富士通の電子カルテ「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-SXシリーズ」を徹底解説!
これから開業するのであれば電子カルテの導入は必須です。診療録の検索性、保存のしやすさについては、紙カルテより電子カルテの方が便利です。また、オンライン診療など、遠隔地の患者さんとつながる新しいサービスとの親和性という意味でも、電子カルテに優位性があります。
しかし、電子カルテといっても種類が多いため、できるだけ使い勝手が良く、業務効率を高めてくれるものを選びたいところ。そこで今回は、『富士通Japan株式会社』の『HOPE LifeMark-SX(ホープ ライフマーク エスエックス)』※、『HOPE LifeMark-SX Cloud(ホープ ライフマーク エスエックス クラウド)』※をご紹介します。
※正式名称は『FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-SX』、『FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-SX Cloud』です。
『HOPE LifeMark-SX』の特徴
電子カルテ『HOPEシリーズ』には長い歴史があり、病院への導入シェアで第1位を獲得しています。つまり、多くの医師に使われ、その中で機能や操作性がブラッシュアップされてきたというわけです。
見やすい画面設計と操作性の高さ
まず『HOPE LifeMark-SX』は非常に見やすい画面と操作性の高さを併せ持っています。
↑『HOPE LifeMark-SX』は落ち着いた色使いで見やすいレイアウト。他の電子カルテでは目立たせるために派手な配色もままありますが、医療現場で使うには逆効果といったケースがあります。『HOPE LifeMark-SX』は医療現場にふさわしい画面といえるでしょう。
オーダーを出してカルテを作っていくというのは電子カルテの基本機能ですが、
などの入力を支援するツールを用いてスピーディーにカルテを作成可能です。また、医師が出した処方は電子カルテ側が覚え、学習する機能を備えています。
↑「ナレッジセット」を使うと、処方歴から処方の候補を表示して選択・入力が可能です。
↑「メディカルセット」を使うと、定型的な診療行為については、症状・経過、処置・処方、病名を簡単な操作でセット入力できます。
医事会計機能を備えている
『HOPE LifeMark-SX』は医事会計機能も備えており、いわゆるレセコンの機能も内包したシステムとなっています。そのため、『HOPE LifeMark-SX』以外にレセコンを導入してシステムをつなぐという作業は必要ありません。
オンプレ型、クラウド型の2種類がある
『HOPE LifeMark-SX』には、オンプレミス型※、クラウド型の『HOPE LifeMark-SX Cloud』の2種類があります。
最近の一般傾向として、クラウド型電子カルテの方が人気ですが、オンプレミス型にもメリットがあります。例えば、オンプレミス型は院内で完結するので、インターネット環境に左右されることがありません。どちらを選ぶかは、クリニックの環境や要望によって変わりますが、『HOPE LifeMark-SX』が2つの選択肢を提示しているのは優れた点だといえるでしょう。
※「オンプレミス」はしばしば「オンプレ」と略されますが、サーバーなどのハードウエアをクリニック内に置いて管理することを指します。
富士通のデータセンターを利用する安心設計
クラウド型の『HOPE LifeMark-SX Cloud』の場合には、富士通の運営する国内のデータセンターを利用します。クラウド型の電子カルテの場合、物理的な実体がどこのサーバーにあるのか利用する側にはよく分からないというケースも見受けられます。この場合、セキュリティーは万全なのか、診療データが国外に持ち出されていないのかといった懸念があります。しかし、『HOPE LifeMark-SX Cloud』は最高水準のセキュリティーを備えた富士通の国内データセンターを利用していますので安心できます。
オンライン診療に対応
患者さんが無料で利用できるアプリ『LifeMark-コンシェルジュ』(Android/iOS対応)を介してオンライン診療を行うことが可能です。オンライン診療を予約した時間近くになると、患者さんへの通知がプッシュされます。医師には『HOPE LifeMark-SX』、『HOPE LifeMark-SX Cloud』でアラートが表示されます。『HOPE LifeMark-SX』、『HOPE LifeMark-SX Cloud』からビデオ通話の画面に遷移することが可能です※。
