クリニックのエアコン設置時の注意点は? リースと購入はどちらが得?
クリニックにエアコンを設置する際にはどんなことに気を付ければいいのでしょうか? 設置場所は? 必要な機能は? リースと購入はどちらが理想的? 早速みていきましょう。
リース、購入のメリット、デメリットは?
まずは、エアコンのリース、購入それぞれのメリット、デメリットをみていきましょう。
メリット | デメリット | |
リース | ・初期費用を抑えられる ・リース料を経費として処理できる ・事務作業を効率化できる ・銀行借入枠を温存できる ・故障時に動産保険が適用される | ・総額が高くつきやすい ・中途解約できない ・審査が必要 |
購入 | ・総額を安く抑えられる | ・初期費用がかかる ・固定資産に計上される ・陳腐化リスクがある |
リースメリット
初期費用がかからない
購入の必要がないのでクリニックの運転資金を留保できます。では、購入の場合の初期費用としてはどのくらいかかるかというと、業務用のエアコンの場合、数十万円はかかると思っていいでしょう。馬力が高いタイプであれば100万円かかることもザラです。
≪初期費用比較≫
リースの場合=0円
購入の場合=機器代金+工事費
リース料を経費として処理できる
リース料は、税務上認められたリース期間であれば全額経費として処理できます。しかも、リース期間は法定耐用年数より短い期間で設定できるため、償却期間を短縮することが可能です。
事務作業の効率化
償却事務および諸税の申告・納付、保険の諸手続きなどの管理事務処理はリース会社に任せることができます。
借入枠の温存
借り入れの必要がないので、銀行借入枠が圧迫されることがありません。
保険が適用
災害時や盗難、事故などによる故障の場合、修繕費が保険でまかなえます。ただし、故意または重大な過失による損害、修理や清掃作業中の過失損害などにあたる場合は、保険金は下りません。また、修理保証付きリースであれば、リース期間中は何度でも無料で修理してもらえます。 ・環境関連法にスピーディに対応できる 環境関連の法律に対してはリース会社のほうで対応してくれるため、スピーディな対応が期待できます。
リースデメリット
総額が高い
本体価格に加えて、固定資産税、保険料、金利などがかかるため割高になります。
中途解約できない
原則として中途解約できません。どうしても中途解約したい場合は、残っているリース料を一括で支払う必要があります。
審査が必要
個人の開業医であれば個人、法人のクリニックであればクリニックが審査対象となります。クリニックを設立して間もない場合など、信用が低いと審査が通らない場合もないとはいえません。
購入メリット
総額を安く抑えられる
初期費用はかかるものの、保険料や金利などはかからないので、総額としては安く抑えることができます。
購入デメリット
初期費用がかかる
複数台の導入となればそのぶんコストかかるので、少ない台数でやりくりしようと考えてしまうかもしれません。
固定資産に計上される
エアコンが固定資産に計上されることで、財務比率が悪化することがあります。
陳腐化のリスク
技術革新によって法定耐用年数と経済的耐用年数に格差が生まれる危険性があります。 ・手続きが面倒 償却事務、諸税の申告・農夫、保険の諸手続きなどの管理事務処理が発生します。
クリニック向きエアコンの特徴は?
続いては、クリニック向きのエアコンの特徴をみていきます。まず、クリニックのエアコンは「業務用」ということになりますが、家庭用のエアコンと業務用のエアコンにはどういう違いがあるかというと、一番の違いは馬力です。当然、業務用エアコンのほうが出力が大きく、家庭用が約0.5馬力~3馬力であるのに対して、業務用は1.5馬力~12馬力もあります。
また、家庭用エアコンの電源は単相100Vまたは単相200Vである一方、業務用エアコンは単相200Vまたは三相200Vです。馬力が大きい業務用エアコンはほぼ三相200Vと思っていいでしょう。他には、業務用エアコンのほうが耐久性が高いことなどの違いもあります。
クリニックのエアコンは、待合室や診療室のほか、有床のクリニックなら患者の入院部屋にも必要ですし、手術室などにも必要です。
空気清浄機完備
性能面でまず大切なことは、空気清浄能力が高いことです。おすすめは、脱臭フィルタや空気清浄ユニットなどのモデル。手術室用であればさらに高い空気清浄能力が必要です。高性能な殺菌酵素HEPAフィルタ搭載可能なモデルを選ぶことが望ましいでしょう。
操作が簡単
入院部屋のエアコンであれば患者自身が温度などを変える場合もあるので、操作が簡単であることが望ましいです。
省エネ
有床のクリニックなら24時間稼働が必要。そうでなくても空気清浄のためにも長時間稼働させることになるので、省エネタイプを選ぶに越したことはないでしょう。
クリニック向きエアコンにはどんなタイプがある?
クリニックに向いているエアコンには以下のようなタイプがあります。
天井埋め込み型
待合室などの広い部屋には天井埋め込み型を導入するといいでしょう。
天吊型、壁掛け型
処置室や診療室などのコンパクトなサイズの部屋には、天井型や壁掛け型です。クリニック全体がコンパクトな造りの場合は、床置き型などを導入するケースも多いでしょう。
主なエアコンリース会社
続いては、エアコンリースをおこなっている代表的な会社を紹介します。
ダイキン
ダクト型、床暖房パネルなどの移設困難なもの以外のダイキン空調機全般がリースの対象となります。リース期間は4年~7年です。
三菱電機リース
最短リース期間は法定耐用年数によって異なります。延長保証リースを利用すれば、リース期間中はずっと無料で修理対応してもらえます。
三菱重工サーマルシステムズ
三菱重工の技術を集結した、天井埋め込み型の3タイプの製品をリースできます。
シャープファイナンシャルリース
医療用機器のリースもおこなっているので、併せて利用するとリース先が一か所で済むメリットも。
クリニックのエアコン掃除はどこに頼めばいい?
クリニックのエアコンは、定期的にプロに掃除をお願いすることが望ましいです。分解して中までしっかり掃除してもらうことができるので、清潔感を保てます。
感染予防できるかどうかもチェックしたい
リースの場合も購入の場合も、最近では新型コロナ感染防止対策に有効なエアコンも多彩に登場しているので、導入の際にはぜひ換気の精度にも注目して選ぶことをおすすめしますよ。