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集患に使える?タイプ別おすすめSNSの選び方・活用方法

集患に使える?タイプ別おすすめSNSの選び方・活用方法

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誰もがSNSを使えば簡単に情報を発信できる時代です。SNSを使って効率的に集患できないか考えるクリニックも多いでしょう。

しかし

「SNSに取り組んでみたいけど面倒くさそう」

「ネタを思いつかず更新が止まってしまった」

「炎上したら心配。集患になるの?」

などの懸念や疑問を持つ方もいるかもしれません。

自院のホームページに加えてSNSをうまく活用すれば、タイムリーに診療の情報やさまざまな疾患の治療・予防法を多くの人に届けられるでしょう。集患やブランディングにつなげられる可能性もあります。

この記事では、自院の狙いにマッチしたSNSの選び方と具体的な活用方法を解説します。

※本記事に記載の情報は取材を行った2022年3月28日現在のものです。

回答者:横溝 裕一氏(プラスシーブイ株式会社 代表取締役)

Webマーケティング・ブランディングを事業ドメインとし、Googleアナリティクスを用いたサイト解析および改善提案、SEO対策やTwitterなどのSNSコンサルティング、企業のマーケティング体制構築のインハウス化支援、CI言語作成も手がける。アクセス数の分析を通して運用改善、コンテンツの改良などを実践しアクセス数やフォロワー数の増加を担う。医療関係者のクライアント多数。

SNSの種類別の特徴

まずはクリニックの集患に使用される代表的なSNSを紹介します。SNS上でクリニック名義または院長名でのアカウントを持ち、プロフィールや写真を掲載します。

テキストが多い、写真が多いなど自院のコンテンツの都合や年代別の利用傾向もおさえておくとよいでしょう。

なおLINEやYouTubeなども広い意味ではSNSに含みますが、以下で紹介するプラットフォームに比べて取り組みやすさや事例の多さなどが及ばないため省略しています。

参考:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(P.66)

Twitter

140文字の短文コンテンツを投稿するTwitterは、クリニックが一番取り組みやすいSNSと言えます。写真や動画が不要で、文章を書くのが苦にならなければ比較的ラクです。

また「今なら待たずに診察できます」などリアルタイムで情報を伝えられる点も魅力。10代後半~70代までユーザーの年齢層も広い特徴があります。

横溝:「月の始めに「保険証の持参」をリマインドするのは効果的な使い方ですね」

Facebook

Facebookは一般的な利用では文字数の上限がないのと同じです(上限は6万文字)。1つのコンテンツでより詳しく、より細かく情報を伝えられます。そのため情報を掘り下げて、手厚く書きたい人に適しています。テキスト、画像、動画やファイルのリンクなども盛り込めます。

また40~60代の利用率は、TwitterよりもFacebookのほうが概ね上回っています。

横溝:「たとえば、自由診療などの費用がかかるメニューのプロモーションをする際、Facebook広告の『経営者のみ』のターゲティングを行うことは有効です」

Instagram

「インスタ」と略されて呼ばれるInstagramは、写真やイラスト、動画などビジュアルで魅力を伝えるのに適しています。美容整形や皮膚科などでは取り組むクリニックが多いと言えるでしょう。

10~30代ではInstagram利用者が急増していますが、年齢が上がるにつれて利用者数はまだ少ない結果となっています。

横溝:「写真がメインのSNSなので、商品紹介に適しています。医薬部外品など物販を行うクリニックには特にオススメです。若年層を中心に、Google検索経由だけでなく、Instagram経由で購買する人が近年増えていっています」

ブログ

継続的、本格的に情報発信に取り組むならブログもおすすめです。WordPressを使い自由なレイアウトや写真、動画を使えばクリニックの個性も出やすいでしょう。

横溝:「オリジナルのブログ作りはドメイン取得やサーバー契約などの準備が必要です。わずらわしいなら無料で使える『note』も選択肢として挙げられます。膨大な記事数を誇るドメインとなるので、Googleからの評価が高く、SEOも強いのが利点です」

クリニックにとってのSNS活用のメリット

次にクリニックがSNSを活用するメリットを聞きました。

継続的に患者さんへ情報を届けられる
  • 新規患者に認知されやすい
  • 広告を使わなくても集患できる
  • 横溝「SNSを上手に使うと患者さんに情報が届けやすくなります。数カ月に一度しか来院しない患者さんにも身近に感じてもらう、いざというときに頼ってもらえるなどの効果が期待できます。SNS上で発信していれば、これまで接点のなかった方に認知してもらえる可能性も高まるでしょう」

    ーー駅や路上の広告とはだいぶタイプが異なりますね

    横溝「クリニック周辺に掲示する広告も大切ですが、広告だけではリーチできない層に情報を届けられるメリットがあると思います」

    SNS活用が向いているクリニック

    SNSの種類によっては年齢層によって強みがあるため、ターゲットとなる年代に強いSNSを選ぶのもポイントです。ただしSNSの利用が広がった昨今は、どんな年代を狙う上でもSNSには取り組むメリットがあります。

    次のようなケースではとくにSNS活用の効果が期待できるでしょう。

    競合医院が多い

    コツコツ情報発信を行うことで他院との差別化が図れます。「このクリニックは説明が丁寧そう」「詳しそうだから行ってみよう」など新規患者によい印象を与えるためです。

    クリニックや医師の認知度を高めたい

    クリニック名、院長名で継続して発信すると、SNS上での認知度が向上します。フォロワーも徐々に増え「この分野なら●●先生、●●クリニック」というブランディングにもつながります。

