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クリニック承継で損しないために知っておくべきポイントは?

クリニック承継で損しないために知っておくべきポイントは?

クリニック承継で損しないために知っておくべきポイントは?

クリニックの承継は、一般的に開業資金が少なくて済むというメリットがある一方、クリニックの状況をよく知らずに継いでしまった場合、後々損となる可能性があり得ます。では、損しないためにはどのようなことをチェックしておけばいいのでしょうか? 株式会社日本医業総研 専務取締役 植村智之さんが講師を務めた承継開業セミナー「承継開業を目指す前に知っておきたい基礎知識」をもとに解説していきます。

植村智之さんが現職に就任したのは2020年ですが、それ以前は株式会社西日本総研(現日本医業総研)東京本社の開設責任者として、100件近くの新規開業・事業承継コンサルティングに携わってきています。セミナーの詳細は下記リンクでもご覧いただけますので、この記事を読んで気になった方はぜひチェックしてみてください。

参照:【承継開業を目指す前に知っておきたい基礎知識】第三者承継のパターンとは?

【承継開業を目指す前に知っておきたい基礎知識】第三者承継のポイントと承継案件の探し方

【承継開業を目指す前に知っておきたい基礎知識】医師に聞いた承継開業のメリットデメリット

新規開業と承継開業、何が違う?

承継に関して、「設備が整っているし、患者やスタッフを引き継ぐこともできるぶんお得」というイメージを抱いている人は多いでしょう。では、それでも結果的に損をすることもあるのはなぜなのでしょうか? 新規開業と承継開業について、異なる点を比較してみましょう。

カテゴリ新規開業承継開業
集患必要(0人スタート)前クリニックの患者を引き継げる
スタッフ雇用採用活動が必要前クリニックからの引き継ぎも可能
内装新しい古い
内装工事必要(1坪あたり約50万円)不要
医療機器新しい古い
医療機器購入・レンタル費平均3,000万円程度数年後に買い替えが必要な場合もある
運転資金最低1,500万円程度経費2か月分程度
損益分岐約1年後開業初日

2つの比較表を見るとわかる通り、承継開業のほうが有利な項目もあればその逆もあるので注意が必要です。

知っておきたい「承継のパターン」

続いては、承継のパターンについて解説していきます。承継のパターンとして、親族間(親子間)での承継と第三者間でのパターンがあることは多くの人が周知の通りですが、さらに、第三者承継ひとつとってもいくつかのパターンがあるということも覚えておきましょう。

どういうことかというと、承継元が個人の場合もあれば医療法人の場合もあり、また、買い手側も個人の場合と医療法人の場合、そして個人クリニックの場合があるからです。

パターンスキーム
承継元:個人→承継先:個人(勤務医)一旦閉院して承継先が新規開業する
承継元:個人→承継先:医療法人承継先医療法人の分院として承継する
承継元:医療法人→承継先:個人(勤務医)持分譲渡および役員交代、退職金支給(譲渡額含む)
承継元:医療法人→承継先:医療法人基本的に合併になる
承継元:医療法人→承継先:個人クリニック法人格譲渡となるため、個人クリニックを医療法人に分院にすることになる

パターンの違いによって、必要な譲渡金の目安なども異なるので、自分の理想の承継はどのパターンに該当するのかをまずは考えることが重要です。

損をしないための候補物件チェックポイント

続いては、いずれのパターンで承継した場合も、損をしないために、候補物件について確認しておくべきポイントをお伝えします。

1.クリニックの収支が合っているかどうか

承継時の収支状況が黒字であるか赤字であるかは、まずチェックすべきポイントです。

2.診療圏内の人口統計

現在の人口統計だけでなく、人口統計の推移や、今後、都市開発などの影響を受けて人口統計がどう変わっていくかも考慮したい点です

3.借入金がない

クリニックの収支と併せてチェックしたい金銭面でのポイントです

4.院外処方かどうか、近隣に調剤薬局があるかどうか

前クリニックが院内処方だった場合、近隣に調剤薬局が少ない可能性もあります

5.近隣施設や自治会などとの関係が良好であるかどうか

万が一、地域住民や自治体との関係が望ましいものではない場合、承継後に改善していく努力をしたほうがいいでしょう

6.自宅兼診療所かどうか

自宅兼診療所の場合、同じ敷地を利用することによるトラブルもあります

7.「営業権」の整合性がとれているかどうか

適正な価格で承継をおこなうためにも、営業権の基準についてはしっかりと理解しておくことが望ましいでしょう。

8.地域での評判、風評被害の有無

前クリニックの評判がよくない場合、承継後も、マイナスイメージを払拭するのに時間がかかる場合があるでしょう。

9.近年、診療圏内に新規の競合が開業していないかどうか

これまでは概ね順調な経営状況だったとしても、診療圏内に競合が新規開業する予定があるなら、状況が変わってくる場合があります。

承継開業時の注意点

次に、実際に承継の手続きをおこなう際の注意点をお伝えします。

1.持分譲渡代金の資金調達

金融機関はあくまでも投資先としてみているため、審査が厳しい傾向にあることを覚えておきましょう。

2.合意後の想定外費用負担発生

基本合意書、譲渡契約書締結までに未決事項をすべて洗い出すことが大切です。

3.スタッフの継続雇用は同意が必要

場合によっては、追加採用が必要となることもあります。

4.不十分なデューデリジェンスに注意が必要

債務未整理、風評、過去の訴訟などが見当たらない場合も、実態と相違がないかどうか、契約に永続性があるかどうかなどはチェックしておきましょう。

いい物件がないかどうかまめにチェックしておこう

承継に興味がある人は、チャンスが訪れたときにすぐに動けるよう、早い段階から気になる物件がないかチェックしていることも多いでしょう。『クリニック開業navi』でも、随時情報を発信しているので、気になる人はぜひチェックしてみてください。

参照:『クリニック開業ナビ』承継物件

気になる物件が見つかったら、ぜひお気軽に下記のフォームよりお問い合わせくださいね。

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