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【整形外科の年収事情】収入UPを目指すなら開業が一番?

【整形外科の年収事情】収入UPを目指すなら開業が一番?

【整形外科の年収事情】収入UPを目指すなら開業が一番?

整形外科では、骨や筋肉、関節などの疾患や外傷の診療および治療をおこないます。腰痛などの慢性疾患を、注射や投薬を重ねながら長期にわたって観察していくこともあれば、事故などによる外傷を一刻も早く手術しなければならないこともあります。多忙な労働環境に置かれるケースもありそうですが、年収は一体いくらくらいなのでしょうか?

平均年収「1289.9万円」 他診療科と比べた結果5位

順位診療科目平均金額(万円)
1位脳神経外科1480.3万円
2位産科・婦人科1466.3万円
3位外科1374.2万円
4位麻酔科1335.2万円
5位整形外科1289.9万円
6位呼吸器科・消化器科・循環器科1267.2万円
7位内科1247.4万円
8位精神科1230.2万円
9位 小児科 1220.5万円
10位救急科1215.3万円
11位その他1171.5万円
12位放射線科1103.3万円
13位眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科1078.7万円

参考:勤務医の就労実態と意識による調査 – p.30 一部抜粋

少し古いデータですが、2012年に比較した勤務医の就労実態と意識による調査結果では1289.9万円でした。上記では13で分けた診療科目の中では5番目というランク付となり、医療業界では中盤の年収ラインかと考えられます。

平均診療点数でみた場合

また、最新の診療点数で見た場合の診療科目比較でみたデータが以下となります。以下のデータは、令和2年度に実施された、関東圏内の平均診療点数を比較してみました。

順位診療所平均診療点数
1位内科(人工透析有)9,820
2位内科(人工透析以外(在宅))1,590
3位外科1,347
4位泌尿器科1,306
5位精神・神経科1,240
6位整形外科1,218
7位内科(人工透析以外(その他))1,184
8位産婦人科977
9位小児科974
10位眼科968
11位耳鼻咽喉科807
12位皮膚科684

上記も他診療科目で比較した場合、整形外科は5番目の診療点数となりました。2012年に調査された診療科目毎の平均年収では、精神科医よりも高い水準でありましたが、令和2年の平均診療点数ベースでみた際は精神科よりも低い位置づけとなりました。あくまで平均診療点数は年収に直結しない要素ではありますが、やや同じ年収水準として示唆しても良いのかもしれません。

参考データ

整形外科医の約7割以上が年収1,000万円超え

整形外科医の患者は、乳幼児から高齢者まで実にさまざま。たとえば、成長期の子どもがスポーツをし過ぎて膝関節を傷めて整形外科を訪れることもありますし、乳幼児であれば先天性股関節脱臼などで通院することもあります。また、超高齢化社会を迎えた日本は、恒例の患者が多いのも特徴。腰痛や膝痛、骨粗しょう症などに悩まされ、定期的に通院している患者も多いです。

さらに、外傷も診ている医療機関はオンコールに対応しているケースも多く、極めて多忙な医師が多いのが現実です。それだけ多忙となると自ずと平均年収も高くなりそうですが、労働政策研究・研修機構が実施した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、整形外科医の平均年収は、調査対象となった12の診療科の中で4番目という結果。

整形外科医の平均年収の割合

300万円未満300万円~500万円未満500万円~700万円未満700万円~1000万円未満1,000万円~1500万円未満1,500万円~2,000万円未満2,000万円以上500万円未満・計1000万円以上・計平均金額(万円)
4.20%3.80%2.50%12.70%34.70%33.10%8.90%8%76.70%1289.9

整形外科医の年代別平均年収の割合

しかし40代になると、年収1,000万円未満の整形外科医はわずか10%。年収2,000万円以上の整形外科医は23%にまで増加します。

年代600万円未満600~1000万円 未満1000~1400万円未満1400~2000万円未満2000万円以上
30代10%40%30%10%10%
40代-10%20%47%23%
50代-5%15%65%15%

整形外科は開業すると収入がアップする?

働き方によっても、給与の額は左右されます。

働き方は、大きく2パターンに分けられます。

ひとつは、総合病院などの勤務医として働き、緊急の手術もこなしながら、外来・入院患者の療法を診療する働き方です。そしてもうひとつは、クリニックを開業するなどして、比較的症状が安定した外来の患者を主に診察する働き方です。働き方だけを見比べると、後者のほうが楽に思えるかもしれませんが、実際は、開業自体にかなりお金がかかるため、元手を取り戻すまでがまず大変。

整形外科医として開業しようと思ったら、レントゲン設備、低周波治療器、温熱治療器、牽引器、超音波治療器などさまざまなリハビリ機器をそろえなければならないからです。また、開業後には、たとえば交通事故などで外傷を追った患者などの場合、他の診療科と連携しながら治療にあたることもあるため、診察・治療以外で時間を取られることもあります。

整形外科医の施設別医師数

では、整形外科医の勤務医と開業医はそれぞれどのくらいいるのでしょうか? 厚生労働省が公表している「施設・業務の種別にみた医師数」によると、2014(平成26)年12月31日時点での全国の整形外科医数は25,256人。このうち病院などに務める勤務医は14,101人で、診療所で働いている開業医は11,155人となっています。

診療科目 総数 病院 診療所
医師数割合医師数割合医師数割合
総数296,845100%194,961100%101,884100%
内科89,23430.10%34,08217.50%55,15254.10%
小児科29,87810.10%10,7345.50%19,14418.80%
皮膚科14,6444.90%3,9152%10,72910.50%
精神科16,7805.70%11,8886.10%4,8924.80%
整形外科25,2568.50%14,1017.20%11,15510.90%
産婦人科10,7853.60%6,5333.40%4,2524.20%
脳神経外科7, 8192.60%6,3063.20%1,5131.50%

※主要科目だけですので割合合計が100%になりません。

整形外科医として開業するためには何が必要?

開業した暁には、どのくらいで開業資金を回収できるのかも気になるところでしょう。

整形外科として開業するには、先に述べた通り、さまざまなリハビリ機器が必要です。そのほか、電子カルテやレジスター、診察用ベッドや施術代なども併せると、2,000万円前後要するのが一般的です。これに加えて、土地および建物代も必要なほか、人件費や医薬品代もかかるので、整形外科として独立することを考えているなら、早い段階から準備を進めていけるとよいでしょう。

採算をとるために無駄な設備は極力買わないのがおすすめ

整形外科の中には、ウォーターベッド型マッサージ機などの設備を備えているクリニックもありますが、そうした機器での治療が、実際にどのくらい有効であるかは一度考えてみるのがおすすめです。優秀な理学療法士の施術と、器具などを使った物理療法を比べたら、「患者一人ひとりの症状に最適な治療を提供できる」という意味においても前者が圧勝です。患者に喜んでもらえる治療を提供することは、いうまでもなく集患・増患につながるので、無駄な出費を抑えることは、結果的に年収アップにつながるとも言えます。

また、理学療法士であれば、患者とのコミュニケーションを充実させることができるのも大きなポイント。そう考えると、どこにお金をかければ病院の評価向上につながるかを考えながら開業の準備を進めることも、とても大切だとわかるはずです。

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