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保険医療機関の診療科目別平均診療点数は?

保険医療機関の診療科目別平均診療点数は?

保険医療機関の診療科目別平均診療点数は?

保険医療機関の診療科別平均診療点数は?

診療行為の費用を評価する診療点数は、点数が高くなるほど診療費も高くなります。例えば、高度な技術を必要とする治療は診療点数が高く設定されているため、その分請求される医療費も高額になるのです。では、内科や外科、精神科といった診療科別にレセプト1回当たりの診療点数を見た場合、その平均が最も高いのは何科なのでしょうか?

地域によって診療科別平均診療点数に違いがある

厚生労働省および地方厚生局が、診療科別の診療点数の平均データを発表しています。もともと類型区分における平均点数は非公開とされていました(一部の厚生局を除く)。しかし、2017年に運用の見直しが行われ、各厚生局のホームページでレセプト1件当たりの「診療科別平均診療点数」が公開されるようになりました。

今回は、日本で最も医療機関の数が多い、「関東地方の診療科別平均診療点数」をまとめてみました。最新の「令和2年度」のデータによると、関東地方の診療科別平均診療点数は以下のようになっています。

関東地方の診療科別平均診療点数

診療科目令和2年度平均診療点数
内科(人工透析有)9,820
内科(人工透析以外(在宅))1,590
外科1,347
泌尿器科1,306
精神・神経科1,240
整形外科1,218
内科(人工透析以外(その他))1,184
産婦人科977
小児科974
眼科968
耳鼻咽喉科807
皮膚科684

最も平均点数が高いのは「人工透析有りの内科」で平均は9,820点。人工透析は長時間の処置が行われるため、診療点数が高くなる傾向にあります。2020年の点数改定で評価の引き下げはありましたが、それでも人工腎臓の場合は一度に2,000点前後(時間により上下)と高いのが特徴です。

突出している「人工透析有りの内科」を除くと、「内科(人工透析以外(在宅))」が1,590点でトップとなります。在宅診療を行う場合は、訪問診療料なども加算されるため、一般的な来院での診療よりも高くなります。

「内科(人工透析以外(在宅))」の次は外科。以下、泌尿器科、精神・神経科、内科(その他)までが平均点数1,000点以上の診療科目となります。

以下の記事では診療科別の利益をまとめています。こちらは泌尿器科のデータはありませんが、平均年間粗利は外科、精神科、内科という順で、人工透析や在宅診療を行う内科を除いた診療科別平均診療点数と似た順です。

参考記事:「利益率の高い診療科別とは」

参考までに、関東各県の診療科別平均診療点数を以下に並べてみました。

東京都

内科(人工透析有)10,119
内科(人工透析以外(在宅))1,724
精神・神経科1,552
外科1,488
小児科1,361
内科(人工透析以外(その他))1,244
整形外科1,220
耳鼻咽喉科1,103
泌尿器科1,084
産婦人科1,017
眼科829
皮膚科766

千葉県

内科(人工透析有)17,005
内科(人工透析以外(在宅))1,965
外科1,396
内科(人工透析以外(その他))1,275
泌尿器科1,261
整形外科1,212
精神・神経科1,049
産婦人科932
眼科912
耳鼻咽喉科877
小児科855
皮膚科720

埼玉県

内科(人工透析有)8,682
泌尿器科2,279
内科(人工透析以外(在宅))1,490
精神・神経科1,301
整形外科1,220
外科1,197
内科(人工透析以外(その他))1,066
産婦人科1,020
眼科998
小児科971
耳鼻咽喉科783
皮膚科658

神奈川県

内科(人工透析有)14,444
内科(人工透析以外(在宅))1,724
精神・神経科1,454
泌尿器科1,291
外科1,234
内科(人工透析以外(その他))1,232
整形外科1,230
眼科980
小児科979
産婦人科913
耳鼻咽喉科711
皮膚科635

栃木県

内科(人工透析有)7,295
内科(人工透析以外(在宅))1,451
外科1,331
精神・神経科1,262
整形外科1246
内科(人工透析以外(その他))1,187
眼科1,038
泌尿器科1,034
産婦人科981
小児科893
皮膚科707
耳鼻咽喉科685

群馬県

内科(人工透析有)4,498
外科1,500
内科(人工透析以外(在宅))1,355
整形外科1,281
内科(人工透析以外(その他))1,125
眼科1,051
産婦人科960
精神・神経科938
泌尿器科918
小児科917
耳鼻咽喉科731
皮膚科628

茨城県

内科(人工透析有)6,697
内科(人工透析以外(在宅))1,418
外科1,285
泌尿器科1,276
内科(人工透析以外(その他))1,160
精神・神経科1,122
整形外科1,119
産婦人科1,014
眼科967
小児科842
耳鼻咽喉科756
皮膚科676

いずれも「人工透析有」の内科がトップとなっていますが、以下の順位は都県によって関東平均と異なります。例えば東京の場合は2位までは関東平均と同じですが、精神・神経科が3番目に多い数字。また、小児科の平均診療点数が高いのも特徴です。埼玉県の場合は泌尿器科が2番目と、ほかとは大きく特徴が異なっています。

各都県でトップの人工透析有の内科でも、東京都、千葉県、神奈川県は1万点を超えていますが、それ以外とは大きく差があります。診療点数は、高度な治療や必要な時間によって高くなりますから、同じ関東でも地域によってこれだけニーズに差があるということでしょう。

「保険医療機関の診療科別平均診療点数」をご紹介しました。診療点数が高いということは、それだけニーズがあるということでもあります。新規開業の際は、こうした地域ごとの平均診療点数も加味して考えるといいでしょう。

参考データ

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