    ビジュアルで魅力を伝えたい

    写真や動画などを活用してクリニックの魅力を伝えたければ特におすすめ。美容系クリニックはもちろん、他の診療科でもビジュアルで分かりやすく情報を発信できます。

    普段からSNSを使っているスタッフがいる

    日常的にSNSに触れている方がいると取り組みやすいでしょう。若いスタッフがいるとSNSのトレンドも理解しているケースが多いので、効果の高い運用が期待できます。

    人に教えるのが好き

    普段から患者さんとの会話が多いなど、院長自身が「人に教えるのが好き」な場合はSNS適性が高いと言えます。教える引き出しが多い方は様々な切り口でコンテンツを作成できるので、SNSの継続も苦になりません。

    SNS運用のデメリット

    一方でSNS運用のデメリットと具体的な対策を教えていただきました。院内の体制を組んで、中長期的に取り組めるようにするのが懸念点解消のポイントです。

    更新や運用が大変

    投稿文の作成やチェックに時間がかかります。また写真撮影はカメラマンや照明の手配など時間とコストもかかります。

    横溝「すべての投稿に全力を注ぐのは現実的ではありません。燃え尽き症候群のように、更新が続かない原因にもなります。SNSごとに投稿頻度や投稿ルールを決めて、特に運用初期は「写真は使わない」「スマホで撮影した写真を使う(加工もしない)」などラクをした投稿を織り交ぜながら運用すると継続しやすいです」

    すぐに集患にはつながらない

    運用当初は見てもらえる回数や「いいね」が増えずに、モチベーションが低下してしまうケースがあります。

    横溝「今、うまくいっている競合のSNSアカウントもフォロワーはゼロでした。運用初期はリアクションを期待せずに、練習のつもりで肩の力を抜いて投稿しましょう。投稿をしていくと、そのうちに反応が高い投稿がわかってきますが、早くいいね!を獲得したい場合には競合のSNSアカウントや他業者で応用できそうな好反応の投稿を参考にし、自院の投稿としてアレンジしてみることもオススメです」

    炎上するとクリニックの評判が下がる

    SNSでよく聞かれるのが「炎上が怖い」という意見。よい評判を増やしたかったはずが、逆にクリニックの評価を落としてしまっては本末転倒です。

    <解説>「炎上」防止のポイント

  • 常識的な投稿を心がける(他人の批判、宗教、政治の話題はしない)
  • 仮にモラルの低い反応があっても、ミュートで対応
  • 感謝や礼節を重視して誠実な対応を行う
  • こちらに間違いや落ち度があれば率直に謝罪する
  • SNSは顔も名前も知らない方のほうが多い世界です。見知らぬ人に初めて接する気持ちを持って、常識的な対応をとっていれば、クリニックの評価にキズがつく可能性は少ないでしょう。

    SNS運用の始め方

    SNSの利用になじみがない方でも分かるように、運用の流れを説明します。

  • アカウント作成
  • 投稿内容の検討
  • 投稿
  • コミュニケーション
  • この4ステップを1つずつ解説します。

    ステップ1:アカウントを作る

    まずはSNS上で「クリニック名義」のアカウントを作りましょう。

  • 医院の公式サイトのリンクを設定する
  • 自己紹介としてプロフィール文を書く
  • お手本とする医院アカウントを決めておけば、参考にできます。

    ステップ2:投稿内容を決める

    どんな情報を発信し、患者さんに提供できる価値を考えます。

    普段の診療で患者さんに伝えている内容を書き出すのは有効です。肩こりの予防法、花粉症対策など、メインのテーマを決めておくと、後々「役立つ情報を発信するよい医院」という認知が少しずつ広まります。

    ポイントはドクターが伝えたいことと、患者さんが求めている情報の「重なり」を意識することだと横溝氏も指摘しています。

    花粉症対策を例に取ると、患者の知りたい情報を敏感に感じ取れない専門家は「鼻がムズムズするメカニズム」「花粉症の歴史」など自分が伝えたい知識を披露しがち。

    「こんな食品に気をつけよう」「帰宅時に家に花粉を持ち込まないために」など、患者さんの生活に根差した実践できる情報は支持を集めやすいはずです。

    また1~3カ月程度の間隔をあければ、同じネタを使いまわしても構いません。大切な内容は何度発信しても新たな読者のニーズがあるからです。まったく同じコンテンツではなく、情報をアップデートする、季節感を加えるなどがよいでしょう。

    毎日更新するのが理想ですが、初期はともかく継続するのは困難です。無理なく定期更新できる頻度を定めましょう。一度に何回分かのコンテンツを作りためておくと作成時間の効率化につながります。

    ステップ3:投稿する

    SNSによって投稿の手順は異なりますが、文字数を決めてコンテンツを作成したら

  • ハッシュタグを決める
  • 画像を用意する
  • 投稿時間や頻度を決める
  • コンテンツを作りためておいて、定期的に配信したほうがよいでしょう。忙しさに左右されにくくなり継続のハードルが下がるはずです。

    ステップ4:コミュニケーションをとる

    最初は少なくても、徐々に「いいね」やコメントがつくはずです。

  • いいねをくれたユーザーの投稿にも「いいね」をつける
  • コメントにはできるだけ早く返信
  • フォローされたらフォローバック(相手をフォロー)する
  • などを習慣づけるとよいでしょう。

    とくにフォローしてくれた相手をフォローし返すと、関係が継続しやすくなるのでおすすめです。フォローバックがないと、相手がすぐにこちらへのフォローを解除してしまう可能性があります。

    まとめ

    集患に役立つ可能性のあるSNSを紹介しました。いずれも初期費用をかけずに取り組めます。

    現在使っている広告予算の一部を、SNSに振り分けるのは長期的な集患戦略として有効かもしれません。

    競合となるクリニックが多い場合、少しでも新規の患者さんを取り込みたいと考えている場合は、本腰を入れて取り組むとよいでしょう。SNS運用やコンサルティング会社に相談するのも有効です。

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