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医療モールでよくある失敗例は?

医療モールでよくある失敗例は?

医療モールでよくある失敗例は?

開業を検討している医師は、戸建てにするかビル内にするか医療モールにするかについても考えることがあると思います。複数の診療科のクリニックや調剤薬局が、同じエリアの同じ敷地内、同じ建物内などに集合している医療モールなら、特有のメリットも大きく、失敗が少ないように認識している人も多いでしょう。しかし、実際のところ失敗例はあります。では、医療モールではどのような失敗が起こりえるのでしょうか?考察していきましょう。

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医療モールの形態は?

まずは、医療モールのメリットやデメリットを把握するために、医療モールの3つの形態について確認します。

1. 複合施設型医療モール

複合集合施設や駅周辺などの好立地に、複数の診療科のクリニックが集まっている形態です。買い物ついでに立ち寄るのにも便利なため、集患に有利です。

2. 医療ビレッジ

同じ敷地内に複数の診療科の戸建てクリニックが集まった、ビレッジ(村)のような形態です。戸建てであるため、外観も内装のデザインにも、自分の理想を落とし込みやすいです。

3. 医療ビル

ビル一棟のテナントがすべてクリニックという形態です。多くの医療ビルはバリアフリーで、医療機器が使いやすいよう電力容量は大きめ。給排水設備やエレベーターも備えているところがほとんどです。

医療モールのメリットは?

続いては、医療モールのメリットを確認します。

1. 初期費用を抑えられる

医療機関専用のモールなので、もともとクリニックに必要な設備がある程度そろっています。また、ビルタイプであればトイレや駐車場も共有となる場合が多く、初期費用を抑えられる可能性が高いです。

2. 専門家のアドバイスを受けられる

医療モールの専門コンサルタントから、開業時の資金調達や事業計画作成などについて、アドバイスを受けることができます。

3. 集患しやすい

続いては医療モールのメリットをみていきます。まずは、多くの診療科が集まっているエリアまたはビルとして認知されているため、集患に有利です。

4. 総合病院に近い医療サービスを提供できる

また、自分のクリニックで対応できない患者に対しては、モール内のクリニックを紹介できるため、総合病院に近い医療サービスを提供できるのもメリットといえるでしょう。

医療モールのデメリットは?

続いては、医療モールを選択するデメリットについてみていきます。

1. 医療モールの制約を受けることがある

複数のクリニックが集合していることから、営業時間などが制約される場合があります。また、クリニックの設計や医薬品会社を指定されることもあります。

2. 気の合わない人間とも付き合っていかなくてはならない

医療モール内のクリニックと連携できることは大きなメリットかと思いきや、診療方針が合わない医師などがいた場合は、一転してデメリットとなりえます。

ありがちな失敗例は?

続いて、医療モールならではの失敗例をみていきましょう。

1. 医療モールのカラーが合わなかった

医療モール内の医師の間で、出身大学などによって派閥ができていた場合、そこに入りこむことができないと、近隣のクリニックからの紹介が思うように得られないことがあります。また、診療方針が合わない医師が多い場合も、同様の結果となる可能性が高いでしょう。

2. 医療モール自体の評判がよくない

テナントが埋まっていなくてガラガラだと、医療モール内のクリニック全体の評判が落ちることもあるでしょう。また、テナントが撤退する場合もあります。

3. テナント料が高くて採算がとれなかった

駐車場やトイレなどが共有であることから、初期費用が抑えられると踏んだものの、共益費を含んだテナント料が相対的に高いと、実際に開業して見たら採算が合わずに失敗してしまうことがあります。

失敗を防ぐためにはどうすればいい?

続いては、失敗を防ぐためにどんな予防線を張ればいいかをみていきましょう。

1. 十分に時間をかけて事業計画書を作成する

きちんと採算がとれるかどうか、事業計画書を詰めていきながら考えることが必要です。実際に開業してからは、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表をもとにクリニックの経営状態を分析して、改善につなげていくことが必要となります。そのため、経営スキルにも磨きをかけておくことが望ましいですが、勉強の時間を思うように捻出できない場合や、そもそも経営が得意でない場合などは、専門家の力を借りることを検討しましょう。

2. 自分の診療方針や目指す医療と相性がいい医療モールであるのかを見極める

まずは、自分がどんな医療を提供していきたいのかを十分に考える必要があります。そのうえで、そのエリアを生活圏とする潜在顧客のニーズを見極め、医療モール自体の方針も調査しながら検討するといいでしょう。

3. 悪質なコンサルタントを頼ってしまった

経営スキルに自信がない場合、専門家を頼ることはひとつの手ですが、開業コンサルトは優秀な人ばかりではないことは覚えておく必要があるでしょう。なかには、「医者は何も知らないだろう」「取れるだけ金を取ってやろう」と考えている悪質なコンサルタントもいなくはないので、詐欺まがいなことをされないよう、注意することが大切です。

4. 税理士に丸投げしない

開業コンサルタント同様、経営に関わってくる可能性が高いのは税理士でしょう。財務のことをある程度任せるのは問題ないとしても、なにもかも丸投げして、現状の資金状態がどうであるのかなど把握していないと、廃業に追い込まれることがあります。医療会計コンサルティングの高いスキルを持った税理士はほとんどいません。資金繰りが悪くなったとき、追加融資するしかないと提言されても、金融機関からは断られることがほとんど。いつ自己破産してもおかしくありません。

5. 開業した暁には、モール内のクリニックや調剤薬局としっかりコミュニケーションをとる

複数のクリニック同士が隣接しているメリットを最大限活かすことが、集患や増患につながっていきます。まわりのクリニックからも患者を紹介してもらえるよう、日ごろからしっかりとコミュニケーションをとって、絆を深めておくことが大切です。

どんな経営スタイルをとる場合も、よい人間関係の構築は大切

その他、医療モールに限ったことではないですが、オープニングスタッフの退職によって運営がままならなくなることなどもあり得ます。そうした事態に陥ることを防ぐためにも、クリニック内の人間関係を良好に保つことはとても大切。よい人間関係が構築されていると、困ったときも周りが手を貸してくれるものですよ。

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