなげるという意味でクリニックの一助になるかもしれません。

オンライン診療システム

新型コロナウイルスのパンデミックによって、大いに注目されているのが「オンライン診療システム」です。これは、患者さんが持つスマホやパソコンを通じて診療を行うもので、ビデオチャット、リモート会議システムに似ています。

2020年9月24日、『日本医師会』の中川俊男会長は、オンライン診療について、以下の方針を示しました。

  1. ICT、デジタル技術など技術革新の成果をもって、医療の安全性、有効性、生産性を高める方向を目指す
  2. オンライン診療については、解決困難な要因によって、医療機関へのアクセスが制限されている場合に、適切にオンライン診療で補完する
  3. 新型コロナウイルス感染症拡大下でのオンライン診療にかかる時限的・特例的対応については、すでに検討会で検証が行われつつあるが、あらためてしっかりとした検証を行うことを要請する

患者さんに実際に接触して診察ができないため限界もありますが、コロナ後も「オンライン診療」は継続するものと思われます。そのため「オンライン診療」のためのシステムを導入するのも一考の余地があるでしょう。

自動精算機

患者さんが料金の支払いを人を介さずに行うための機器です。卓上に置ける小型のものからATMのように大きなものまであります。

こちらも新型コロナウイルス感染防止のための「非接触」の推奨により注目され、導入が進んでいます。スタッフの「レセプト作成」が終わったらそのデータを送信し、患者さんに自分で精算してもらうことができれば、スタッフの仕事を効率化することにつながります。

「診療支援システム」もさまざまですが、医療の質を向上させるために自分のクリニックにどのようなものが必要なのか、熟考ください。診療支援システムの導入によって素晴らしいクリニックを作っていただければ幸いです。