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在宅医療をおこなう開業医の年収は高い?低い?

在宅医療をおこなう開業医の年収は高い?低い?

在宅医療をおこなう開業医の年収は高い?低い?

超高齢化社会に突入した日本では、在宅医療のニーズが一層高まっています。そのため、これから開業しようとしている医師の中には、在宅医療を視野に入れている人も多いはず。そこで気になるのが、在宅医療をおこなう開業医の年収です。実際のところ、在宅医療をおこなう開業医の年収はどのくらいなのでしょうか? 早速みていきましょう。

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在宅医療とは?

まずは、在宅医療の定義について説明します。在宅医療とは、患者の自宅または老人ホームなどの施設に、医師が訪問して診療をおこなうことです。在宅医療の診療携帯は2種類。1つは、患者やその家族からの要請に応じて、自宅を訪問して診療する「往診」です。そしてもうひとつは、足腰が悪いなどのなんらかの理由があって通院が困難な患者に対して、計画的な医学管理のもと、定期的に訪問して診療する「訪問医療」。いずれの在宅医療も、医療機関から原則16km以内が診療範囲とされています。

在宅医療をおこなう開業医の平均年収は?

続いては本題である、在宅医療をおこなう開業医の年収です。在宅医療をおこなう開業医の年収は、開業医全体の平均年収をやや上回っているとされます。その理由は、往診と訪問医療の双方ともに外来と比べて人員などが多く必要となるため、診療点数が約10倍高く設定されているからです。

外来の再診料が72点であるのに対して、往診料は720点、訪問診療は833点と10倍以上。その結果、在宅医療を提供している開業医の年収は2,000万円を超えているとされています。

施設基準を満たせば診療報酬を増やすことが可能!

「どういった症状にまで対応するのか」「24時間365日対応可能とするのか」などによっても、年収に差は出てきます。在宅医療をおこなう開業医として年収UPを狙いたい場合は、以下のような施設基準を満たして開業することも有効です。

地域包括診療加算

かかりつけ医機能を持つ診療所を評価するための加算です。対象となる患者は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症のうち2つ以上の疾患を有している患者になります。

時間外対応加算

標榜時間外の患者からの問い合わせに対応できる体制を整えている医療機関は、再診料に対する加算として「時間外対応加算」を算定できます。対象となる患者は、再診料の算定がある患者です。

在宅療養支援診療所

在宅診療患者に対して、24時間対応が可能である医療機関を評価するための施設基準です。在宅療養支援診療所は、「在宅診療を担当する常勤医師の人数」「緊急時の入院体制」「緊急往診の実績」「看取りまたは15歳未満の超重症児および準超重症児に対する在宅医療の実績」などによって大きく3種類に区分されます。

在宅時医学総合管理料及び施設入居時医学総合管理料

通院が困難である患者に対して、医学管理のもと、定期的な訪問診療をおこなっている場合、月一回の頻度で算定することが可能です。対象患者は、在宅または施設で療養をおこなっている患者のうち、通院が困難である患者です。

機能強化加算

かかりつけ医機能を持つ診療所を評価するための加算です。対象となる患者は、初診料の算定がある患者です。

在宅がん医療総合診療所

対象となる患者は、末期の悪性腫瘍を患っている患者です。総合的な在宅医療計画を策定して、週4日以上の訪問診療または訪問看護をおこなった場合に、1週間を単位として算定できます。

在宅医療をおこなう開業医になろうと思ったらどんな準備が必要? 

続いては、「在宅医療」に必要なスキルと資格について説明します。在宅医療をおこなうために最低限必要なスキルは、総合的な診察力とコミュニケーション力です。在宅医は、患者さんの健康管理や基本的な治癒以外に、緩和ケアや看取りを担うことがあるため、患者さんやその家族の気持ちに寄り添い、密にコミュニケーションを取ることが欠かせないのです。

必要な資格としては、日本在宅医学会の「在宅医療専門医」の資格が挙げられます。在宅医療専門医の試験は、一次試験=書類審査、二次試験=専門医試験となっており、合格率は2011年度で66.7%です。受験資格は以下の通りです。

在宅医療専門医の申請資格

  • 医師免許を有しており、医師として5年以上の経験を有していること
  • 医師としての人格ならびに見識を備えており、在宅医療の実績があること
  • 日本在宅医学会の会員であること
  • 日本在宅医学会が定める基礎学会の研修を修了していること。ただし、一定の条件を満たす場合は免除される場合がある
  • 緩和ケア研修および内科研修を修了していること。あるいは、申請期日までに在宅研修プログラムを終了見込みであること。ただし、5年以上の訪問診療経験があり、日本在宅医学会が認めた者は、在宅研修プログラムでの研修を免除し、認定専門医試験受験資格を認める

また、日本在宅医学会専門医以外に、「家庭医療専門医」「老年病専門医」などの資格もあるので、気になる人はぜひインターネットなどで詳細をチェックしてみてください。

在宅診療をおこなううえで大切なのは、「患者やその家族を支えて見守っていく」という強い気持ち

在宅診療において大切な考え方は、病気を「治す」ことではなく、「患者やその家族を支えて見守っていく」こと。長いこと「治す」ことを目的に医療をおこなっていたことから、最初のうちは目的を見失ってしまう場合もあるかもしれません。これから在宅診療をおこなっていきたいと考えている人は、「自分は患者にとってどんな医者でありたいのか?」「どんな医療を提供したいのか?」を今一度自問自答してみるのもいいかもしれませんね。

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