開業医年収で億単位を目指せる?

年収1億円を超えるのはかなりハードルが高いこと。だけど、年収が高い医師という職業なら、他の職業の人と比べて高いハードルを越えやすいということはあり得るかもしれません。では実際のところ、医師として年収1億円を稼ぐためにはどんなことが必要なのでしょうか? 今回は、開業医にしぼって考えてみます。
開業医の平均年収は約2,764万円
年収1億円がどのくらいハードルが高いのかを知るために、まずは開業医の平均年収をみていきましょう。厚生労働省が公表している「第22回医療経済調査実態調査(医療機関等調査)報告」によると、個人・医療法人等を含めた全体としての開業医の平均年収は2.763万4.111円。このうち、2,747万3.134円が平均給料年額で、16万977円が賞与となります。
参照:厚生労働省「第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」p.276より一部抜粋
年収1億円をかせぐためには平均年収の4倍近く必要
平均年収が約2,764万円ということは、年収1億円稼ぐためには、平均年収の4倍近く稼ぐ必要があるということです。この倍率を見ただけでも「無理……」と思ってしまうかもしれません。しかし、実際に年収が1億円を超える開業医が存在するということは、それだけ稼ぐ方法があるということ。では、どういう方法をとれば年収1億円を稼ぐことができるのかを考察していきましょう。
1.自由診療で稼ぐ
年収1億円を稼ぐ可能性があると考えられるひとつめの方法は、自由診療です。自由診療とは、医療保険制度を用いない診療のこと。有効性などが公的に確認されておらず、国の承認を受けられる段階になく、「保険診療」として扱うことができない治療のため、治療費は全額患者さんの自己負担となります。
自由診療の例としては、産婦人科の不妊治療、美容外科のエイジングケア、眼科のレーシック手術などが挙げられます。また、がん治療において未承認抗がん剤を使用する場合なども、自由診療が適用されることになります。この場合、抗がん剤費用が自己負担になるだけでなく、本来であれば健康保険が適用される治療まですべて自己負担となるため、治療費が数百万円にのぼることもあります。ただし、歯科治療における詰め物代など、保険診療と自由診療の混合が例外的に認められている療養もあります。
2.副業で稼ぐ
そしてもうひとつの方法は、副業で稼ぐこと。FXや株取引など、投資だけでもさまざまな種類がありますが、医療関係者に特に人気が高いのは不動産投資です。なぜなら、投資物件を購入する際、医師であると銀行の融資が通りやすいため。安定的に家賃収入を得ることができたら、本業である医師の仕事にも先年できそうです。
年収1億円を稼ぐ方法がわかっても、実現が難しいことには変わりない
年収1億円を超えるためには、大きく分けて2つの方法があることがわかりました。しかし、いずれの方法も確実にうまくいくとは限らないですし、中には、「自由診療や副業は自分には向いていない」と感じる人もいるでしょう。また、向いていたとしても、高収入を重視するあまり医療の質を落としてしまっては、長い目で見たとき、患者が離れていってしまうことも考えられます。「理想の医療」「理想の暮らし」両方についてしっかり考えながら、クリニックの方針を考えていくことが大切かもしれませんね。