在宅医療を導入するクリニックは活用したい。在宅医療専用スケジュール管理ソフト『CrossLog』
今後主流になるといわれている在宅医療ですが、そのスケジュール管理は簡単ではありません。さまざまなサポートツールが登場していますが、その一つが『クロスログ株式会社』が提供する在宅医療専用スケジュール管理ソフト『CrossLog』です。
『CrossLog』の機能・特徴
『CrossLog』はクラウド型のスケジュール管理ソフトです。インターネット環境があれば利用できるため、パソコン以外にスマートフォンやタブレットでも使用可能です。主な機能は「訪問スケジュール作成機能」「ルート作成機能」「情報連携・共有機能」の3つとなります。
訪問スケジュール作成機能
在宅医療におけるスケジュール管理は経営に近い重要な業務です。ただ、スケジュール作成は手間がかかり、複数のツールでスケジュール管理を行っている場合はツールを切り替える手間も発生します。しかし、『CrossLog』の訪問診療カレンダー機能なら、1つのツールで全てのスケジュール管理が可能です。
訪問スケジュール作成時には、慢性期の患者さんに多い「定期往診」を、繰り返しで登録することも可能。例えば、「第1週と第3週に訪問する」といった複数の訪問予定をまとめて登録でき、未来分も自動で作成されるようになっています。また、患者さんの「デイサービスのスケジュール」もシステム上で管理できます。デイサービスの時間帯に訪問診療を登録するとエラーメッセージが出るようになっており、デイサービスと訪問診療の重複を防ぎます。
スケジュール一覧には患者さんと訪問時間以外に、「採血」「注射」「高血圧」など、「患者さんの属性情報を示すタグ」も登録できます。登録したタグは一覧に表示されるため、詳細情報を見なくても一覧で患者さんの注意事項などが分かる仕組みです。例えば「駐車場なし」「訪問30分前に必ず連絡を入れる必要がある」といった、訪問診療には欠かせない情報も表示可能です。
ルート作成機能
『CrossLog』はGoogle Mapsと連携しています。患者さんの自宅地点を登録すれば、一日の移動ルートが移動目安時間などの情報と共に自動でGoogle Maps上に表示されます。登録地点によっては無理のあるルートや非効率なルートになることもありますが、地図上で視覚的に確認が可能。次の訪問先までの移動時間が実際のルートと合わない場合はアラートが出る仕組みになっています。
クリニックによっては1日通して訪問診療を行う、午前診療が終われば一度クリニックに戻るなどさまざまなケースがあります。ルート機能も「1日ルート」「午前/午後」などに分かれているため、クリニックの訪問診療のスケジュールによってルート表示を切り替えることが可能。高速道路の使用/未使用も切り替えられます。
訪問場所を入れ替えることも可能で、その場合は再びルート一覧がマップ上に自動で表示されます。ルートは入れ替え前と入れ替え後を比較することもできるので、効率的なルートを手軽に探すことができます。また、「スマート検索」という機能を使えば、AIが登録地点を基に最適なルートを提案してくれます。
情報連携・共有機能
情報共有のしやすさも本システムの特徴です。例えば、訪問予定は複数の形式で出力できるようになっています。専門的なツールが必要な形式だと、他のスタッフが調整できないなどの欠点がありますが、本システムはExcelファイルで出力できるため、確認・調整しやすいのも利点です。出力内容も住所や患者タグの表示・非表示が切り替えられます。
訪問予定はカレンダーのように月ごとにも印刷できます。従来は自分でフォーマットを作って印刷し、院内や介護施設などに配布していた資料も、『CrossLog』で管理・印刷できるようになります。
『CrossLog』は頻繁に機能の改善が行われているのも特徴で、最低でも月に1度のぺースで機能を更新しています。ユーザーの要望を踏まえ、常に使い勝手の良いものに進化し続けているのです。
他システムとの連携
『CrossLog』は、以下の6社の電子カルテと連携が可能です。※2022年1月25日時点
各電子カルテとは、API連携、ファイル連携のいずれも対応可能。電子カルテの患者情報が『CrossLog』に反映されるため、スムーズにスケジュールを作成できます。また、電子カルテ側にスケジュール機能がある場合は、『CrossLog』から今後のスケジュールを反映させ、今後のカルテ作りのサポートを行います。今後も対応するメーカーを各種準備予定とのこと。
『CrossLog』の導入プロセス・費用
現在は「無料デモ」を提供しています。導入したい場合はまず問い合わせを行い「無料デモ」を実際に利用して、機能や使い勝手を体験できます。その後、問題がなければ利用申込書をPDFで提出。患者さんや施設の情報を『CrossLog』に移行する作業が行われ、クリニックに本番用アカウントが送付されるという流れです。
本番用アカウント発行後は、スタッフが訪問して操作説明などのレクチャーを行い、本格的に稼働開始となります。移動データを送付してから、最短1週間程度でアカウントが発行されます。
本番導入に際して必要な初期費用は33万円[税込み]。こちらは患者・施設データの移行費用、訪問レクチャー、導入サポート(初期3カ月オンラインサポート無制限)などがセットになっています。
『CrossLog』には次の3コースが用意されています。
導入しているクリニックのほとんどがスタンダードコースを利用しているとのこと。また、電子カルテとの連携を行う場合は、別途連携費用が必要になります。連携費用は電子カルテによって異なるため、詳細はお問い合わせください。
サポートは電話やオンラインなどで行われます。サポート対応時間は厳密に定められていませんが、オンラインサポートが初期3カ月無制限など、手厚いサポートを用意しています。
『CrossLog』利用者からの声
『CrossLog』はサービス提供開始から2年ですでに100近くのクリニックに導入されています。導入したクリニックからは「かゆいところに手が届くツール」という声も多いそうです。その他、「非常に見やすい、使いやすい」「業務改善につながった」と評価するクリニックも多いとのこと。特に訪問ルートの策定は、患者さんが増えるほど複雑になり、管理も大変になるため、今後ますます重宝されるようになるでしょう。
訪問診療を行うクリニックの問題点にフォーカスした『CrossLog』をご紹介しました。高齢化が進む日本では、訪問診療の需要が今後ますます拡大すると見られており、導入を検討するクリニックも増えています。面倒なスケジュール管理やルート策定を効率的に行うためにも『CrossLog』を活用してみてはいかがでしょうか。
取材協力:クロスログ株式会社