心療内科、精神科の開業で失敗しないクリニック開業ポイントは?
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クリニックを開業するにあたって抑えるべきポイントは、診療科ごとに異なります。では、心療内科や精神科を開業する場合、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか? 早速解説していきます。
心療内科と精神科の違いとは?
開業に関して抑えるべきポイントを説明する前に、まずは心療内科と精神科の違いをみていきましょう。
心療内科のドクターと精神科のドクターは、専門とする領域が異なります。前者が主に対象としているのは、「身体の状態に影響を及ぼす心身症」であるのに対して、後者は、主に統合失調症やうつ病などの精神疾患の診療および治療をおこないます。また、神経症性障害や発達障害、認知症なども精神科で扱う疾患です。
ただし、最近では心療内科と精神科が併設されているクリニック、どちらの患者も診療するクリニックも増えています。2つの診療科をまかなっているクリニックなら、どちらの診療科を受診すべきかわからないなどで患者が困ることも少なくなるでしょう。
立地や物件の選定ポイント
心療内科や精神科の患者は、基本的には体力的には問題はありませんし、足腰が不自由ということもあまりないでしょう。そのため、階段しかないビルの2階以上でも候補として考えてよいですし、むしろ人目に付きにくい場所のほうが安心して通えると考える患者も多いです。
同様の理由で、人通りが多すぎる駅近のビルより、徒歩にして5分程度離れた距離にある建物への入居のほうがおすすめです。
必要坪数は、テナントなら20~30坪程度。医療機器などを使うことがほとんどないため、広いスペースは必要としないでしょう。
内装のポイント
内装デザインは、白ベースや木目調でシンプルかつ落ち着いた雰囲気に仕上げる場合が多いようです。医療機器などを使うことがほとんどないため、診療室内も一般的なクリニックとは異なり、インテリアショップでそろえた家具などでまとめられることも。
また、自然光をたっぷり採り入れられる窓を設けるかもしくは間接照明を取り入れるなどして、院内にあたたかな雰囲気をもたらすことも理想的です。
設計時に気を付けるべきことは、プライバシーを確保するために、診療室からの声の漏れを徹底的に防ぐことです。受付時にもあまり会話を聞かれたくないと考える患者が多いことから、スペースに余裕があるなら待合室と受付との配置を工夫したほうがいいでしょう。
採用のポイント
受付事務のほかに、臨床新尻や公認心理士を雇うケースが増えています。また、診療しながら患者の目線や口元をよく観察する必要があるため、電子カルテの入力をクラークに任せるドクターも多いです。
心療内科の診療報酬は?
心療内科特有の診療報酬としては、「精神科継続外来支援・指導料」「通院精神療法」が挙げられます。5分以下の場合は前者、5分以上の場合は後者として、以下の3つの区分に分類されています。
【時間別診療報酬】
そのほか、自費でおこなうカウンセリング を採り入れているクリニックも多いので、自院の診療内容を考える際の参考にしてみてください。
競合との差別化について考えることも大切
どんな診療科に関しても言えることですが、開業時には、競合との差別化について考えることがとても大切です。心療内科や精神科においてはどんな差別化の手立てがあるかというと、たとえば昨今は認知症およびその周辺症状に悩む患者が増えていますし、コロナ禍の影響もあってかオンライン診療のニーズも増えています。まずはそうした患者のニーズを一つひとつ拾い上げてみて、それに対して自院にできることを考えてみるのもいいかもしれませんね。