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クリニックのロゴを作るメリットや注意すべきポイントは?

クリニックのロゴを作るメリットや注意すべきポイントは?

クリニックのロゴを作るメリットや注意すべきポイントは?

クリニックの特徴を表すロゴマークは、クリニックの集患にも影響する大事な要素。では、クリニックのロゴを作る場合には、どのような点に注意するべきなのでしょうか。、クリニックのロゴ制作を行う『日本医療宣研株式会社』の久保利隆代表に、ロゴを作るメリットや注意点を聞いてみました。

ロゴは院長先生の思いを表すクリニックの象徴

――クリニックのロゴを作ることでどのようなメリットが得られますか?

皆さんがよく目にしている企業のロゴはCI(コーポレート・アイデンティティ)といって、企業文化やその会社の特性・独自性を分かりやすいメッセージにして社会に発信し、企業の存在価値を高めるという企業戦略の一つです。そのため、有名な企業のロゴにはさまざまな意味が込められています。クリニックのロゴも同様で、院長先生の思いを表すクリニックの象徴です。

ロゴを作ることで、患者さんや地域住民の方に対して、統一したクリニックのイメージを訴求できます。例えば、眼科であれば目、脳神経外科なら頭部といった、診療科目の体のパーツをロゴにすれば、どの科目のクリニックなのかを分かりやすく伝えられます。また、柔らかい色にすることで、アットホームな雰囲気のクリニックであることをアピールするなど、クリニックの特性を伝えることも可能です。

――どんなクリニックなのか理解してもらいやすくなる、ということでしょうか。

そうですね。どんな科目を診るのか、どんな雰囲気のクリニックなのかを、ロゴを通じて地域住民の方に発信できるのはメリットだといえるでしょう。ロゴがあることでクリニックを知る間口が広がります。

また、覚えてもらいやすくなることもメリットに挙げられます。皆さんは街でマクドナルドのマークを見ると、名前が出ていなくても「マクドナルドのマーク」と認識するでしょう。同じように、クリニックもロゴを作ることで覚えてもらいやすくなります。

例えば、私どもが手掛けたもので、ラグビーボールの形をモチーフにした、オレンジとグリーンのロゴがあります。このロゴは院長先生へのヒアリングを基にデザインしたものです。先生が大学まで長くラグビーに取り組まれていたことと、患者さんとのコミュニケーションになるということでこの形になりましたが、キャッチーなデザインということもあり、「ラグビーボールのロゴ=そのクリニック」と、地域に定着し、親しまれています。

内装やホームページに統一感を持たせられる

――ほかにロゴを作ることのメリットはありますか?

先ほどのラグビーボールのロゴを作ったクリニックの場合ですが、ロゴに使われているオレンジとグリーンの2色をクリニックのソファや内装の一部に用いたり、ホームページに使ったりしています。クリニックのイメージが統一できるので、ロゴもそうですが「オレンジとグリーンのカラーリング=そのクリニック」という図式も生まれました。クリニックの認知度・価値を高めることにロゴが貢献した好例です。

ロゴに使われているオレンジとグリーンの2色をクリニックのソファや内装の一部に

ロゴデザインを通して、漠然としていた自身の開業への気持ちやイメージが明確になるというケースもあります。クリニックのロゴデザインは院長先生の理念を可視化したものです。長く医業を続けると、自身の信念が揺らぐこともありますが、開業したときの気持ちを忘れないためにもロゴは大切です。また、自身の想いを形にしたロゴを掲げているクリニックには、同じ思いを共有するスタッフさんが集まってくることも多いですね。

――最近ではインターネットで検索してクリニックを探す人も多くいます。ネット検索において、ロゴの面で工夫できることはありますか?

残念ながら、検索においてはクリニック名や地名、またはホームページの中身といった部分が影響してくるので、ロゴからのアプローチは難しいでしょう。しかし、先ほどもお話ししたように、ロゴがあるとホームページの色使いなども統一でき、患者さんにクリニックのイメージが伝わりやすくなります。また、ロゴがあるほうが印象深くなるため、クリニックを探す際に「そういえばあのロゴのクリニックはどうかな」と検索してくれやすくなるかもしれませんね。

ロゴと診療科目のミスマッチに気を付ける

――ロゴを作る際の注意点はありますか?

ロゴ作りで大事なのは、自身の理念や開業後のミッションなどを明確にしておくことです。また、ロゴと科目、クリニックのイメージとのミスマッチが起こらないようにすることも意識してもらいたいです。

――ミスマッチというのは具体的にどのようなことでしょうか?

例えば、かわいらしいキャラクターのロゴは小児科や小児耳鼻科で多く使われています。そのため、脳神経外科のクリニックでかわいらしいキャラクターを使った場合は、小児科に間違われる可能性があるのです。こうしたミスマッチは意外と少なくありません。実際に、ロゴを見た患者さんが間違って来院するケースも見受けられます。院長先生のお子さんが描いた絵をロゴに使うというクリニックもあり、その場合はこうしたミスマッチが起こりやすいですね。

――ほかに気を付けることはありますか?

ロゴをベースにホームページ、内装などのイメージを統一したい場合は、基本構想や開業地選定といった、初期の段階でロゴをデザインしておかないと間に合いません。これまでの好事例も、こうした早い段階でのロゴ作成が功を奏しました。

地域とのコミュニケーション形成にも役立つ

――ロゴがないよりもある方がクリニックにとって良いということですね。

ロゴがなくても患者さんから支持を得ている評判のクリニックもあります。しかし、事前に入念にヒアリングを行い、院長先生の思いがこもったロゴを使っているクリニックは、地域住民の方の知名度も高い傾向にあると思います。

また、大阪のクリニックで、地元の高校にロゴを公募した例もあります。最優秀、優秀作品のロゴをベースにして弊社でデザインしましたが、クリニックで表彰式を行うなど、地域とのコミュニケーションという意味でもロゴが役立ちました。

とはいえ、院長先生が満足できるロゴであるかどうかが一番大事です。弊社ではヒアリングをベースにデザインしたり、院長先生が描いたラフを基にデザインしたりと、さまざまな形で対応可能です。ロゴを作りたいという場合は、ぜひ相談していただきたいですね。

――ありがとうございました。

ロゴ制作を看板会社に任せるといったケースも少なくないそうですが、ロゴはクリニックのイメージ定着に貢献する大事な要素。できれば先に作っておくべきでしょう。中には、自身の名前や趣味をロゴに反映するなど、こだわりのロゴを作った先生もいらっしゃるようです。もしロゴを作る際には、ミスマッチには注意しつつ、こだわりのロゴを掲げてみてはいかがでしょうか。

取材協力:日本医療宣研株式会社

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