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顔認証付きカードリーダーは導入すべき? メリットはある?

顔認証付きカードリーダーは導入すべき? メリットはある?

顔認証付きカードリーダーは導入すべき? メリットはある?

2021年10月20日、オンライン資格確認の本格運用がスタートしたことをきっかけに、医療機関で顔認証付きカードリーダーの導入が進みつつあります。とはいえ、既に導入済という医療機関は数えるほど。そうなると気になるのが、顔認証付きカードリーダーを導入することのメリットです。導入することによって何がどう変わってくるのか、早速みていきましょう。

顔認証付きカードリーダーを導入するとどうなる?

医療機関で顔認証付きカードリーダーを導入すると、健康保険証の資格確認がオンラインで可能になります。具体的には、加入している医療保険や自己負担限度額などまで確認できるようになるうえ、期限切れの保険証を使ったことによって発生する過誤請求や、手作業での入力にかかる時間などを削減できます。さらに、マイナンバーカードによる本人確認を通して、過去に受けた特定健診や処方された薬の情報なども閲覧可能となります。これによって、より質の高い医療を提供することができるようになります。また、常時、支払基金・国保中央会とオンラインで接続されるため、情報共有がスムーズになります。

参照:厚生労働省保険局「健康保険証の資格確認がオンラインで可能となります」

顔認証付きカードリーダーのニーズは増える予想

2021年12月時点においては、マイナポイントキャンペーン第1弾を実施中ですが、2022年1月1日には、マイナポイントキャンペーン第2弾がスタートします。

マイナポイントキャンペーン第2弾では、健康保険証として利用登録をした人に7,500円相当のポイントが付与されるとあって、今後、健康保険証代わりにマイナンバーカードを利用する人が増えることが見込まれます。そうなったときに、クリニックのほうで顔認証付きカードリーダーの準備が整っていないと、患者からネガティブな印象を持たれることもありえるので、早めに導入を進めることが望ましいでしょう。

病院、クリニックにとってのメリットは?

上記を踏まえたうえで、顔認証付きカードリーダーを導入することによる医療機関にとってのメリットをまとめると以下の通りとなります。

【顔認証付きカードリーダー導入のメリット】

1 来院前の一括照会で、患者の保険資格が有効か、変更がないかを確認できる
2 受付の際、患者の健康保険証から保険証記号番号や氏名などを医療機関システムに入力する手間が省ける
3 資格過誤が原因のレセプト返戻が減るため、窓口業務が楽になる
4 患者が申請しなくても限度額情報を取得できる
5 患者の意思を確認したうえで、薬剤情報や特定健診情報などをオンラインで確認できる
6 災害時に自宅に薬を置いて避難した患者などに対して、薬剤情報などを確認して医療を提供できる
7 電子版お薬手帳と連携しているので照会が楽

参照:厚生労働省保険局「健康保険証の資格確認がオンラインで可能となります」

顔認証付きカードリーダー4社比較

続いては、現在使用されている4社の顔認証付きカードリーダーの特徴を説明します。

1. 富士通Japan株式会社「Caora」
画面サイズは5インチ、寸法は幅17cm×奥行23cm×高さ20cmとコンパクトなサイズです。5年間無償保証。顔認証システムには、なりすまし防止機能も搭載されています。また、1台のパソコンに対して4台まで同時に接続することができるため、複数人の患者に同時に対応することも可能です。

2. パナソニックシステムソリューションズジャパン株式会社「顔認証付きカードリーダー XC-STFR2J-MN」
画面サイズは7インチ、寸法は幅14.8cm×奥行14.5cm×高さ27.6cmと縦長なデザインです。5年間無償保証。アメリカ国立標準技術研空所からも高く評価された、パナソニックの顔認証システムの技術を集約しているため、顔認証制度の高さはお墨付き。手袋をつけたままで操作できるため、感染対策にもよさそうです。

3. 株式会社アルメックス「マイナタッチ」
画面サイズは8インチ、寸法は幅35.4cm×奥行17cm×高さ13.9cmと横に長いタイプです。なぜ横に長いかというと、紙の公費医療券各種証明書を読み取れるようにデザインされているため。また、ミラーリング機能搭載のため、タッチパネルの操作が苦手な患者の場合、受付で代わりに操作することが可能です。18か月無償保証。それ以降は月額2,500円の有償保証となります。

4. キャノンマーケティングジャパン株式会社
画面サイズは5インチ、寸法は9.8cm×奥行18cm×高さ24.2cmと幅をとりません。また、操作部の取り外しが可能なため、設置している台などに手が届きにくい車いすの患者などでも快適に使用できます。そのほか、のぞき見防止機能やカード置忘れ防止機能も搭載しています。5年間の自然故障保証付き。

顔認証付きカードリーダー導入に際してどんな補助を受けられる?

続いては、医療機関に対して、顔認証付きカードリーダー導入のために用意されている補助について説明します。まず、顔認証付きカードリーダーは、医療機関および薬局には無償で提供されています。病院の場合は3台、クリニックなどの場合は1台の顔認証付きカードリーダーが提供されます。

また、マイナンバーの読み取り・資格確認などのソフトウェア・機器の導入、ネットワーク環境の整備、レセプトコンピュータや電子カルテシステムといった既存システムの改修費などに関しては、下記の通りの上限額を補助してもらえます。

病院クリニック
1台導入の場合2台導入の場合3台導入の場合32.1万円を上限に補助 ※事業額の42.9万円を上限にその3/4を補助
105万円を上限に補助 ※事業額の210.1万円を上限にその1/2を補助100.1万円を上限に補助 ※事業額の200.2万円を上限にその1/2を補助95.1万円を上限に補助 ※事業額の190.3万円を上限にその1/2を補助

ただし、消費税分も補助対象であるため、上記金額は消費税分を含んだ費用です。また、補助が出る期間も決まっています。令和5年3月末までに補助対象事業を完了させ、令和5年6月末までに補助金交付申請をおこなったものが対象となるので、導入を検討中のクリニックは早めに準備を進めたほうがよいでしょう。

参照:厚生労働省保険局「健康保険証の資格確認がオンラインで可能となります」22枚目より一部抜粋

面倒なことを後回しにすると後々大変

オンライン資格確認はまだ黎明期であるため、後手に考えているクリニックも多いかもしれませんが、補助金の利用などを考えると早めに事を進めるに越したことはありません。また、今のうちに環境を整備しておけば、後々面倒な事務作業に時間をとられることも少なくなるので、何事も「思い立ったが吉日!」の精神で片づけておくといいかもしれませんね。

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