勤務医数がもっとも多い年齢層とは?

全国で働く医者の中には、医療機関に勤務している医者もいれば、自らクリニックを立ち上げている開業医もいます。ではそのうち勤務医の数はどのくらいなのでしょうか?さっそくみていきましょう。
全国の医師の半数以上が勤務医
厚生労働省が公表している「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、2018(平成30)年の全国の医師数は32万7,210人。そのうち、31万1,963人が、病院や診療所などの医療施設に従事しています。
また、勤務先別にみると、勤務医と開業医は以下のように振り分けられます。
病院(医育機関附属の病院を除く)の勤務医 | 14万6,508人 |
---|---|
病院(医育機関附属の病院を除く)の開設者または法人の代表者(=開業医) | 5,183人 |
診療所の勤務医 | 3万2,127人 |
診療所の開設者または法人の代表(=開業医) | 7万1,709人 |
つまり、全国の勤務医の数は17万8,635人、開業医の数は7万6,892人。ちなみに、31万1,963人の医師のうち残りは、介護老人保健施設や介護医療院などに勤めるなどしています。
勤務医の割合がもっとも多い層は40代
続いて、医療施設に従事する勤務医の数を年齢階級別にみていきましょう。
年齢 | 29歳以下 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳以上 |
---|---|---|---|---|---|---|
総数 | 29,378 | 64,508 | 67,384 | 67,274 | 53,016 | 30,403 |
男 | 18,818 | 44,412 | 49,656 | 56.083 | 47,215 | 27,483 |
女 | 10,560 | 20,096 | 17,728 | 11,191 | 5,801 | 2,920 |
上の表の通り、勤務医の数がもっとも多い層は40代、続いて50代であることがわかります。また、70歳以上の勤務医も、全国に3万人以上存在します。
勤務医数がもっとも多いのは内科
続いては、診療科ごとに勤務医数を比較します。主たる診療科ごとの勤務医数を比べたところ、勤務医数がもっとも多いのは内科の8万9,037人がダントツ。2位は消化器内科(胃腸内科)の2万9,847人で、3位は小児科の2万7,608人となっています。
勤務医の人数ランキング
順位 | 診療科目 | 勤務医数 |
---|---|---|
第1位 | 内科 | 8万9,037人 |
第2位 | 消化器内科(胃腸内科) | 2万9,847人 |
第3位 | 小児科 | 2万7,608人 |
第4位 | 整形外科 | 2万5,488人 |
第5位 | 外科 | 2万4,842人 |
第6位 | 循環器内科 | 2万2,735人 |
第7位 | リハビリテーション科 | 1万4,728人 |
第8位 | 皮膚科 | 1万4,244人 |
第9位 | 循環器内科 | 1万3,692人 |
第10位 | 眼科 | 1万3,513人 |
参照:医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 p.11より一部抜粋
都道府県別にみた人口10万人あたりの勤務医数がもっとも多いのはどこ?
続いては、人口10万人に対して、医療施設医従事する医師数が多い都道府県をみていきましょう。人口10万人あたりの医師数トップ3は、1位=徳島県(329.5人)、2位=京都府(323,3人)、3位=高知県(316.9人)となっています。反対にワースト3は、埼玉県(169.8人)、茨城県(187.5人)、千葉県(194.1人)となっています。
参照:医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 p.14より一部抜粋
「多い=足りている」と考えると患者のニーズも見えてくる
今回は勤務医数について、多い年齢層や診療科、都道府県を見ていきましたが、これらのデータを元に、開業する医師が年齢層、ニーズが高い診療科なども考察することができますね。これから開業しようと考えている医師のみなさんも、ぜひさまざまなデータを元に、将来の道を模索してみてはいかがでしょうか?