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一般診療所の従業員への年間給与費や医薬品費はどのくらい?

一般診療所の従業員への年間給与費や医薬品費はどのくらい?

一般診療所の従業員への年間給与費や医薬品費はどのくらい?

厚生労働省が行っている「医療経済実態調査」をご存じでしょうか? これは、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備する目的で、医療施設や保険薬局などにおける医業経営の実態を調査するもの。例えば、施設の概要、損益の状況、従事者の給与の状況などを調べます。では、一般診療所の給与費や医薬品費は、年間どのくらいの金額になっているのでしょうか? 「医療経済実態調査」の結果をご紹介します。

従業員に支払う給与の目安になる

本調査の「医業・介護費用」というパートでは、一般診療所の直近の2事業年の収益や費用を調べ、個人立の一般診療所における開設者報酬を含まない形で、職員の給料、賞与、退職金がいくらなのかを調査。令和元年に発表された「第22回 医療経済実態調査」によると、一般診療所(個人)の診療科目ごとの「年間給与費」は以下のとおりです。

入院報酬収益ありの場合

診療科目年間給与費
前年比
外科
9,879万9,000円
前年比プラス5.1%
産婦人科
9,836万6,000円
前年比マイナス1.8%

入院報酬収益なしの場合

診療科目年間給与費前年比
内科2,073万1,000円
前年比プラス1.6%
小児科
2,668万9,000円
前年比プラス7.5%
精神科
1,972万4,000円
前年比マイナス3.3%
外科
3,216万8,000円
前年比プラス1.3%
整形外科
2,575万9,000円
前年比プラス2.7%
産婦人科
2,059万8,000円
前年比プラス10.8%
眼科
1,660万6,000円
前年比プラス1.0%
耳鼻咽喉科
2,464万0,000円
前年比プラス1.3%
皮膚科
1,503万5,000円
前年比プラス7.3%

入院報酬収益ありとなしとでは、外科の場合はその差がおよそ6,000万円、産婦人科はおよそ7,000万円と、従業員に支払う年間給与に大きな差があります。そもそも入院施設がある場合は医業収益額も高額で、同調査によると外科は年間1億8,196万円(入院なしは9,804万1,000円)と段違い。もちろん機器の導入費や負担も大きくなりますが、入院施設の有無はこれだけ売上にも影響するのです。

「入院報酬収益なし」の場合は、外科が最高額で約3,200万円。次いで小児科、整形外科という順になっています。最も少ないのが皮膚科で約1,500万円です。また、精神科を除き、給与は前年度と比べて上昇しており、特に産婦人科は前年比でプラス10.8%と大きく上昇しました。

医薬品費が高額なのは精神科

日々診察を続ける中で、多くの医薬品が消費されます。患者さんの数にもよりますが、年間でどのくらいの金額が医薬品費として必要になるのでしょうか? 「第22回 医療経済実態調査」で発表された、年間医薬品費を紹介します。こちらも先ほどの給与と同じく、個人の一般診療所を対象としたもので、「入院報酬収益あり」と「入院報酬収益なし」の両方を以下にまとめました。

入院報酬収益ありの場合

診療科目年間医薬品費前年比
外科
1,286万4,000円
前年比マイナス9.3%
産婦人科
1,037万5,000円
前年比マイナス2.8%

入院報酬収益ありの場合

診療科目年間医薬品費前年比
内科1,257万6,000円
前年比マイナス3.4%
小児科
1,874万2,000円
前年比プラス3.4%
精神科
2,160万9,000円
前年比プラス8.2%
外科
1,462万6,000円
前年比プラス6.1%
整形外科
1,997万2,000円
前年比0.0%
産婦人科
880万6,000円
前年比プラス28.0%
眼科
520万8,000円
前年比プラス12.4%
耳鼻咽喉科
517万4,000円
前年比マイナス6.3%
皮膚科
199万6,000円
前年比プラス5.0%

給与と異なり、入院報酬収益の有無で大きな差はありませんでした。外科に至っては、入院報酬のない診療所の方が医薬費が高額になっています。また、最も医薬品費が高かったのは精神科で約2,100万円。給与を超える額です。精神科で用いられる薬品は高額なものが多く、医業費用の4分の1以上が医薬品費となっています。最も金額が少なかったのが皮膚科で、年間約200万円とほかの診療科と比べてかなり少ない額です。

厚生労働省の「第22回 医療経済実態調査」を基に、一般診療所の年間給与費と年間医薬品費をご紹介しました。これから開業を目指している医師は、事業計画を立てる際の参考になるのではないでしょうか。

今回引用した「第22回 医療経済実態調査」は、令和元年度に発表されたもので、次回の第23回は令和3年11月中旬に発表される予定です。こちらでは新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた経営実態を調査しているため、今後の参考になるはずです。調査結果が発表された場合は、今回紹介した第22回のデータと比べてみるのもいいでしょう。

データ引用元:『厚生労働省』「第22回 医療経済実態調査」

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