「スタッフルーム」を快適にするためのポイントとは?

クリニックにはスタッフが着替えたり、休憩したりする「スタッフルーム」が必要です。着替えや貴重品を入れるロッカーや休憩用のイス・テーブルを配置する形が一般的ですが、「快適さ」をアップするにはより工夫が必要になります。今回は、「スタッフルームを快適にするためのポイント」をまとめてみました。
着替え用のスペースと休憩スペースを別にする
スタッフルームでよくあるのが、着替え用のスペースとの仕切りがないケース。これではプライバシーが確保されません。カーテンなどで仕切っている場合もありますが、同室内であっても壁で仕切るなどして、着替え用のスペースと休憩用のスペースを別にしましょう。こうすることで安心して着替えることができますし、休憩中のスタッフが着替えている側を気にすることもなくなります。
院長室と距離を離す
スタッフルーム設置の際に多くあげられるアドバイスの一つに「院長室とスタッフルームは離すこと」が挙げられます。スタッフルームと院長室が隣接していると、お互いの会話内容が聞こえてしまうことがあります。「院長の悪口を聞かれないように」というわけではありませんが、壁を通して声が漏れる環境では落ち着きませんし、プライベートが保たれません。スペースの問題もありますが、できれば院長室とスタッフルームは間に距離を取るようにしましょう。
患者さんから見えないように別の動線を作る
スタッフルームは可能な限り診察室や待合室から離し、休憩するスタッフと患者さんが接触しないようにすることがポイントです。スタッフが休憩する部屋が近いと、休憩中の会話が診察室や待合室に漏れる可能性もありますし、休憩するスタッフも落ち着きません。ビルテナントなどスペースが確保できないクリニックには、同じビル内の別の部屋に休憩室を設けるなどして、リラックスできる環境作りを行っているケースも見られます。
採光できるスペースに作る
奥まった日の光も差さない場所ではリラックスできません。可能ならば、窓が設置されているスペースにスタッフルームを設けるようにしましょう。日光が取り入れられるだけでなく、窓を開けて換気もできます。この場合もすでに間取りが決まっている場合はフレキシブルに対応するのは難しくなりますが、スタッフがリラックスできる環境を作り、モチベーションを高めるためにも考慮すべきでしょう。
アメニティーの充実も快適さアップのポイント
スタッフルームはあくまで着替えと休憩用ですので、そこまで設備を充実させる必要はありませんが、快適さを上げるためには家具の質やアメニティーの導入も考慮するといいでしょう。例えば、イスだけではなくソファーを設置してくつろげる空間を作っているケースや、スタッフ用のドリンクバーや置き菓子サービスを導入するクリニックもあります。スタッフルームに多くの予算を割くのは難しいですが、こうしたアメニティーの充実も快適さをアップさせる方法の一つです。
用途に応じて機能を特化させる
休憩するためのスタッフルームですが、用途に応じて機能を特化させるのもポイントです。例えば、スタッフが食事を取ることが多いのなら、ミニキッチンやコンロのほか、レンジや電子ポットなどの家電を充実させるといった形です。休診時間に何人ものスタッフが一度に休憩して食事をするのなら、順番待ちにならないようレンジを2台設置するなど工夫すると、快適さは増すでしょう。
スタッフルームにも感染予防対策を
コロナ禍の今、クリニックでは待合室や受付、診察室とさまざまなシーンで感染予防対策を施しているでしょう。しかし、スタッフルームには配慮できていないケースも少なくありません。例えば、テーブルに飛沫防止用のパーテーションを設置するなど、スタッフが安心して休憩できる空間作りをしましょう。
「スタッフルームにお金をかけたくない」という意見もありますが、スタッフルームを快適にすることで、スタッフが十分にリラックスでき、より良い医療の提供につながります。実際にクリニックのスタッフルームをWebで公開している医療機関も見られますから、開業の際の参考にしてはいかがでしょうか?