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日本医師会の「みんなで安心マーク」とは?

日本医師会の「みんなで安心マーク」とは?

日本医師会の「みんなで安心マーク」とは?

新型コロナウイルス感染症の拡大が収まらない中、医療機関に行くことで感染してしまうのではと危惧している人は少なくありません。医療機関としても、安心して受診してもらえるよう徹底した感染症対策をしているものの、そうした取り組みが患者さんに伝わらないケースもあります。そこで、日本医師会では、コロナに対する取り組みを可視化する「みんなで安心マーク」を作り、昨年8月7日からその発行を始めましたが本年7月末時点で約26,000件を超える発行となっています。

チェックリスト項目を満たした医療機関に発行されるマーク

冒頭でも述べたように、新型コロナウイルスの感染拡大により、感染リスクを恐れて医療機関の受診を控えたり、先延ばししたりする人が増えています。

例えば、これまで通院していたのに通うのをやめる、体調が悪いのに医療機関に行くのを避けるといったケースが挙げられます。また、日本医師会によると、子供が感染しないか心配し、予防接種を控えたり、健康診断を取りやめたりする例も少なくないとのこと。

外に出ないことで感染リスクを減らすことはできますが、医療機関に行かないという選択が、後々悪影響を及ぼす恐れもあります。そこで、日本医師会では、「みんなで安心マーク」を発行するに至りました。

「みんなで安心マーク」は、厚生労働省と共に作成した「感染防止対策セルフチェックリスト」のすべての項目を実践している医療機関に対して発行されるマークです。

「みんなで安心マーク」のチェック項目は、内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策業種別ガイドラインにも掲げた以下の9項目です。

  1. 職員に対して、サージカルマスクの着用、手指衛生が適切に実施されている。
  2. 職員に対して、毎日(朝、夕)の検温等の健康管理を適切に実施している。
  3. 職員が身体の不調を訴えた場合に適切な対応を講じている。
  4. 患者、取引業者等に対して、マスクの着用、手指衛生の適切な実施を指導している。
  5. 発熱患者への対応として、事前に電話での受診相談を行う、または対応できる医療機関へ紹介する等の対策を講じている。また、発熱患者を診察する場合には、時間的または空間的に動線を分けるなどの対策を講じている。
  6. 受付における感染予防策(遮蔽(しゃへい)物の設置等)を講じている。
  7. 患者間が一定の距離が保てるよう必要な措置を講じている。
  8. 共用部分、共有物等の消毒、換気等を適時、適切に実施している。
  9. マスク等を廃棄する際の適切な方法を講じている。

これまでは、医療機関が感染症対策を徹底していても、それを明確に周知する方法はありませんでした。しかし、「みんなで安心マーク」というアイコンと、チェックリストを掲示することで、「ここは感染症対策をちゃんとしている」と分かりやすく示すことが可能になりました。

「みんなで安心マーク」を取得するには?

「みんなで安心マーク」の発行は基本的にはオンラインで行います(パソコンなどが使えない方には郵送でも対応しています)。

日本医師会「みんなで安心マーク発行システム」

「みんなで安心マーク発行システム」にアクセスし、保険医療機関番号・医療機関名など必要事項を入力。医療機関番号は、過去1年以内に新規取得した場合や、変更などがあった場合には「正しく入力してください」と表示されることがありますが、その場合は日本医師会に連絡いただければ対応するとのこと。

次に先ほど紹介したチェックリストの確認を行います。チェックは日本医師会が行うのではなく、あくまで自己申請。もし、チェック項目を満たしていないにもかかわらず「みんなで安心マーク」を申請・掲示した場合は、日本医師会からマークの撤去が命じられることもあります。また、「みんなで安心マーク」を申請した医療機関に対して、日本医師会が確認を行う可能性もあるとのことです。

登録情報とチェックリスト記入が終われば、発行番号と登録した医療機関名が入った「みんなで安心マーク」と、掲示用のチェックシートを出力できる画面に移ります。ここで「出力する」を選ぶと、マークとチェックリストを印刷することが可能です。また、登録した医療機関は日本医師会のホームページに掲載されます。

マークとチェックリストを院内に掲示するだけでなく、自院の名前が入ったマークとチェックリストの画像をホームページに掲載しているクリニックも多く見られます。できるだけ多くの患者さんに安心して受診してもらえるよう、可能な限り分かりやすい場所に掲示してもらいたいところです。

日本医師会の中川俊男会長は「みんなで安心マークは、医療機関に行くと感染してしまうのではという不安を払拭するための第一歩」と話しています。コロナ禍においても、できるだけ安心して医療機関を受診してもらえるよう、皆さんも自クリニックに「みんなで安心マーク」を導入してみてはいかがでしょうか?

取材協力:公益社団法人 日本医師会

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