眼科で電子カルテを使うならどのメーカー? 費用は?
電子カルテを導入したいけど、診療科によって選ぶべき電子カルテは違う? そんな疑問を抱いたことがある人もいるかもしれません。電子カルテには、どの診療科でも使えるものもあれば、特定の診療科に特化したものもあります。そのなかから今回は、眼科向け電子カルテをご紹介します。
眼科クリニック向け電子カルテにはどんな製品がある?
眼科向け電子カルテを選ぶ際には、眼科特有のシステムとの連携について考えることが大切です。眼科クリニックでは、眼底カメラやスリットランプなどの検査画像、眼圧計やレフケラなどで計測したデータを管理する必要があるので、それらをスムーズに取り込めるかどうかで作業効率に違いが出るためです。
また、シェーマを頻繁に描くことも眼科の診療における特徴のひとつなので、グラデーションを付けたり色を変えたりといった機能も備わっているといいでしょう。
1. 株式会社クリプラ「CLIPLA Eya(クリプラアイ)」
眼科専用に作られているため、眼科に特化した項目がそろっています。流れが決まっている診療に関しては、「花粉症セット」「緑内障初診セット」「結膜炎セット」などのセットとして登録しておくと、診察時はボタンをクリックするだけで定番の検査内容や薬剤名が一気に入力されます。また、「薬剤のみのセット」「処置のみのセット」など、セクション単位で登録することも可能。コンタクトレンズの処方箋作成に関しては、あらかじめ登録したレンズリストから選ぶだけなので極めて楽です。また、暗室ではカルテの色調が反転する「ダークモード」を使えば、検査や診療の妨げになることなく入力できます。
2. 株式会社トプコン「IMAGEnet eカルテ v3クラウド」
眼科診療データを安心・安全に運用できるクラウド型電子カルテです。眼科用検査・診断・治療機器や眼科用ネットワークシステムなどを、長年にわたって作り続けてきた企業のノウハウを最大限活かして作られているので、運用しやすく視認性も非常に高いのが特徴です。ウイルス対策や暗号化通信なども万全で、セキュリティ面においても安心といえるでしょう。
株式会社トプコン「IMAGEnet eカルテ v3クラウド」
3. 株式会社ビーライン「Medius CL」
眼科診療のワークフローに沿って構築された電子カルテシステムです。わかりやすい設計で使いやすさ抜群。受付から会計までを一括管理できるので、業務効率化に役立ちます。診察時の画面配置は好みによってカスタマイズ可能。処方アシスト昨日やチャット機能など、機能面も充実しています。
4. 株式会社NIDEC「診療所向け電子カルテシステムNAVIS?-CL」
眼科機器をはじめ、主に目に関する事業をおこなっている株式会社ニデックの電子カルテも、眼科クリニックにはおすすめです。2号紙スタイルを採用しているため、筆圧感知タブレットを使って、紙カルテに記入する感覚でシェーマを記載できます。コスト漏れや二重請求の防止機能、日医標準レセプトソフトを採用したレセプト機能などの充実した仕様もうれしいポイントです。
株式会社NIDEC「診療所向け電子カルテシステムNAVIS?-CL」
5. 株式会社ケイメイ「i-nect System」
眼科クリニックの現場で働くスタッフによって作られた電子カルテです。特徴は、眼科検査データと電子カルテを集約して、検査機器から検査データを転送して一元管理してくれること。検査データは見えやすく、所見の入力は簡単です。既に電子カルテを導入しているクリニックのために、「電子カルテ眼科拡張パック」なども用意しています。
6. 有限会社ファーストメディカル「アイメッツ eyemet's」
電子カルテ機能とファイリング機能が一体となった、眼科専用のトータルシステムです。ベースとなっている電子カルテ機能およいファイリング機能に、必要に応じて機能を追加することも可能。「待ち順表示システム」や「手術管理システム」などのサブシステムも用意されています。
有限会社ファーストメディカル「アイメッツ eyemet's」
複数の候補から自院にぴったりのものを選ぶコツは?
たくさんの候補があると、選ぶのが難しくてかえって導入しづらいと思う人もいるかもしれません。その場合、まずは自院が電子カルテに求めること=どんな機能があればうれしいか? を書き出してみてください。ほしい機能をできるだけ多く備えた電子カルテはどのカルテなのかがみえてくると、俄然、導入意欲も高まってくるはずですよ。