集患につなげるホームページ作りとは
クリニックのホームページは新たな患者さんを集めるのに役立ちます。誰もがインターネットに接続できるスマホを持っている時代ですから、役立つというよりむしろホームページがあることは必須といえます。集患につながるホームページ作りについてご紹介します。
患者さんの導線を考えてみましょう
「導線」という言葉は、IT業界で特によく使われます。これは、お客さん、つまりホームページの閲覧者がどこから来るのか、といった意味です。クリニックのホームページを制作するのであれば、患者さんの導線を考えて必要な要素(キャッチコピー・本文・写真・イラスト・図・リンクなど)、動作、デザインを考えなければなりません。
患者さんがクリニックをどのように探すのかを考えてみましょう。患者さんの行動は以下のように進むと考えられます。
- 症状の発生
- 症状をネットで調べ、クリニックの対応科目を知る
- 対応科目名と地域名をGoogleやYahoo!で検索する
- 信頼できるホームページかや評判なども調べる
- 初診に訪れる
このような患者さんの動きに対応したホームページを制作する必要があるわけです。
集患につなげるホームページの内部対策
では、ホームページはどのような対策を講じるべきでしょうか。以下に例を挙げてみます。
ホームページの「タイトルタグ」
やや専門的な話になりますが、「タイトルタグ」というのは、Webサイト名などのタイトルを記述するHTMLのタグの一つです。これは検索エンジンがそのページをどのようなものなのか判断するために使われるため非常に重要な部分です。
このタイトルタグには、患者さんがクリニックを探しやすいようなワードを導入しなければなりません。「診療科目名」「都道府県・市区町村・最寄り駅名」「クリニック名」の内容を入れるのを忘れないようにします。ただし、30文字以内、できれば23文字までが望ましいとされます。検索結果に全てを表示できるようにです。
クリニックの特徴を明記する
クリニックのホームページはたくさんあります。それらは全てライバルです。患者さんにアピールできるよう、得意とする診療、診療方針、コンセプト、備えている機器などをできるだけ具体的に取り入れます。
また、その見せ方にも留意します。だらだらと本文を書くのはいけません。患者さんの多くがスマホで読むことを意識し、文章が続く場合でも読みやすいように2、3行ごとに1行空けるなどの工夫が必要です。
対応できる症状例を記載する
患者さんの検索ニーズを先取りした記載が有効です。例えば、クリニックを探す際、「頭痛」「吐き気」「めまい」といった症状名をネットで調べるため、「症状名 地名」といったワードで検索する可能性があります。ですから、ホームページ内に対応できる症状名を具体的にたくさん記載しておくのがよいのです。
医師・院長を具体的にアピールする
検索エンジンは誰がそのサイトを運営しているのかを非常に重視します。例えば、Googleは「E-A-T」を重んじると明言しています。「E-A-T」とは、「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「 Trustworthiness(信頼性)」のことです。
クリニックの専門性が高いほど医師・クリニック院長は患者さんに安心感を与えなければなりません。そのため、クリニックの医師の専門性をアピールできる紹介文、経歴、診療歴などを具体的に記載することは非常に有用です。これは検索エンジンに対するアピールにもなります。
顔が見えることによって来院前の患者さんに信頼感を与えることができますので、医師の写真を掲載することは有効です。その際には、できるだけ高解像度の写真を用います。患者さんがスマホで見るからと画素数の小さな写真を使用するのは間違っています。
細かい話になりますが、今や検索エンジンは「リッチコンテンツ」を重視するようになっています。そのため、写真、イラストなど画像を用いる場合には最低でも横1,280ドットある高解像度のものを使用するのが正解です。
外観・内観画像を公開し院内の雰囲気を伝える
患者さんにアピールするためには、クリニックがどのような施設なのかを伝えることが重要です。外観・内観の写真を用意し、ホームページに使用します。また、コロナ禍の中ですので、感染予防対策についても写真付きで記載すると、患者さんにより信頼感を与えることができ、集患につながります。
アクセス方法について紹介する
アクセス方法を明記するのも重要なポイントです。交通手段、最寄り駅(何番出口が最も近いか/そこから徒歩何分か)、駐輪場・駐車場の有無などを記載します。できればGoogle MAPを導入して、患者さんがスマホを使って訪れやすいようにしましょう。
営業時間の案内を紹介する
営業時間、受付時間、対応する医師の情報を記載します。図表を用いて分かりやすくするのはもちろんですが、検索エンジンが情報を取りやすいようにテキストでの記載も入れましょう。検索エンジンは画像解析を行って文字情報を取得しますが、念のためです。
電話番号の記載と予約システムへの導線の設置
患者さんがスグに連絡が取れるよう「電話番号」は目立つ位置に記載します。また、予約システムを導入している場合には、予約システムへのリンクを同様に目立つ位置に貼ります。ただし、この目立つ位置というのは、ページ最上段の右端といったことではありません。
例えば、頭痛外来があり、「このような症状に悩まされていませんか?」というページが設けられていたとします。頭痛で困っている人は、クリニックを検索するのではなく、症状からこのページに飛んでくるでしょう。その閲覧者に対しては、このページに「クリニックに診療予約して治療を受けましょう」とリンクを貼った方が効果的ですね。つまり、集患の要となる「目立つ位置」に連絡先、予約システムへのリンクを設けるのが正解なのです。
集患につなげるホームページの外部対策
上記のような内部で行える対策以外に「外部対策」も重要です。これは、外部のサイトにクリニックを紹介してもらうといった、自サイト以外で行う集患のための対策を指します。つまり、クリニックのホームページ以外からの導線を準備するわけです。
Googleマイビジネスに登録する
Googleで医療施設を検索すると、検索結果画面上部にマップが出て、そこに医療施設の場所が表示されます。ここには「Googleマイビジネス」で「医療施設」として登録されたものが出るようになっているのです。これを利用する人が多いので、クリニックのホームページができたら「Googleマイビジネス」に登録しておくとよいでしょう。もちろん無料で登録できます。
「Googleマイビジネス」については、『クリニック開業ナビ』の以下の記事を参照してください。
クリニックを紹介してくれるサイトに掲載する
「地域名 or 駅名 + クリニック一覧」で検索すると、クリニックを紹介してくれるサイトが多数出てきます。そういったサイトにクリニックのホームページを掲載してくれるように依頼し、集患につなげます。
外部の医院に紹介してもらう
外部のサイトに自分のクリニックへのリンクを貼ってくれるように依頼します。例えば知り合いの医師のクリニックや業者などのサイトです。実は、検索エンジンは外部からのリンクの数もそのサイトを評価するのに用いています。ですので、他のサイトからのリンクが多いと検索をかけたときに上位にくる可能性があります。ただし、過剰にリンクが貼られると逆に評価を下げることもあるので、注意しながら行ってください。
まとめ
クリニックのホームページを作る際のポイントについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。現在では、もはやクリニックのホームページがあるのは当然で、ホームページの出来は新たな患者さんの獲得に大きな影響を与えます。集患の重要なポイントですので、ホームページの制作、リニューアルの際にはぜひ参考にしてください。