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よく見る待合室の水槽。導入コストはどのくらい?

よく見る待合室の水槽。導入コストはどのくらい?

よく見る待合室の水槽。導入コストはどのくらい?

医療機関の待合室に水槽が置いてあるのを多く見かけます。水槽があると待合室の雰囲気も明るくなりますし、見ていて落ち着くという患者さんも多くいます。では、待合室に水槽を導入するにはどのくらいのコストが必要になるのでしょうか? 水槽レンタルサービスを展開している『株式会社アクア総合企画MUKASA』の向佐順代表にお話を伺いました。

手間をかけずにきれいな水槽が置ける

――クリニックの待合室に水槽が置かれているのを多く見ますが、あれはクリニックが独自に水槽や魚を用意して展示しているのでしょうか?

向佐代表 院長先生がアクアリウムを趣味としているなど、クリニックで独自に用意しているケースもあります。しかし、水槽の導入や維持は手間がかかるため、ほとんどはレンタルでの導入だと思われます。

――レンタルにはどんなメリットがあるのでしょうか?

向佐代表 まずはコスト面の利点が挙げられます。自分で用意する場合は、水槽や魚を選定する手間もかかる上、設備が壊れた場合は都度買い直さないといけません。要するにどれだけコストがかかるのかが読めないのです。その点、レンタルの場合はメンテナンスは業者側が負担します。例えば、月額が2万円ならば2万円以上は必要ありません。余計な費用を抑えることができるのです。

――年間コストも読みやすいですね。

向佐代表 メンテナンスの手間がかからないのもメリットです。そもそも院長先生は忙しいですし、クリニックのスタッフも作業がありますから、水槽をケアする時間はありません。レンタルの場合はアフターケアもセットになっているので、水槽を常にきれいな状態に維持できます。水槽を独自に置いたものの、手が回らずメンテナンスをご依頼いただくケースも少なくありません。

――ほかにはどんなメリットがありますか?

向佐代表 クリニックに合った理想の水槽を導入できるのも大きなポイントです。汚い水槽は論外ですが、きれいな水槽であっても、水槽のテーマがクリニックとマッチしていなければ場違いな印象を与えてしまいます。例えば、小児科に落ち着いたイメージの水槽は合わないですよね。レンタルの場合は、どのような水槽にしたいのかのオーダーにも対応してくれる場合も多いので、そうしたミスマッチを防ぐことができます。

――ブランディングにも貢献できるということですね。

水槽導入のプロセス

――「待合室に水槽を置きたい」という場合の御社のプロセスを教えてください。

向佐代表 お電話などでご依頼いただいた後、まずは導入する場所の確認を行います。例えば、日光が直接当たる場所であるかどうか、コンセントが近くにあるのかなど、設置に適したスペースであるかの確認です。その後、患者さんへの影響も考えつつ、どのような形で設置するのかお客さまと相談。設置スペースを決めます。

――設置場所を確認する上で、特に気を付けていることを教えてください。

向佐代表 個人的に注意しているのは「テレビと横並びにならないか」という点です。

動くものが横並びになっていると、どちらを見ていいか混乱してしまうため、できるだけ横並びにならない形で置けるよう配慮しています。

――設置する水槽のサイズはどのように選ぶのでしょうか?

向佐代表 水槽は規格が決まっており、例えば弊社の場合は幅が60cm、90cm、120cmの3種類の水槽が基本です。この中から、要望と設置スペースを踏まえて選ぶ形になります。円柱など規格外の形や大きさの水槽を導入する場合は、お客さま側で水槽を買い取りしていただき、メンテナンスのみを私どもが担当するというプランもあります。

――魚も自由に選べますか?

向佐代表 水槽の中に入れる魚は、弊社の場合は淡水魚と海水魚で分かれており、それぞれカタログから選んでもらいます。中には相性がよくない魚もいるので、全て要望どおりとはいきませんが、できるだけ好みの水槽にできるようサポートします。また、テーマやイメージをお伝えいただいて、あとはお任せという形でも問題ありません。

――オーダーしてから設置までどのくらいの時間が必要ですか?

向佐代表 オーダー内容が決定してから、導入する水槽や機器、魚などの準備を行います。だいたい2週間ほどの時間をいただいていまして、準備が終わりましたら設置となります。

レンタルの場合は月2万円前後のコスト

――気になるのが設置コストですが、レンタルの場合はどのくらいの金額になるのでしょうか?

向佐代表 弊社の場合は、メーカーの規格サイズの導入は月額2万円前後からとなっています。120cmサイズの大きな水槽の場合は月額5万円前後です。また、先ほどもお話ししたように、特殊なサイズや形状のものは買い取りの上、メンテナンス契約をすることになるため、こちらは要相談となります。

――途中で水槽のサイズを変更したり、中の魚の種類を変えたりすることはできますか?

向佐代表 変更料金は別途必要ですが、サイズや内容を変えることも可能です。淡水魚を導入していたけど、海水魚に変えたいというケースもありますね。

――これから「水槽を導入したい」というクリニックも多くあるかと思いますが、導入に際しての注意点を教えてください。

向佐代表 先ほどもお話ししましたが、やはり水槽のテーマは大事です。例えば、本物の河川の水中を模したような、リアルな風景を作る「ネイチャーアクアリウム」というものがあります。じっくりと理想の水槽に仕上げていくため、私は「盆栽スタイル」と呼んでいますが、このスタイルは高級感を演出します。一方、季節に合わせた装飾を造花などを用いて、アート感覚でディスプレーする水槽もあり、こちらは華やかでエンターテインメント性が高いのが特徴です。こちらは「花束スタイル」と呼んでいますが、女性やシニアに良い印象を与えます。

――水槽のテーマでクリニックの印象が変わるかもしれないのですね。

向佐代表 そうですね。そのため、水槽のテーマ選びは慎重に行うべきです。親しみやすさやアットホームさを重視する場合は、盆栽スタイルではなく花束スタイルを用いるなど、ミスマッチが起きないように考えてほしいです。弊社は特に花束スタイルを得意としていますので、華やかな水槽を導入したい場合はぜひお任せいただければと思います。

――花束スタイルの場合、例えば四季それぞれで水槽の内容を変えてもらうこともできるのでしょうか?

向佐代表 もちろんです。こちらは特別に料金をいただくのではなく、普段のメンテナンスの範囲で変更します。季節に応じて内容を変えることは、患者さんはもちろん、クリニックの先生やスタッフさんの評判も高いです。毎日見ていると飽きてしまいますからね。

――患者さんだけでなく、スタッフの癒やしにもなっているのですね。

向佐代表 診察が終わってから水槽をずっと眺めている院長先生も多いですよ。それだけ医師は激務ですから、きれいな水槽で少しでも癒やされてほしいですね。

――ありがとうございました。

自分で用意する場合は、多大な費用と手間がかかる水槽ですが、レンタルならば月額2万前後から導入可能とのこと。きれいな水槽は患者さんだけでなくスタッフにも良い影響を与えます。実際、コロナ禍でも水槽の設置を求める声は多いそうで、中には感染予防のために使えなくなったキッズスペースを水槽用に変更するというクリニックもあるそうです。それだけ「癒やし」を求めている人が多いのかもしれません。今回協力いただいた株式会社アクア総合企画MUKASAでは、開業に合わせた設置相談も受け付けています。待合室に水槽を導入したいという開業医は、一度相談してみてはいかがでしょうか?

取材協力:株式会社アクア総合企画MUKASA

水槽レンタルサービス

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