これからの季節は必須!加湿器の効果と効果的な設置方法
空気が乾燥するこの季節。室内は暖房の使用などでさらに乾燥することになり、ウイルスにとってすみやすい環境となります。そうならないよう、加湿器を使ってしっかりと空気を潤したいところです。ただ、加湿器も間違った使い方では効果を十分に発揮できません。そこで、加湿器の製造販売を行っている『ダイニチ工業株式会社』に「加湿器の効果と効果的な設置方法」を聞いてみました。
加湿器を置くことによる効果は?
――加湿器を置くことでどのような効果を得られるのでしょうか?
喉や鼻の粘膜が乾くと異物を排除する細かい毛の動きが鈍くなり、細菌やウイルスを排除しにくくなります。そこで、加湿器を使って空気に湿度を与えることで、喉や鼻の粘膜の乾燥を防ぐことができます。
また、空気が乾燥していると口から出た飛沫も乾燥し、周囲に拡散します。理化学研究所がスーパーコンピュータ「富岳」を使い、飲食時の飛沫の拡散を計算した結果を公表していますが、適度な湿度があると飛沫が乾燥しにくくなることが分かっています。特に医療機関ではせきやくしゃみをする方もいると思いますので、湿度管理は飛沫の拡散防止に役立つかと存じます。
加湿器を選ぶ際は3つのポイントを押さえよう
――加湿器を選ぶ際に注意すべきポイントを教えてください。まずは「部屋の広さに合った加湿能力を持つもの」を選ぶことが大切です。加湿器には「適用床面積」という加湿できる広さの目安が設定されていますので、そちらを参考にしてください。
ただ、クリニックでは一般住宅より天井が高い場合もあると思います。適用床面積がお部屋に合っていても、吹き抜けなど天井が高いとその分加湿する空間が広くなるので、加湿能力が不足することが考えられます。
メーカーによっては、天井の高さを考慮した必要加湿量の目安を算出するフォームが用意されていますので、加湿器検討の際にこちらを利用することもできます。
――なるほど、天井の高さも考慮しないといけないのですね。
また、忙しい中でも加湿器のお手入れは必須ですので、なるべくお手入れがラクなものをお薦めいたします。特に、タンクやトレイが洗いやすい形状になっていると、お手入れの負担が軽減されます。
例えば、弊社製品の場合、お手入れがしやすいよう以下のような工夫を取り入れています。
- 手やスポンジを入れやすいよう、タンクは広口
- 仕切りの突起をなくしてフラットにしたトレイで、洗いやすい(一部機種)
- 使い捨てのトレイカバーを装着することで、トレイ自体の水洗いがない(一部機種)
ほかには、医療機関では清潔性が大切かと思いますので、抗菌加工がされた加湿器もおすすめです。弊社では、トレイや気化フィルター、空気取込口のフィルター等に抗菌加工を施しています。さらに一部機種には、タンク内の雑菌の繁殖を抑えるアタッチメントも備えています。
加湿器を効果的に使うには?
――加湿器を効果的に使うにはどういった点に注意すればいいでしょうか?
加湿方式によって異なる場合もありますので、弊社のハイブリッド式加湿器を例にご説明いたします。
まずは「エアコンの風が直接当たらない場所に置く」ことが重要です。エアコンを使用している場合、温風が本体に直接当たると加湿器のセンサーが誤作動してしまう場合があるためです。可能であれば、本体がエアコンの風に直接当たらず、それでいてエアコンの風が「加湿した空気を遠くまで運んでくれる場所」に置くのが最適です。
また、小型の加湿器(ダイニチ工業の場合、860mL/hまでのタイプ)は、床ではなくテーブルや家具の上などに置いてください。暖房中は床付近が比較的低温になり、加湿器のセンサーが湿度を高めに判定する場合があります。そうなると加湿器が十分な加湿をしていると誤解し、加湿量を落としてしまいます。ただ、大風量の機種は部屋の空気を循環させるため、床に置いても影響はそこまで大きくありません。
――ほかに注意した方がいい点はありますか?
窓際から離すことですね。窓際は外の冷気の影響を受けやすく、やはり加湿器のセンサーが間違った判断をしがちです。また、窓に結露ができやすくなるので、窓際から離して設置するのがおすすめです。
置き方以外にも、以下の2点についても注意しましょう。
1. お手入れは必ず行う
どの加湿方式であっても、定期的なお手入れは必須です。取扱説明書に従い、お手入れをお願いいたします。
2.水道水を使う
加湿器には必ず水道水(飲用)を使ってください。水道水(飲用)は一般に塩素処理されており、雑菌が繁殖しにくくなっています。ミネラルウォーターや浄水器の水は使わないでください。
弊社のHPではイラストなどでより詳しくご説明しておりますので、ぜひ参考にしていただきたいです。
ダイニチ工業ウェブサイト その置き場所で大丈夫?加湿器の「本当に効果的な使い方」を完全ガイド!
なお、弊社ではHDシリーズパワフルモデルという広い空間向けの加湿器をご用意しております。
お客様アンケートによると、こちらのモデルを病院の診察室や待合室で実際に使っている事例がございます。広い空間の加湿にお勧めのモデルです。
――ありがとうございました。
空気を潤して喉や鼻の粘膜の乾燥、ウイルスの繁殖を防ぐためにも必要な加湿器。飛沫の拡散を防ぐという、コロナ禍の現在は重視すべき効果もあるとのこと。ぜひ今回の記事を参考に、加湿器を選んだり、適切な形で設置したりしてみてはいかがでしょうか。
取材協力:ダイニチ工業株式会社