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キャッシュレス未導入は時代遅れ!? メリット、デメリットを徹底解剖

キャッシュレス未導入は時代遅れ!? メリット、デメリットを徹底解剖

国がキャッシュレス化を促進していることもあり、今や飲食店や衣料品店だけでなく、整体やクリニックにもキャッシュレスが求められる時代。患者からすれば、「ポイントが貯まる」「キャンペーンの適用などにより割引になる」「急な病気でお金がないときでも安心」「病院に行くためにわざわざお金をおろさなくていい」などメリットばかり。では、クリニックからするとどんなメリットおよびデメリットがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

キャッシュレスは決算手段によって資金の拠出のタイミングが異なる

まずは、現在の主なキャッシュレス決済手段について説明します。早期のキャッシュレス社会実現を目的に設立 された「一般社団法人キャッシュレス推進協議会」 によると、キャッシュレスは決済手段によって「支払いのための資金の拠出タイミング」と「支払方法の通知方法」の2つの組み合わせが変わってきます 。「支払いのための資金の拠出タイミング」は「事前」「即時」「事後」の3パターン、通知方法は「カード」「スマホ」の2パターン。「事前」は、あらかじめキャッシュレス決済手段に資金を拠出(チャージなど)しておき拠出額の範囲内で支払うことで、電子マネーなどがこれに該当します。支払いのタイミングで支払額を拠出する「即時」の代表例はデビットカード。「事後」は、月々の請求に対して資金を拠出するクレジットカードなどです。

資金の拠出のタイミングに選択肢があれば、現在手元に資金がない患者もすぐに診察や治療を受けられる

では、クリニックや病院におけるキャッシュレス普及率は高いかというと、他の業界に比べて圧倒的に低いのが実情です。キャッシュレス推進協議会によると、その普及率はわずか6%程度(2020年時点 )。大学病院をはじめとする大きめの病院では導入が進んではいるものの、街の診療所などでの普及率は限りなく低いです。これに関する利用者の不満もかなりのもので、同じくキャッシュレス推進協議会が報告している「消費者・事業者インサイト調査」における「キャッシュレス決済を利用したいが利用できない場所は?」の質問に、大多数の人が「病院・診療所」と答えてワースト1位になっているうえ、ワースト2位も「歯科診療所」となっています。また、2020年11月に「カードレビュードットコム」によっておこなわれたアンケートでは、「今後キャッシュレス払いができるようになってほしい場所は?」の質問に44%の人が「病院・調剤薬局」と答えています 。

キャッシュレスで支払いできるかどうかが、クリニックや病院選びの基準になってくる

利用者からこうした不満が挙がっているということは、裏を返せば、キャッシュレスを導入している病院やクリニックは好感度が高いということに他なりません。この点に関して、新宿や銀座でクリニックを運営する「メディカルチェックスタジオ」に話を伺ったところ、「今後はますます、クリニックを選ぶ基準にキャッシュレスが入ってくると思います」とコメント。診療内容によっては事前にいくらかかるかの予想が難しいこともあるのだし、キャッシュレス決済という選択肢があれば、利用者の心理的な負担も軽減できるに違いありません。

利用者居とってより身近な存在である病院やクリニックは、キャッシュレスのハードルを下げるためにも電子マネー決済を導入すべき

事実、先見の明のある医療機関ではキャッシュレス導入は当たり前となりつつあります。ある病院はキャッシュレスに関するインタビューに対して、「日本の医療現場ではキャッシュレスが進んでいないのが現状だが、利用者にとってより身近な病院が電子マネー決済を導入することで、キャッシュレス化のハードルが下がると思う」と回答 。さらに、「特に、指が動きづらく、目が見えづらくなってきた高齢者にはおすすめしたい。体調が悪いならなおさら現金での支払いが負担になる場合もあるから」と答えていますが、これには目からウロコという人も多いかもしれません。

高齢者が電子マネー決済できるようになれば、離れて暮らす家族もそのぶん安心できる

実際、世の中の流れに早い段階でついていける40代くらいまでならまだしも、お年寄りが電子マネーを使うのはハードルが低いのでは? と思う人は多いはず。しかし、確かにこの回答者が言うとおり、小銭を数える手間が減るだけでなく、通院のたびにお金をおろす必要もありません。また、たとえば離れて暮らす子や親族が医療費負担を買って出ている場合、通院する本人にはカードやスマホのみ持たせておけばいいので安心できるでしょう。もちろん、お年寄りだけでなく若い世代にとっても、支払いの瞬間だけ切り取っても負担軽減につながりえます。目が見えづらくないとしても、たとえば小さな子どもを抱きかかえたまま財布を開くことなどもあるからです。

