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紙カルテの保管サービスっていくらぐらいかかるの? サービス内容は?

紙カルテの保管サービスっていくらぐらいかかるの? サービス内容は?

紙カルテの保管サービスっていくらぐらいかかるの?-サービス内容は?

紙カルテの保管にはスペースを要します。クリニックを開業し、1年、2年と時間がたつにつれ紙カルテはどんどんたまって、保管場所に困るようになるでしょう。最初は空きスペースに置けても、自宅スペースに保管するなど苦労することになります。 そこで考えたいのが、「カルテの保管サービス」を利用することです。 今回は、紙カルテの保管・廃棄サービスを提供している『株式会社日本ホップス』鶴岡孝代表取締役専務にお話を伺いました。

同社は、昭和50年代に効率良く紙カルテを分類、保管するための「ターミナルデジットファイリング」という管理方法を提唱し商品化した、いわば「カルテ管理」の草分け的企業です。

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カルテの保管サービスとは?

――紙カルテの保管サービスの内容を教えてください。

鶴岡専務 弊社ではもともと紙カルテを効率良く管理するためのファイリングシステム(ターミナルデジットファイリング)をご提供してきました。その流れで、保管サービスも行うようになりました。

そもそも診療録・カルテは、法律によって5年間は保存しなければなりません。

クリニック・病院の現場では、多くの場合、使用するカルテは、アクティブとインアクティブに分かれています。アクティブは今必要な「動いているもの」、インアクティブは「動かない」、もう閲覧しないものです。

アクティブなものはだいたい直近3カ月くらいのカルテで、だいたい3年以上前のものなるとインアクティブになります。中間の「セミアクティブ」という状態のものもありますが、これはだいだい1年以内のものでしょう。

先生方は、アクティブ・セミアクティブなものは手元に置いておきたいのですが、インアクティブのカルテはほぼ閲覧しませんので、どこか別の場所に保管したいとお考えのことが多いです。そのため、インアクティブなカルテの保管にサービスを利用されます。

――保管場所はどこになるのですか?

鶴岡専務 クリニック・病院からお預かりした紙カルテは、提携しているセキュリティーの厳重な文書管理サービス会社の倉庫で保管します。Pマーク※を取得した企業で、施設・設備・防犯・人材育成の面において万全の体制を取っていますので、安心してカルテをお預けいただけます。

――カルテは個人情報の塊ですからセキュリティーは万全でないといけませんね。

鶴岡専務 はい。大切な機密情報ですから、安全・適正に保管できることに留意しています。

――預けたカルテが必要になった場合は戻してもらえるのでしょうか?

鶴岡専務 必要な日の前日午後3時までにご連絡をいただければ、その日のうちに発送いたします(送料がかかります)。関東であればご指定の日に着くでしょう。また、別途料金はかかりますが、電子化(PDF)してお送りすることも可能です。

※Pマークは「プライバシーマーク」で、個人情報の取り扱いについて適正であると認証された証明になります。

保管料はダンボール1箱300円/月

――カルテの保管サービスにはいくらかかるのでしょうか?

鶴岡専務 保管料は、幅・奥行・高さ、三辺の合計が102cm以内のダンボール箱、1箱で月300円[税別]になります。1箱からでもお預かりいたします。クリニック・病院から直接保管場所に送っていただくのですが、関東からの発送なら送料はおおよそ1,200円[税別]です。

関東からの場合には、ダンボール1箱お預かりして「300円 ×12カ月 + 送料1,200円」で4,800円[税別]になります。2年目以降は保管料だけになりますので年間3,600円[税別]です。

重要書類の保管に便利。廃棄サービスもある

鶴岡専務 紙カルテだけではなくて、例えば決算書や領収書といった重要書類もお預かりしています。決算書は保管期限が7年間と定められていますので、さらに保管スペースを取ります。

クリニック・病院の規模にもよるのですが、決算関連資料だけで1年間にダンボール3箱分あるといったことは珍しくありません。これを7年分というと21箱にもなります。クリニック・病院に置いておくと、かなり保管スペースを取ります。

――なるほど。

鶴岡専務 さらに廃棄の問題もあります。次の年の分のカルテ、決算書などを保管するためにスペースを空けようとすると、5年前、7年前の分を廃棄しないといけません。

クリニック・病院、自宅などに保管していた場合、先生方、あるいはスタッフの方が自身で廃棄を行わなくてはなりません。シュレッダーで処分するには大変な量ですし、時間も労力もかかります。

――恐らく、うんざりするでしょうね。

鶴岡専務 保管しているカルテや決算書など「重要書類の廃棄サービス」もご利用いただけます。書類は、粉砕して溶解し、トイレットペーパーに再利用します。廃棄証明書を発行いたしますので、安心していただけるでしょう。

お預かりしたカルテなどの重要書類については、毎年「保管を続けるか」「廃棄するか」について判断をお願いする一覧表をお送りしています。そこにチェックを入れていただければ、こちらでその指示どおりに進めます。ですので、5年たったカルテ、7年たった決算書はほぼ自動で処分していくことが可能になります。

――それは便利ですね。廃棄にはいくらかかるのですか?

鶴岡専務 前記と同様の大きさのダンボール1箱で1,100円[税別]です。保管している書類の廃棄だけではなく、「廃棄だけ」のサービスもあります。廃棄料は同じですが、倉庫にダンボール箱を送っていただく送料がかかります(前述同様のダンボールサイズ、送料)。

「閉院」時にも役立つ保管サービス

鶴岡専務 重要書類の保管サービスは、実は「閉院」時にも役立ちます。閉院したからといって、これまでのカルテをその時点で廃棄していいわけではないのです。法律上は「5年間は保管する義務がある」となっていますから、閉院してもそこから5年間は、やはり保管しなければなりません。

――開業医の平均年齢が60歳を超えており、閉院するクリニックも増加しますから、カルテをどうするかは大きな問題ですね。

鶴岡専務 はい。閉院とひと口にいってもそのために行わなければならないことがあります。カルテなどの重要書類をどのように処理するかもその一つです。閉院時にお預かりした書類も同様に年ごとに廃棄していくことが可能です。

――なるほど。閉院時に保管サービスを利用するというのもありなのですね。

効率良くクリニックを運営するために

――最後にクリニック院長の皆さんにアドバイスをいただけますか?

鶴岡専務 私どもの経験からいえば、カルテや決算書などの重要書類の置き場所に困っている院長先生は多くいらっしゃいます。特に東京都内など坪単価の高い場所では、インアクティブなカルテ、過去の決算書などにスペースが取られることは、「クリニックの効率の良い運営」という観点からすればいいことではありません。もし、そのようなことでお困りの場合には、ぜひお役に立てればと思います。無駄なデッドスペースを作らず、効率の良いクリニック経営を目指してください。

――ありがとうございました。

まとめ

紙カルテの保管サービスということで取材したのですが、よく考えてみれば、カルテだけではなく、決算書や領収書など、保管しておかなければならない紙資料は山ほどあります。これらがたまってクリニックのスペースを圧迫するのは確かに無駄です。重要書類の置き場所に困っているクリニック院長は、保管サービスの利用を考えてみてはいかがでしょうか。

取材協力:『株式会社日本ホップス』

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