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競争激化時代のクリニックにおける優位な戦略のケーススタディー

競争激化時代のクリニックにおける優位な戦略のケーススタディー

2020年12月9日に、「クリニック経営」をテーマにしたオンラインセミナーが開催されました。本セミナーでは、クリニック開業コンサルタントの『ゼロフェニックスコンサルティングジャパン株式会社』の川畑優代表取締役が出演。今回は、川畑代表が話された、今後の集患につながる「競争激化時代のクリニックにおける優位な戦略のケーススタディー」の内容をご紹介します。

今後の集患につながる3つのケーススタディ

クリニックの競争が激化している昨今、集患に苦労しているクリニックが増えています。そうした状況を打破するアイデアとして、川畑代表が以下の3つのケーススタディーを提案しました。

  1. 非接触のサービス
  2. 新たな治療
  3. 理念を共有した連携

まずは1つ目の「非接触のサービス」についてです。新型コロナウイルスの感染拡大により、医療サービスに大きな影響が出ているクリニックが増加。そのため、廃院に追い込まれるケースも増えました。そのためか、コロナを原因とするM&Aも増加しています。

従来の医療サービスを提供するのが難しい今、新しい医療サービスを考え、実施し、このピンチを乗り越える必要があります。そのヒントとなるのが「非接触」です。現在どの業界も「非接触」をキーワードに新しい挑戦を行っています。とはえい、医療は「究極の人対人のサービス」であるため、全く接触をしない形は難しく、可能な限り接触しない形での医療提供が求められます。

2020年よりオンライン診療での初診が可能になりましたが、その影響もあってオンライン診療を手掛ける企業の株価は上昇。コロナ禍の中でオンライン診療が大きな期待を受けているのが分かります。ただし、現場レベルでは導入が進んでいないのが現状。オンライン診療をうまく取り入れられるかどうかが、競争に打ち勝つポイントとなります。

オンライン診療は、通常2kmの商圏を最大16kmにまで広げられる可能性を秘めていますが、オンライン診療活用のポイントとして川畑代表は「自院周辺の訪問看護・介護サービスと積極的に協力すること」を挙げています。

オンライン診療を行う際、機器のセッティングなどサポートが必要になることがあります。自院だけで全てをサポートするのは難しいため、訪問看護・介護サービスと協力し、例えば必要に応じて患者さんの自宅に訪れ、必要なサポートを行ってもらうなどすればオンライン診療がスムーズに行えるようになります。医療機関、看護・介護施設がチームとして動けるようになれば、オンライン診療の導入が加速し、一般的な医療商圏の打破、また地域の包括的診療の促進にもつながります。

再生医療を取り入れることは集患にもつながる

2つ目は「新たな治療」です。昨今、再生医療の普及が拡大しています。許認可のハードルは高いものの、厳しい審査に合格し、自院で再生医療の提供が可能になれば、サービス拡大による集患が可能となります。

『ゼロフェニックスコンサルティングジャパン株式会社』では、2020年に変形性膝関節症の再生医療を行うクリニックの開業をサポート。膝関節の場合、現代医療ではヒアルロン酸を注入する保険診療か、人工膝関節の外科治療を行う高額保険診療の2つしかなく、その間の治療がない状況です。

しかし、再生医療が普及すれば、「現代医療の隙間を埋めること」ができ、集患にも影響を与えます。また、厳しい再生医療の認可を受けることは、自院のブランディングにもなるので、これも他クリニックとの競争を制する武器になります。

他クリニックと協力・連携する新たなスタイル

3つ目は「理念を共有した連携」です。『ゼロフェニックスコンサルティングジャパン株式会社』が相談を受けた中で、「生きる喜びを提供する拠点」を作りたいという内容のものがありました。従来の医療モールは単に空きフロアに入るだけで、施設全体で同じ思いを共有するといった考えはありませんでした。この施設では「同じ理念を共有する開業医」を探し、理想の医療モールを造ろうとしています。

理念を共有することで、例えば同じ施設内のクリニック間での連携もスムーズになり、患者さんを紹介し合える状況を生み出せます。フロアに入っているのは別々のクリニックであるものの、医療モールが外来専門の病院のように、一人の患者さんを施設全体でケアすることが可能となります。

新型コロナウイルスの影響はあるものの、競争を勝ち抜くには差別化を図った集患対策が必要です。また、現状は自らの力だけで道を切り開くことが難しいため、同じ理念を持つ仲間を増やし、医療商圏を自院でデザインすることもポイントです。その上で、独自の集患ルートを確立できれば、厳しい競争を勝ち抜けるかもしれません。