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クリニック開業にはどんな形態がある? 徹底比較

クリニック開業にはどんな形態がある? 徹底比較

220622

クリニックを開業するにあたって、まず考えるべきことのひとつがクリニックの形態です。具体的にどんな形態があるのか、また、それぞれのメリットおよびデメリットとしてはどういうことが挙げられるのかをみていきましょう。

クリニックの開業形態とは?

開業形態は、まずは大きく2つに分けられます。

新規開業

読んで字のごとく、新規クリニックとして開業することです。場所も内装もすべて一から決めることになります。ただし、賃貸物件の場合は決められた制限のもと、医療機器の配置などをおこなっていくことになります。

承継開業

既存のクリニックを引き継ぐことで、自身のクリニックとしてスタートする方法です。建物、医療機器、患者などすべて引き継ぐことになりますが、建物や医療機器は経年劣化に伴いメンテナンスが必要となりますし、患者は、引き継いだドクターの診療や方針が気に入らなければ離れていく可能性があります。

新規開業は建物のタイプなどによって細分化される

新規開業は、建物のタイプや、物件を所有しているのか賃貸なのかなどによってスタイルが異なってきます。

戸建て開業 

まずは、「戸建て」と「ビル診」の大きく2パターンに分けられます。

①医療ドミナント(借地・借家) 

②医療ビレッジ(借地・借家)

戸建ての場合、「自身の所有する土地に自院を建てる」「借地・借家」の2パターンがあります。後者は、既に開業しているクリニックに隣接させて異なる診療科のクリニックを開業していくことで、"その地域の医療集積エリア"となる「医療ドミナント」が形成されるパターンと、同一敷地内に戸建て型クリニックが集合している「医療ビレッジ」となるパターンがあります。

「医療ドミナント」は診診連携によって実質的に医療モールとして機能しますし、「医療ビレッジ」は敷地内に共用の患者用駐車場を配置すると集患が促されるといったメリットがあります。

③単独戸建て(所有不動産)

一方、自身の所有する不動産に自院を建てるとなると、エリアなどによっては集患に苦戦する可能性はあるものの、レイアウトの自由度が高いなど、理想を実現しやすいのがメリットです。

ビルテナント

「ビル診」は、「単独ビル診」と「医療モール」に分かれます。

④単独ビル診

既存のビルに入居する「単独ビル診」は、比較的多くの候補物件から開業したい物件(ビル)を選ぶことができます。金銭面などが条件に合えば駅近物件に開業することも可能なため、集患に有利となりますが、ビルによっては給排水や電気容量などが十分ではない場合があるので注意が必要です。また、ビル内に入居している他のテナントが風紀を乱すものでないかをよく確認することも必要です。

⑤医療ビル

「医療モール」に分類されるビルテナントは、入居しているすべてのテナントが医療施設である「医療ビル」と「複合施設型」に分けられます。

「医療ビル」は、電気容量や給排水インフラなどの用件が整っていることに加え、バリアフリーであることが一般的。また、地域における医療ランドマークとして高い認知を得ている場合が多いでしょう。

⑥レジデンス併設型

「複合施設型」のうち、マンションビルの低層部に医療ゾーンを設けている「レジデンス併設型」は、マンション住民からかかりつけ医として頼りにされやすいでしょう。もちろん、マンション住人以外も集患できるよう、看板の視認性などを確保することが必要です。

⑦商業施設併設型

「複合施設型」のひとつである「商業施設併設型」は、施設内でのショッピングのついでなどにも立ち寄れるため、患者から重宝されやすいでしょう。施設内にカフェなどがある場合、診察の順番が近づいた人にLINEなどでお知らせするシステムを導入すれば、患者がお茶しながら順番を待てるため、待ち時間の不満が出にくくなるでしょう。

⑧オフィス併設型

「オフィス併設型」の複合施設に入居すれば、近隣ワーカーに認識されやすく、昼休みや就業後に利用してもらえるパターンが多いでしょう。

金額自由度集患しやすさ
医療ドミナントやや安いやや高い集患に有利
医療ビレッジやや安いやや高い集患に有利
単独戸建て高い高い認知に時間がかかることもある
単独ビル診安い低い認知に時間がかかることもある
医療ビル安い低い集患に有利
レジデンス併設型安い低い集患に有利
商業施設併設型安い低い集患に有利
オフィス併設型安い低い集患に有利

資金なども考慮しながらベストな開業形態を選ぼう

それぞれの開業形態にはメリット、デメリットがあるので、比較検討をおこなうことはもちろん大切ですが、加えて、「どのくらいの開業資金を用意できそうなのか」「自院の患者と相性がいいのはどの開業形態なのか」なども考慮することをおすすめします。たとえば、市街地で働く人に気軽に利用してもらいたいならアクセスのよさを考慮すべきですし、かかりつけ医として地域住民の健康を支えたいならレジデンス併設型も視野に入れるといいかもしれません。また、たとえば商業施設併設型を希望しているとして、商業施設Aと商業施設Bでは条件が大きく異なることもあるので、最初に見つけた物件が条件面でよくなかったとしても、同じタイプでめぼしいものがないかどうか探してみることもおすすめします。

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