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クリニックの受付電話を自動応答にすると業務はどう変わる?

クリニックの受付電話を自動応答にすると業務はどう変わる?

クリニックの受付電話を自動応答にすると業務はどう変わる?

煩雑なクリニックの業務をスムーズにおこなうためにも、テクノロジーの力を借りられるところは借りて、できるだけ簡略化していきたいもの。時短を叶える方法として考えられることのひとつが受付電話の自動応答化ですが、導入するとクリニックの業務はどう変わるのでしょうか? 早速みていきましょう。

クリニックの受付電話の自動応答の仕組みは?

まずは、クリニックの受付電話を自動応答にしたらどうなるのかを説明します。クリニック向け電話自動応答システムとしてもっともよく知られているのは、『メディアコンテンツファクトリー』の『iver(アイバー)』です。『iver』を導入した場合を例に挙げて説明していきます。

≪電話自動応答の流れ≫

1. 患者がクリニックに電話をすると、以下のメッセージが流れます。

「お電話ありがとうございます。●●クリニックです。受付での混雑緩和のため自動音声サービスを利用しています。お問い合わせ内容に応じたメニュー番号をお選びください。発熱の患者様は①を 予約については②を 混雑状況については③を  コロナワクチン接種については④を 住所を知りたいは⑤ その他の要件は⑥を押してください」

2. たとえば①を押すと、以下のメッセージが流れます。

「発熱のある患者様は時間帯を分けて診察しております。予約システムのURLをショートメッセージでお送りしますので、予約システムより予約をお取りのうえ指定時間にお越しください。ショートメッセージをお送りいたしました」

3. 患者のスマホに予約システムのURLが送られているので、患者はそのURLから診察の予約を入れます。

また、混雑状況を知りたくて③をプッシュした場合は、「混雑状況についてお知らせします。ただいまの時間帯は大変混雑しております。受付から診察まで2時間以上お待たせします」などのメッセージが流れます。流れるメッセージの内容は自院で設定することが可能です。

≪自動応答の音声の設定方法≫

自動応答で流したい音声は、webサイトの管理画面にテキストを打ち込むだけでその通りにAIが読み上げます。

≪混雑具合はどうやって設定したらいい?≫

混雑状況の音声設定については、下記の3パターンから選ぶことが可能です。

1. 「混んでいる」メッセージ

たとえば平日の午前中は混んでいるなどある程度混雑状況が固定されている場合は、混みがちな時間帯に「混んでいる」のメッセージが流れるようにする

2. 手動で切り替える

混んでいるときには「混んでいる」のメッセージが流れるようにしておいて、空いてきたら「すいている」に切り替える

3. 1と2のハイブリッド

基本、1にしておいて、いつもと違って空いてきた日には2のように手動で切り替える

≪基本的な機能は?≫

基本的な機能は、前述のものも含めて、大きく以下の4つです。

1. 音声案内

音声メッセージが流れて終了です。

2. ショートメッセージ送信

通話終了後に患者がURLからサイトにアクセスできます

3. 電話転送

あらかじめ設定しておいた番号に転送できます。また、院内の別の番号に転送することも可能。※『iver』を契約した場合は、050はじまりの電話番号がひとつ発行されて、代表番号にかけたら自動的に『iver』につながるため、代表とは違う番号をもうひとつ用意する必要があります。ただし、転送先は携帯電話でもOKです。もしくは、代表番号としてホームページに掲載する電話番号を『iver』から発行された050はじまりの番号に切り替えるという手もあります。

4. 詳細分岐

「予約について」で①をプッシュし後、「予約をキャンセルしたいなら① 予約状況を知りたいなら②」などと用件によってさらにわけていくことができます。

また、電話の履歴として、「日時」「(かけた人の)電話番号」「対応メニュー」「対応時間」「ショートメール送信に成功したかどうか」「転送の有無」を管理画面で確認できます。

参照:メディアコンテンツファクトリー

クリニック向け電話自動応答システム「iver(アイバー)」

クリニックの受付電話を自動応答にするメリットは?

クリニックの受付電話を自動応答にするメリットとしては、以下が考えられます。

  • 電話応答時間を削減できる。ショートメッセージでURLを送るなどして業務を効率化できる
  • 回線パンク回避。たとえばコロナワクチン接種予約を電話で受け付けている場合、接種開始時期には回線がパンクすることがあります
  • 24時間対応のため、患者から「つながらない」のクレームが減る
  • 緊急で診療してほしい患者向けに「直接話したい方は●番を押してください」と設定しておけば、トリアージに役立てられる
  • クリニックの受付電話を自動応答にするデメリットは?

