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クリニックスタッフの離職を防ぐには? 離職してもらったほうがいい場合もある?

クリニックスタッフの離職を防ぐには? 離職してもらったほうがいい場合もある?

クリニックスタッフの離職を防ぐには? 離職してもらったほうがいい場合もある?

一緒に理想の医療実現を目指してくれる仲間として採用したスタッフが、突然離職を申し出たらガッカリしてしまいますよね、しかも、欠員が出ることによって業務が回らなくなることも大きな問題。育児や出産、介護などが理由の離職は仕方ないとしても、仕事への不満などが理由の離職はできるだけ防ぎたいところです。そこで今回は、スタッフの離職に対する対策について考えていきましょう。ただしなかには、辞めてもらったほうがいいと考えられる例もあるので、そうした場合も加味しながら対策を紹介していきます。

急な離職を防ぐ方法

まずは、欠員が出て業務が回らなくなることを防ぐために、"急な離職"を回避する方法をみていきましょう。

①「退職する場合は××か月前までに予告すること」と契約書に明記する

基本的なことですが、あらかじめ退職に際しての条件を明示しておくことは必要です。契約書に明記するだけでなく、面接時に口頭でも伝えましょう。

ただし、契約書にしっかりと「××か月前までに予告すること」と明記してあった場合でも、退職2週間前に退職届を出してくる人は多いです。なぜかというと、民法で「退職2週間前に退職の告知をおこなえば問題なく退職できる」と定められているからです。クリニックごとの契約ではなく、民法が適用されてしまうのです。もちろん、常識的なスタッフであれば、契約書を優先してくれますが、そうではない場合もあるということは覚えておきましょう。ただし、以下の条件に当てはまる人は退職2週間前の退職届が無効となります。

≪退職2週間前の退職届が無効となる人≫

  • 年俸制
  • 完全月給制
  • 雇用契約に期間の定めがある
  • ちなみに、契約書通り数か月前に退職の意向を申し出てきたスタッフが「できるだけ早く辞めたい」との意向で、さらにクリニック側でも人手が十二分で早く辞めてもらったほうが助かる場合は、「今は人手が足りているから早期に退職してもいいですよ」などと伝えても構いません。

    ②給料は手渡しにする

    2週間前に退職届を出してくる人や翌日から来なくなった人に対しても、給料は支払う必要があります。急に辞められたことで損害が発生した場合、民事裁判を起こすなどして損害賠償金を請求することはできますが、裁判費用を考えるとクリニックにとっては損でしかありません。そうしたことも考えて、金銭的にもできるだけ損をしないように、給料は手渡しにしておくことが得策です。手渡しであれば、スタッフ側も退職時のトラブルを防ごうとするためです。

    ③給与を相場より高く設定する

    相場より高い給料やよい条件であれば、そもそも辞めようと考える人は少ないでしょう。

    急な離職があった際のダメージを減らす方法

    急な離職を防ぐための対策を講じると同時に、万が一退職者が出た場合のダメージを少なくするための対策も取っておくと安心です。

    ①スタッフを多めに雇っておく

    たとえば、1人しかいない看護師が急に離職を申し出てきたらパニックになって当然です。誰かが辞めても残ったスタッフでなんとかクリニックを回せる程度には雇用しておきたいところです。

    ②普段からSNSをやっておく

    最近はtwitterでスタッフを採用するクリニックが増えていますが、普段からSNSを活用してファンを増やしておけば、いざというときにもすぐにいい人材が見つかりやすいでしょう。本人が就業希望でなくても、拡散に協力してくれる場合も多いはず。

    一斉退職、ドミノ退職を防ぐ方法

    続いては、クリニックスタッフの一斉退職、ドミノ退職を防ぐ方法を考えていきます。一斉退職とは、読んで字のごとくスタッフが一斉に辞めてしまうことで、ドミノ退職とは、ひとりの退職をきっかけに次々とスタッフが辞めていくことです。どちらの場合も、クリニックにとっては相当な痛手となるはずです。

    一斉退職、ドミノ退職が起きる原因としては、「院長や理事長などの経営陣に対する不信感」「待遇面への不満」「人間関係」などが考えられます。待遇に関しては、基本的には事前に雇用条件がわかっているはずですが、「約束と違った」という例もあるでしょう。

    いずれの場合も、経営陣がスタッフとしっかりとコミュニケーションを取ることで不満が解消される場合があります。定期的な面談でスタッフの話に耳を傾け、不安や不満があるようなら、その解消に努めることが大切です。たとえば、パワハラやセクハラがあるとの声が上がった場合は、該当する医師やスタッフに注意することも必要ですし、場合によっては辞めてもらったほうがいいこともあるでしょう。

    辞めてもらったほうがいいスタッフの特徴

    では、辞めてもらったほうがいいスタッフにありがちな特徴とはどのようなものでしょうか? 以下に列記します。

    パワハラ、セクハラ

    前述の通り、パワハラやセクハラがあると、スタッフの不満は大きくなって当然です。先輩看護士の指導が度を超えていることが原因で、新しく入ってくる看護師が長続きしないという場合もあるでしょう。

    トラブルを起こしがち

    他のスタッフと揉めやすいスタッフは注意が必要です。そのスタッフの存在がストレスで残りのスタッフ全員が辞めることもありえるので、早い段階で対策を考えるべきでしょう。

    辞めてもらったほうがいいスタッフにスムーズに辞めてもらうには?

    パワハラやセクハラをしたり、トラブルを起こしがちたったりするスタッフは、転職したとしても転職先でまた問題を起こす傾向にあります。何度も同じことを繰り返している場合などは特に、本人も度重なる転職に疲れていて、なんとか居座ろうとことが考えられます。

    その場合、まずは指導を徹底して様子をみてもいいかもしれません。ただし、ただ様子をみるたけではなく、日報に毎日指導コメントを入れたり、定期的に面接をおこなったりすることが必要です。それでも改善が認められない場合は、退職勧告をおこない、応じない場合は解雇するのも一つの選択肢です。

    解雇すると、不当解雇であるとして裁判を起こされるなどトラブルに発展するのでは? と思う人もいるでしょう。しかし、解雇前にきちんと指導期間を設けて適切な指導をおこなっていれば、「指導をおこなったけど問題点が改善されることはなかった」という証拠があります。そのため、万が一訴訟を起こされたとしても、裁判所で解雇が適当だったと認めてもらうことができるのです。

    「指導期間は何日必要か」「何をメモしておけばいいのか」などの詳細については、事前に顧問弁護士に確認しておくことが望ましいでしょう。

    トラブルに発展しそうな場合は早めに対策を!

    顧問弁護士に相談しながら不当解雇の準備を進めることで裁判での敗訴は防げたとしても、逆恨みからクリニックの評判を落とすような書き込みをされるなどの問題が起こる可能性もゼロではないでしょう。万が一さらなるトラブルに発展しそうだと感じる出来事があった場合は、各専門家に少しでも早い段階で相談するようにしてくださいね。

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