↑『LifeMark-コンシェルジュ』の画面。患者さんはオンライン診療の予約を行えます。ただしオンライン会議ツールは別途用意する必要があります。
順番予約が可能
コロナ禍によって、診療予約をしてからクリニックを訪問するのが普通になっていますが、『HOPE LifeMark-SX』、『HOPE LifeMark-SX Cloud』では、患者さん用アプリ『LifeMark-コンシェルジュ』と連携して診療予約(順番予約)を行うことが可能です。患者さんは「今何人待っているのか」診察の進み具合をスマホで確認できます。
↑『LifeMark-コンシェルジュ』の画面。患者さんは「待ち人数」「待ち時間」を確認できます。
スマートデバイスへの対応
『HOPE LifeMark-SX』、『HOPE LifeMark-SX Cloud』では、クリニック内のパソコンで利用するだけではなく、往診先や医師の自宅でも電子カルテを閲覧可能です。ノートパソコン、タブレット、スマホでも利用できるため、活用シーンが広がります。
『HOPE LifeMark-SX』の主な機能
『HOPE LifeMark-SX』は以下のような機能を備えています。
『HOPE LifeMark-SX Cloud』の主な特徴
『HOPE LifeMark-SX Cloud』は、上記に加え以下のような特徴を備えています。
より詳細な機能についてこちらを参照してください。
『HOPE LifeMark-SX Cloud』の導入にかかる時間
『HOPE LifeMark-SX Cloud』の導入でクリニックが用意するのは、インターネット環境です。導入には2カ月程度かかるとのこと。
『HOPE LifeMark-SX Cloud』の導入費用
『HOPE LifeMark-SX Cloud』導入は全国の販売代理店にて対応します。費用については、それぞれ取り扱い販売店によって異なりますので、問い合わせた上で要確認となります。
『HOPE LifeMark-SX Cloud』では、導入費用は抑えられるようになりました。小規模な無床診療所での利用がより簡単になったといえます。クリニックの発展に合わせて機能を追加していくというのも一つの考え方かもしれません。
サービス提供元である『富士通Japan株式会社』によれば、以下のようなイメージです。
『HOPE LifeMark-SX Cloud』のサポート体制
『HOPE LifeMark-SX』のサポート体制は販売代理店によって変わります。要確認となります。
『HOPE LifeMark-SX』、『HOPE LifeMark-SX Cloud』が医師から評価されている点とは
サービス提供元である『富士通Japan株式会社』に伺ったところ、医師からは「カルテ作成が早く行えるようになった」と評価されており、各種デバイスで利用できる点についても高評価を受けているそうです。また、クラウド型の場合はオンプレミス型と違って、クリニックに設置するサーバーが必要ないことから「導入が楽に済んでいいね」という声も挙がっているとのこと。
『HOPE LifeMark-SX』の展望
『富士通Japan株式会社』によれば、これからの展望として「いろんなサービスが出ているのでそれらとの連携を可能としていくこと」「長年電子カルテを手掛けてきた経験、データセンターを持っているという強みを組み合わせて新たなサービスを提供していくこと」を考えているそうです。
『HOPE LifeMark-SX』にクラウド型が追加されたことで、新規導入を考えている医師に向けて「試用環境」が整えてられています。もし、『HOPE LifeMark-SX』を試してみたいという場合には、まずはお試しで使ってみるのが良いのではないでしょうか。
まとめ
『HOPE LifeMark-SX』は医事機能も内包した電子カルテです。クラウド型では導入のハードルも低くなり、コストを抑えた形でスタートすることができます。堅牢性の高い富士通のデータセンターを利用していることから、他のクラウド型電子カルテよりもセキュリティー面で安心できるサービスといえるでしょう。これから開業する医師の皆さんは、導入する電子カルテの候補として『HOPE LifeMark-SX』を考えてみてはいかがでしょうか。