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クリニックのスタッフ募集の現状とは?

クリニックのスタッフ募集の現状とは?

クリニックのスタッフ募集の現状とは?

クリニックでスタッフを募集するのが難しい時代になっているといわれます。特に看護師は仕事が大変というイメージもあり、応募者が減っているなどとまことしやかに語られていたりします。しかし、これは本当のことなのでしょうか。

クリニックのスタッフ募集の現状について、『レバレジーズメディカルケア株式会社』執行役員の森口敬さんにお話を伺いました。

同社では、「看護のお仕事」という看護師向けの転職サイトでマッチングサポートサービスを行っているため、森口さんは「看護のお仕事」に登録する「求職者」と「クリニックや病院、介護施設、訪問看護ステーションなど採用者」、この双方の事情に精通しています。

実は求職者数は微増!求人倍率は「2.5倍」ほど

――最近では看護師を募集するのが大変とのことですが、現状はどのようになっているのでしょうか。

森口さん 元々、日本では看護師数は需要に対して不足しています。2006年に診療報酬の改定があって「7:1」の看護基準が導入されました。これは患者さん7人を1人の看護師で見ましょうというものです。この基準に沿った方が診療報酬が高くなるということで、病院における看護師のニーズが非常に高まり、求人倍率(看護師1人につき何件の求人があるか)が約3倍まで上がりました。

国が想定していた以上に7:1看護基準を取得する病院が増えてしまい、ただでさえ足りていなかった看護師人数が更に足りない状況になってしまいました。その結果、国として配置を増やしたかった訪問看護をはじめとする在宅分野での看護師不足になりました。今は徐々に改善されてきてますが、結果として知名度が高くない求人者では看護師の採用が難しくなってしまったわけです。

採用が、在宅看護・訪問看護と呼ばれる分野での看護師が足りなくなりました。つまり、結果として、大きな病院以外は看護師の採用が難しくなってしまったわけです。

――なるほど。そういう背景があるのですね。

森口さん 看護師になる人の数は少しずつ増えているにもかかわらず、逆に需要が増えてしまったために看護師の採用が難しくなった――というのがここ10年ぐらいの状況です。

――では、現在の求人倍率はどの程度なのでしょうか?

森口さん ピーク時は3倍を超えていましたが、今は2.5倍ぐらいです。

――それでも2.5倍ですから、クリニックで看護師を募集するのはなかなか難しいですね。

森口さん そうですね。しかし、『厚生労働省』も見直しをかけています。看護師の人数だけではなく、患者の重症度合いや診療実績なども加味されるようになり、適切な報酬評価がされるように改善されてきています。在宅看護・訪問看護をはじめとした必要な場所に、必要な人数が配置されるようにしないといけないので。

6、7年前と比較すると、状況は改善されていますが、一般の求人倍率よりは高いので、「看護師の採用は難しい」といわれているのだと思います。

クリニックは病院より好まれる!

――『クリニック開業ナビ』ではこれから開業しようという医師、将来のクリニック院長が読者なのですが、小規模なクリニックの場合、看護師を募集するのは不利なのでしょうか?

森口さん 病院・介護施設・クリニック・在宅医療と大きく4つに分けると、クリニックはむしろ求職者に好まれる傾向にあります。

――なぜでしょうか?

森口さん 有床の病院の場合では、3交代や2交代勤務制でどうしても夜勤があることが多く、不規則な勤務になりがちです。しかし、クリニックの場合には日勤のみ勤務が多く、ご家庭やプライベートの事情などで日勤のみの働き方がある人も多数いらっしゃるので、クリニックの方が人気があります。

しっかり準備をして「面接」に臨みましょう!

これから看護師の採用を行う医師・クリニック院長に対するアドバイスをいただきました。

――看護師を募集する際にどのような態度で臨むべきでしょうか。

森口さん 採用像を明確にしておくことです。クリニックの場合には、午前診・午後診があると思いますが、この時間帯には何人必要か、「そのためにこういう人が必要」といった点をはっきりさせておくといいでしょう。特に、「マスト(must)」と「ウォント(want)」に分けて条件を整理しておくことをお勧めします。

マスト
「これは譲れない」という条件
ウォント
「こうしてほしい」という条件

例えば、週に何日勤務、勤務時間、お給料、行うべき業務における手技などはマストの条件です。これは譲れない部分だと思います。しかし、これに加えて「こうしてほしい」という条件なら、話し合いで決めることができます。

まず、妥協できる条件と妥協できない条件を自分の中で明確にすることです。この2つを混同してしまうと、面接もうまくいきませんし、採用できたとしてもミスマッチが起こってしまいます。また、その条件をきちんと求職者に伝えることも大事です。

中には、面接が面接になっていない方が少なからずいらっしゃいます。

――どういうことでしょうか?

森口さん いざ面接となるとすぐに、「いつから働けますか?」と聞いてしまう方も多く、もう採用が決まってしまっているような会話になることもあります。求職者は、面接に来たからといって、そこで働くことを決めているわけではありません。

加えて、合う人がどうかをしっかりクリニック側が判断する必要もあります。面接は、お互いに条件を擦り合わせる場です。それを行わずに採用を決めてしまうと、お互いにミスマッチが起こってしまいます。

応募者の方を、しっかりと面接の質問等で判断することも重要ですし、クリニックの場合は少人数のため、院長はもちろん、一緒に働く人との相性がとても大事になります。クリニックを見学してもらい、お互いが理解できるように話す時間を取ることをお勧めします。また、面接後の対応も非常に重要です。

面接後、採用でも不採用でもすぐに連絡をすることを忘れないでください。院長は、お忙しいとは思いますが、いい人だったがすぐに連絡を取らなかった結果、他で採用されたケースもあります。

検討期間を取るのであれば、「1週間後に採用についてご連絡します」のようなことを伝えたり、他の応募先の状況を確認するなどして、いい人が他に流れてしまわないようにしてください。院長が採用する人を選ぶように、看護師さんも自分の職場を選ぶので、面接や見学、その後の連絡を含めたクリニック側に持たれる印象も非常に重要です。

もし、人材で困っていることがあったらなんでもプロにご相談ください。

――ありがとうございました。

一時よりは状況が緩和されたとのことですが、現在も求人倍率は2.5倍で看護師の採用はなかなか難しいようです。ただ、クリニックには大病院と比べてアドバンテージがある部分もあります。今回の森口さんのアドバイスを参考にしっかりと準備をして面接・採用に臨んでください。

取材協力:『レバレジーズメディカルケア株式会社』

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