開業時に必須となる「診療圏調査」。依頼する際に必要な準備や費用はどうなっている？
クリニックを開業する際に重要となるのが「診療圏調査」です。開業したいエリアでどのくらいの患者さんが見込めるのかを調べるもので、クリニックを長く経営していくためにも必要不可欠です。では、診療圏調査を企業に依頼する際、どのような準備が必要で、どのくらいの費用になるのでしょうか？ 医療機器・システムの製造販売のほか、診療圏調査も手掛ける株式会社タカゾノに聞いてみました。
事業計画書の作成や融資を受ける際にも必要
――「診療圏調査」とは何をするのか、何のために必要なのか教えてください。
診療圏調査とは、指定した場所でクリニックを開業した場合の「1日の平均見込み外来患者数」を、人口統計、受療率、競合クリニックなどのデータから算出するものです（専用ソフトを使用します）。主に候補地の選定のために行うものですが、診療圏調査のデータを基に事業計画書を作成したり、金融機関へ融資を受けるための資料として提出したりもします。
――事前にどのくらいの患者さんが利用するのかが分かれば、経営戦略も立てやすくなりますね。
候補地選定に役立つデータを提供できますが、診療圏調査のデータはあくまで計算上の数字です。外来患者数を約束するものではないという点をご理解いただきたいです。
診療圏調査に必要な準備とは？
――診療圏調査をお願いする側（依頼主）はどのような準備が必要ですか？
まずは調査地点の住所です。これは番地まで必要となります。もし調査地点がさら地などで住所が設定されていない場合は、場所を特定できる目印を教えてもらう形になります。次に開業するクリニックの診療科目（複数科目可）も必須です。加えて、ある程度の情報開示も求められます。例えば、希望エリア以外では開業時期や物件条件、経済条件、院外処方の有無などです。他には診療圏調査の結果はメールにてお送りしますので、送り先のメールアドレスも用意いただく必要があります。
――診療圏調査の費用を教えてください。
弊社の場合は現在、無償で行っています（ある程度の情報開示へのご協力をお願いします）。ただし、将来的に依頼数が増えた場合には、調査費用をいただくことを検討するかもしれません。
――診療圏調査を依頼する際の注意点はありますか？
診療圏調査のご依頼は、間違いを防ぐ意味でメール（書面）にてお願いいたします。また、診療圏調査に使用している競合クリニックのデータは毎月更新しています（現在使用の診療圏ソフトの場合）。そのため、一度お送りした診療圏調査の結果は長期間の使用ができません。時間が経過した場合は、再度の調査が必要になります。その場合は、弊社がストックしている開業物件からご希望の条件の物件をご紹介させていただくこともあります。
――御社の「診療圏調査」の特徴や強みを教えてください。
クラウド型の診療圏ソフトを使用しているのでデータの更新が早く、より現実に近い結果を出せることが特徴です。都市部など昼間人口の多いエリアでは、昼間人口データを基に診療圏分析をすることも可能です。また、将来人口・推移（2020年～2045年の30年間で5年毎）の変化を予測し、グラフで表示できることも、弊社の診療圏調査のポイントです。もし診療圏調査を希望される場合は、ぜひ弊社にご依頼いただけるとうれしいですね。
――ありがとうございました。
診療圏調査は、候補地の選定だけでなく、金融機関から融資を受ける際や、事業計画書の作成にも必要です。実際に調査をお願いする際の準備やプロセスは難しいものではないので、開業したいエリアが決まっている人は、診療圏調査を依頼してみてはいかがでしょうか。