ポイント還元率を考えると、クレジットカードが使える病院を選びたいのは当然

「手元に現金がなくても医療費を払える」「高額な医療費でも支払いを先延ばしにしたりリボ払いで月々の負担を抑えたりできる」「会計がスムーズ」以外のメリットとしては、「ポイントを貯められる」も挙げられます。もちろん、ポイントが貯まるからといって積極的に病院に行く人はいないでしょうが、たとえば「A病院はクレジットカードが使えるけどB病院はクレジットカードが使えない」というとき、ポイントを重視する利用者がA病院を選ぶ確率は上がるに違いありません。通院が複数回におよぶ場合や、定期的に通わなければならない場合はなおさらです。

病院やクリニックでの使用推進、キャッシュレス普及の一助となりうるクレジットカードも

また、クレジットカードによっては、たとえば三菱UFJニコスの「MUFGカード・ゴールド・アメリカン・エキスプレス®・カード」には「24時間健康・介護相談サービス」が付いているなど 、利用者が治療や診察にまつわることに安心して使いたくなるよう工夫が凝らされているものもあります。クレジットカードで医療費を支払うことができる病院が増えていることから、クレジットカード側もさまざまな施策を考えているのです。

キャッシュレス化のメリットまとめ

以上をまとめると、キャッシュレス化による、病院・クリニックおよび利用者または双方にとってのメリットは以下の5つであるといえます。

  1. 患者にとっては、資金の拠出のタイミングの選択肢が広がることで、より気軽に医療を受けられるようになる=病院やクリニックにとっては利用者が増える
  2. 患者からすると、体調などが気になったとき、手元の現金を気にせず早期に診察を受けられるため病気の発見が早くなる=病院は、患者の健康寿命を延ばすことに貢献できる
  3. 支払い時の煩わしさが軽減されることから、お年寄りや子連れの患者もスムーズに会計できる=病院にとっても、会計の列が短くなりうまく回るようになる
  4. クレジットカードなどの場合は、通院のたびにポイントが貯まる
  5. 1~4までのメリットにより、キャッシュレス化に対応しているというだけで、「利用者に選ばれやすい病院・クリニック」になりえる

キャッシュレス導入にデメリットはあるのか?

続いて考えたいのが、キャッシュレス化のデメリットです。まず考えられるのが、これまでとは違った決済方法を導入するにあたって、新しいことを覚えなければならない点です。PaypayにしろAirペイにしろ、電子マネーでの支払いに対応したことがない病院やクリニックは、「支払いの方法を覚えるのがめんどくさい」と考えるかもしれません。しかし、どんなことでもそうですが、一度覚えてしまえばそれが当たり前になるものですし、電子マネーの支払い操作は思った以上に簡単です。複雑な操作は一切不要であるし、処理に時間がかかることもありません。また、1つの端末で複数の種類のカードを使えるシステムもあるので 、利用者のニーズにも簡単に応えられます。

電子マネーやクレジットカード決済の決済手数料は、自己負担額に対してしかかからない

そしてもうひとつの懸念点が、決済手数料でしょう。事実、決済手数料を考えてキャッシュレス化を渋っている病院・クリニックは少なくありません。しかし、実は電子マネーやクレジットカード決済の手数料は、1割~3割の自己負担額にしかかからないことをご存知ですか? つまり、一般的な診察や治療においてはさほど高いものではないのです。しかも、決済手数料のパーセンテージは電子マネーやクレジットカードによって異なるがおおよそ3%程度 。キャッシュレス導入によって利用者が増えれば、すぐに元を取れる額です。

コロナ収束後やオリンピック開催時にインバウンドが活性化することを考えても、今のうちにキャッシュレスを導入しておきたい

こうしてメリットとデメリットを並べてみると、キャッシュレス導入にはデメリットはほとんどなく、導入しない手はないと思えるのではないでしょうか。これから先、コロナウイルスがなりをひそめ、再びインバウンド事業が活性化しはじめると、旅行中および日本短期滞在中の外国人利用者が増えることも考えられます。彼らにとっても、キャッシュレスで支払えるかどうかは病院選びの大きなポイント。より多くの人にとって利用しやすい、「選ばれる病院・クリニック」になるためにも、いち早くキャッシュレス導入を検討することをおすすめします。

参考