    クリニックの受付電話を自動応答にするデメリットとしては、高齢でスマホを使っておらずショートメッセージが見られない、ゆっくりでないと聴き取れない、などの患者からのクレームが考えられます。これを防ぐために、自院をかかりつけ医としている高齢者にはあらかじめ別の番号を教えておくのもいいでしょう。

    クリニック向け電話自動応答システムは?

    『iver』以外にも、クリニック向け電話自動応答システムはいくつかあります。

    IVRy(アイブリー)

    1日100円から使える電話自動応答サービスシステムです。「新規電話番号の取得」「再生テキストの作成」「SMSの自動返答」「メールやSlack、LINE、Chatwork、Termsへの受話通知」「着信フローの作成」「電話転送」「複数転送」「音声録音」「顧客管理」「ブラウザからの発信」「ホワイトリスト・ブラックリストの登録」などが可能です。

    参照:IVRy

    123ROBO

    「AIの日本語音声案内(男女)」「AIの外国語音声案内(男女)」「曜日別に転送先変更」「時間帯別転送先変更」「お盆、年末年始のガイダンス」「臨時休業の設定変更」「同時通話最大100回線」「同報転送」といった機能まで備わっています。

    参照:123ROBO

    CallCall(コールコール)

    電話の内容をそのまま音声認識して、メールやチャットでリアルタイムに通知してくれます。自動翻訳機能を活用すれば、外国語の問い合わせも受け付けることができます。

    参照:CallCall(コールコール)

    LINE AiCall

    LINE株式会社による音声対応サービスです。音声認識によってデバイスの操作を可能にするAIアシスタント「LINE CLOVA」のAI技術を使用した、自然な対話応答が特徴です。電話システムはオンプレミスにもSaaSにも対応しています。

    参照:LINE AiCall

    COTOHA Call Center

    NTTコミュニケーションズ株式会社が運営するクラウドコンタクトセンターサービスです。応対内容をテキスト化して保存することができるため、後から内容を確認して折り返せて効率的。初期費用無料なので気軽に利用を始められます。

    参照:COTOHA Call Center

    AI電話サービス

    株式会社NTTドコモが運営する電話サービスです。AIが高齢者に電話をかけて、RPAを利用して安否や体調を記録する「みまもり電話」としても活用できるので、高齢者をターゲットとした在宅医療に今後力を入れていきたいクリニックは、将来的にはそうした使い方をすることを視野に入れてもいいかもしれません。

    参照:AI電話サービス

    Al Messenger Voicebot

    運営会社は、サイバーエージェントの子会社として設立された『AI Shift』。AIチャットボットサービスを提供している会社で、そのなかのひとつが「AI Messenger Voicebot」です。「ヒアリング機能」「割り込み発話機能」などを備えているため、音声でのやりとりはもちろん、AIがしゃべっている途中に人間が話し始めても聴き取ってもらえます。

    参照:AI Messenger Voicebot

    MOBI VOICE

    最大1,000件の同時着信があっても自動アナウンスが再生されるので、ワクチン接種予約などで電話回線がパンクしそうなシーンに頼もしい存在になりそうです。通話者の音声をテキスト化してくれるうえ、うまく認証されなかった箇所は聴き直して修正することも可能です。

    参照:MOBI VOICE

    ロボット自動受付

    プッシュ操作だけでは対応が難しい電話にも対応できるよう、音声認識を活用した対話型IVRです。名前、住所、用件などをヒアリングした後、受付内容をショートメールで通話した相手に送信。もしも内容に間違いがあった場合、ショートメール内に貼られたURLから修正可能です。

    参照:ロボット自動受付

    患者の満足度向上だけでなく働き方改革にも役立つ

    前述の通り、自動応答システムを導入すれば、24時間365日"つながる電話"になるため、患者の満足度が向上することが考えられます。また、就業から翌朝にも電話が患者の用件を聞いてくれることになるので、翌朝履歴を確認すれば仕事もスムーズに進みます。業務の効率化のために新規スタッフをひとり雇うかわりに、自動応答システムを導入することを考えてみてもいいかもしれませんね。

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