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【診察時間短縮】精神科患者さんとの関わりのコツ

【診察時間短縮】精神科患者さんとの関わりのコツ

【診察時間短縮】精神科患者さんとの関わりのコツ

精神的な疾患を抱えている患者さんとの関わり方って難しいですよね。精神科疾患のある患者さんの診察は時間がかかってしまうことも多く、体調の悪さや悩みを聞き出すのが困難なことも。そこで今回は、精神科患者さんの話を上手に聞き出し、診察時間を効率的に使う方法を紹介します。この記事を読めば、精神科患者さんとも円滑にコミュニケーションを取るためのヒントが分かりますよ。

傾聴する姿勢を示す

精神科疾患を抱えている患者さんに限らず、病院に来る方々は話を聞いてほしいと思っています。不安なことがあり病院に来ているので、専門的な知識のあるお医者さんに話を聞いてもらうだけで心が落ち着きますよね。一方、医師からすると聞きたいことは限られていて、長々と話を聞く時間はもったいないかもしれません。ですが、話を聞いてあげるだけで症状を和らげることもできます。特に精神科疾患では診察がカウンセリング的な側面を持つ場合もあるので、丁寧に話を聞いてあげるのが良いでしょう。患者さんの話を遮らず、頷きながら聞くことで「聞いてもらえているなぁ」という印象を強めることができます。さらに、よく分からないなと思う話でも否定せず肯定しながら聞くことで、患者さんの安心感はアップします。傾聴する姿勢を示し、こちらの話も聞き入れてもらいやすくしましょう。

オウム返ししながら話を聞く

オウム返ししながら話を聞くのもおすすめです。精神疾患を抱えている患者さんの中には、対人恐怖心があったり、上手に自分の気持ちを表現できなかったりと話すこと自体に苦手意識を持っている方も。きちんと話せていますよと安心感を与えるために、発言した内容をオウム返しで繰り返すことで、話せているなと思わせることができます。また、あなたの話を聞いていますよとアピールすることもできるので、相手が発した言葉を繰り返すオウム返しが効果的です。傾聴のテクニックと合わせて使いたい会話術ですね。

話を聞いたら要約して聞き返す

話を聞いた後にその話を要約することで、内容があっているか確認するという方法もおすすめです。患者さんの中には、伝えたい想いがあっても上手くまとめられない、伝えられないという方も。要約して確認してあげることで、本当に話したかった内容がお互いによくわかります。「~ということでお間違いないですか?」と優しく聞き返してあげましょう。「~ですよね」と決めつけると、患者さんは合っていなくても同意してしまうかもしれません。本当の気持ちを引き出すために、なるべく患者さんが使っている表現を用いて要約してあげるのがおすすめです。そうすることで、患者さん自身も考えを整理することができますよ。

話す順番を決める

精神疾患を抱えている患者さんの中には、話が止まらない方もいます。双極性障害の躁状態の患者さんや、知的障害などがあり診察という特異な環境に興奮してしまう方も。そういった方々は、自分の思いを伝えたいという気持ちに溢れていることもあれば、頭の中に考えが浮かんできて止まらないために、話がやめられない場合もあります。そのため、むやみやたらに話すのを止めるのではなく、満足いくまで話をしてもらうというスタイルが理想的です。きちんと話を聞いてくれるお医者さんだと思ってもらえたら、信頼関係を構築しやすくなりますし、治療を受け入れてもらいやすくなります。といっても、限られた診察時間で無限に話を聞き続けることは難しいので、話す順番を決めるのがおすすめです。「まずは○○さんが話してください。次に私が話しますね」というように順番を決めておけば、次は私の番ですと話し始められます。なかなかうまくはいかないかもしれませんが、診察のたびに話す順番を決めていたら、診察のときには順番に話すものだと理解していただけるかもしれません。

話す時間を決める

話す順番を決めても、患者さんからの話が止まらず続く場合もありますよね。そんなときは話す時間を決めてしまうのもおすすめです。あまりに話がまとまらず長く話していると、患者さん自身も体力を消耗してしまいます。お互いが無理せず診察を進めるためにも「患者さんの話を聞くのは10分間」「時計の針が0を指すまで」などと可視化できる決め方をするのが良いでしょう。

ご家族も一緒に話を聞いてもらう

患者さんだけでは、症状や悩み事を話すのが難しい場合もあります。緊張して話せなかったり、医師を前にすると言葉が止まらなくなってしまったりと診察が難しい理由はさまざま。患者さんだけでは診察が進まない場合には、ご家族も診察室に入ってもらうという手もあります。安心できる存在である家族がいると話しやすいこともありますし、自身の思いをうまく表出できるかもしれません。逆に医師と2人の空間では話が止まらなくなってしまう患者さんでも、ご家族の存在が抑止力になり興奮が抑えられるかもしれません。患者さんと関係の深い第三者に診察に入っていただくことで、診察がスムーズにおこなえることもありますのでぜひ取り入れて見てください。

1人で診察を受けてもらう

ご家族には入っていただかず、逆に患者さん1人で診察を受けてもらうのも良いでしょう。精神疾患を抱えている患者さんは、気持ちにも大きな波があることが多くあります。普段は家族がいなければ診察が難しくても、日によっては家族の前では話せなくなってしまったり。また、ご家族がどうしても診察に入りたいとおっしゃる場合もありますよね。私が精神科病院に勤務していた頃も、患者さんの側を片時も離れないご家族がいらっしゃいました。心配な気持ちが抑えられずそのような行動をしていると思うのですが、時には患者さんにとってストレスになっている場合も。正確に診断をおこなうためにも、まずはご家族と診察室に入っていただき、次はご本人だけと、ご家族の話も聞きながら患者さん1人だけでも診察を受けていただく時間を設けるのがおすすめです。

紙に書いてきてもらう

患者さんに症状や日々の経過を紙に書いてきてもらう方法もあります。精神疾患を抱えている患者さんは、日によって大きく体調が変わることも。1日の中でもさまざまな症状が出る、日内変動が大きい患者さんもいます。うつ病、双極性障害などではこのような症状が顕著に現れます。体調の変化に気付くためにも、医師が症状を十分に把握するためにも、症状を紙に書いてもらう方法が良いでしょう。日記のように体調を書いてもらうと、より症状を把握しやすくなります。症状を紙に書いてもらうのは、診察をスムーズに進めるためにも、患者さんが自身の症状をよりよく知るためにも有効な方法です。

看護師にも間に入ってもらう

入院して治療を受けられている精神科患者さんの診察では、看護師も一緒に話を聞くのも一手です。看護師は患者さんと時間を共にしていることが多く、普段の生活を間近で見ています。患者さんの普段の生活を知っている看護師が間にいることで、患者さんも安心して話せる場合があります。看護師としても、医師の前での患者さんの言動は日々の看護のヒントになるので、診察に入ることはとても貴重な機会になります。病棟全体で患者さんの治療を進めていくためにも、診察に看護師も参加するのがおすすめです。

最後に

精神科疾患と一括りにしても病気も症状もさまざまです。患者さんの辛さを少しでも取り除いていただけるよう、診察時間を効率的に使って問診するために、上記の方法を試してみてはいかがでしょうか。

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