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外科医が気胸に。そのときの衝撃の反応とは?

外科医が気胸に。そのときの衝撃の反応とは?

外科医が気胸に。そのときの衝撃の反応とは?

わたしは呼吸器科の病棟に勤めています。50床の病棟に、一年に10人ほど気胸の患者さんが入院します。気胸といえば、10~20代の背の高いやせ形の男性に多いと言われていますね。若い男性というのは、医療スタッフも含まれますよね。今回はまさかの外科医が気胸になって入院したときの驚きの反応についてお伝えします。

外科医が自然気胸になった

気胸になった医師は30代前半の男性でした。担当は外科で、毎日10症例ほどの手術がありました。若いこともあって自分の専門の科以外の手術にも入るなどしてとても忙しく働いていました。手術自体はとても好きで、苦にはならないそうです。

ある日、その医師が日中の手術を終えて一息ついていたところ、急な胸の痛みを感じました。みるみる呼吸困難となっていることに気づきました。

呼吸器外科受診、そして入院

胸の痛みと呼吸困難ということで、すぐに「気胸かも!?」とピンときたようです。そのまま呼吸器外科を受診し、レントゲンの結果、自然気胸との診断。気胸は思ったより進んでいたようで、胸腔ドレナージと経過観察の目的のために入院となりました。

注射が怖い!? 衝撃の事実

看護師のわたしはここで緊急入院の担当となり、医師が胸腔ドレナージを入れる処置の介助につくことに。若いことや肺の虚脱がひどかったことから、ステロイドの注射をしながら胸腔ドレーンを入れることになりました。そこで注射の針を挿入するために固定などをしていると、なんととても恐ろしそうに震えながら目を瞑っていたのです! まるで小学生のようでした。「先生、注射が怖いのですか?」と聞くと、「痛いのが全部苦手なのです。注射もですし、胸腔ドレーンとなると意識が飛びそうです」と恥ずかしそうに、そして申し訳なさそうに答えられました。安全のために注射は必須であったため、ごめんなさいと思いながら針を刺したら、処置室を抜けて廊下に響き渡るほどの大声で叫ばれたのです。わたしの看護師人生で初めてのことでした。いつもバリバリと手術をこなしている外科医が、まさかの注射ですら叫ぶほど痛いことが怖いという事実を知りました。

胸腔ドレーン挿入の痛みはどうなる!?

注射の針を刺されるだけで叫ぶ外科医を見て、呼吸器外科の医師は苦笑いをしていました。最初は痛みが怖いことを隠そうとしていた外科医でしたが、注射のときに叫び声をあげてからは隠すことはできないと諦めたようです。局所麻酔をどんどん追加してもらい、無事にドレーンを挿入することができました。局所麻酔のための針を刺す痛みで叫んでいたことは言うまでもありませんね。

処置後はどうなった?

処置を終えたのは夕方だったため、そのまますぐに眠っていました。呼吸器外科の医師からは、最大の量ともいえる内服の痛み止めが処方されていました。しかし夜間は内服だけでは痛みが強く、ベッド上で身体の向きを変えることすらできませんでした。そこで点滴の注射や座薬を使用することに。痛み止めが効いたところで、車椅子でトイレに行ったり、なんとか食事をとったりしていました。ドレーンを挿入してから丸一日ほど経って、やっと痛みが和らいできたようでした。気胸はドレナージのみで回復したため、数日で胸腔ドレーンは抜去され、退院となりました。

語り継がれる伝説に

外科の医師が注射で叫びあげたことや、夜間の痛み止めをフルに使用したことなどは、病棟のスタッフに知れ渡りました。呼吸器科の病棟に医師の患者が入院して病棟にくるたびに、医師は「その節はお世話になりました」と笑って話しています。その当時働いていなかったスタッフにも語り継がれる伝説になっています。

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