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医療施設は減少傾向? 医療施設動態調査とは?

医療施設は減少傾向? 医療施設動態調査とは?

厚生労働省が行っている調査に、「医療施設動態調査」というものがあります。これは、全国にある病院・診療所などの医療施設の数や病床数、診療科目の動向を把握するための調査です。では、診療所の数は全国にどのくらいあり、その数は増えているのかでしょうか、それとも減っているのでしょうか?

無床診療所の数は増加も病床数は減少

「医療施設動態調査」は毎月実施されており、そのデータは年度ごとにまとめ発表されます。最新の年度集計データは令和2年9月29日に発表された「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告」です。

同調査結果によると、令和元年10月1日時点での医療施設の数と前年比は以下のとおりです。


施設軒数前年比較
医療機関総数
17万9,416軒
前年より326軒増加
病院
8,300軒
前年より72軒減少
一般診療所
10万2,616軒
前年より511軒増加
歯科診療所
6万8,500軒
前年より113軒減少

現在活動している全国の医療機関は17万9,416軒で、このうち10万2,616軒が一般診療所。病院の数は前年より減少していますが、一般診療所の数は前年より511軒も増加しています。

また、入院機能のない無床診療所の数は9万5,972軒と、全医療機関では半数以上、一般診療所では約9割を占めています。有床診療所は前年に比べて290軒の減少ですが、無床診療所の数は801軒も増加しているのです。ただし、病院や有床診療所は減っているため、病床数は病院で1万7,339床、一般診療所で4,028床も少なくなっています。

最新のデータでも有床医療機関は減少し続けている

2020年は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、医療の現場は非常に厳しい1年となりました。では、新型コロナは医療施設の増減にどのような影響を与えたのでしょうか? 前述のように「医療施設動態調査」は毎月実施されており、月ごとのデータも公開されています。令和2年11月末時点の状況をまとめた、令和3年1月25日発表の「医療施設動態調査」を見てみましょう。

令和2年11月末時点での全国の医療施設数

施設軒数前年比較
医療機関総数
17万9,514軒
令和元年10月1日時点より98軒増加
病院
8,237軒
令和元年10月1日時点より63軒減少
一般診療所
10万3,151軒
令和元年10月1日時点より535軒増加
歯科診療所
6万8,126軒
令和元年10月1日時点より374軒減少

病院や歯科診療所が減っている一方、無床一般診療所が535件も増えていることもあり、医療施設の総数は令和元年10月1日時点より増加。コロナ禍でも負けずに開業している医師が多い、ということでしょう。

一方、病床数で見た場合、令和2年11月末時点での総病床数は159万6,953床。令和元年10月1日時点では162万0,097床だったので、1年間で約2万3,000床も少なくなっています。つまり、診察してくれる医療機関は増えているが、入院できる施設は少なくなっているのです。現在はコロナ禍で病床が埋まり、ほかの病気の人を受け入れられないという状況になりつつあります。コロナ禍が続く中で、このまま有床医療機関が減り続ければ、さらに苦しい事態に陥るかもしれません。

厚生労働省が実施している「医療施設動態調査」をご紹介しました。コロナ禍はまだ収束する兆しもなく、2021年も医療の現場にとって厳しい年になるでしょう。無床一般診療所の数は増えている状況ですが、今後の展開次第で減少に転じる可能性もありそうです。

データ引用元:『厚生労働省』「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」

データ引用元:『厚生労働省』「医療施設動態調査(令和2年11月末概数)」