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「オンライン資格確認」本格稼働直前!厚労省に聞いた

「オンライン資格確認」本格稼働直前!厚労省に聞いた

「オンライン資格確認」本格稼働直前!厚労省に聞いた

「オンライン資格確認」の導入が病院・診療所・薬局で進んでいます。オンライン資格確認は、①保険診療を受ける人の資格確認を確実に行う、②レセプト情報を基にした医療情報を活用する、という2つの大きな目的を達成すべく取り組まれています。また、オンライン資格確認導入のために構築されるシステムは「データヘルス改革」の基盤となるシステムです。もともとは「2021年3月から本運用開始」という予定だったのですが、「10月までに開始」と延期されました。しかし、この延期期間の間にもプレ運用は続けられ、システムのプレ運用の中で生じた確認すべき点について、着実に対応してきました。また、システムベンダー側も対応の中で導入ノウハウを蓄積しています。いよいよ「本運用開始」直前ということで、現在の状況について、厚生労働省 保険局の柏尾康寿さんにお話を伺いました。

「10月20日に本運用開始」が決定! 病院の申し込みは77%まできた!

――本運用開始が目前に迫ってきましたが、オンライン資格確認導入の状況をどのように把握していますか。

柏尾さん まず、本年9月22日に開催された社会保障審議会医療保険部会の中で、本運用開始日を「2021年10月20日(水)」と公表させていただきました。

病院・診療所・薬局に導入していただく「顔認証付きカードリーダー」の申し込み状況は、2021年9月19日時点で以下のようになっています。

種別申込状況割合
病院6,370施設/8,243施設77.30%
医科診療所3万9,208施設/8万9,339施設43.90%
歯科診療所3万4,336施設/7万842施設48.50%
薬局4万8,940施設/6万563施設80.80%

――病院は77%、薬局は80%と非常に進みましたね。一方で診療所は、医科・歯科共に5割に届いていないようですが。

柏尾さん そこは少し残念ですが、「顔認証付きカードリーダー」の補助金申請について、2023年3月末までに改修工事を行い、6月末までに申請を終えればよい※となっていますので、まだ様子見をしようと思っている方が多いのかもしれません。

――実際に「顔認証付きカードリーダー」が届いて本稼働OKとなっている施設の数はどのくらいでしょうか。

柏尾さん 同じく9月19日時点で、システムのつなぎ込みが終わっているのは1万4,368施設(6.3%)。これらの施設は本運用の準備が完了しています。実際にプレ運用に参加しているのは4,333施設(1.9%)です。

――私たちも取材してみましたが、「顔認証付きカードリーダー」に申し込んだが到着が遅れている、という施設もあるようです。

柏尾さん 本年3月に顔認証付きカードリーダーの申し込みが集中したことの影響があったのかもしれません。そういった施設にもこれから順次顔認証付きカードリーダーが配送され、続々と参加されると思います。

――これまでのプレ運用の段階で何かクリティカルな問題は起こりましたか?

柏尾さん いえ、特にそのような事態は起こっておりません。また、セキュリティーについても万全を期していますので、ご安心いただければと思います。

※2021年3月31日までに申し込んだ場合には厚生労働省が設定した事業額を上限として全額補助金が受け取れます。4月1日以降申し込みの場合には、2023年3月末までに改修工事を行い(クリニックに設置し)、6月末までに補助金申請を「オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係 医療機関等向けポータルサイト」から行えば、厚生労働省が設定した事業額を上限に3/4までの補助金を受け取ることができます。

オンライン資格確認導入での注意点は?

――オンライン資格確認導入について医師への注意点やアドバイスがあれば教えてください。

柏尾さん オンライン資格確認のシステムではマイナンバーカードによって本人確認、保険診療を受ける資格確認ができるようになります。

オンライン資格確認等システム未導入の医療機関・薬局からは「マイナンバーカードを持ってくる人はいない」といった意見もあるのですが、実は、マイナンバーカードの交付数は全体の約38%まできています。有効申請受付数は4割を超えています。これは総務省のデータでも確認できます。ですので、マイナンバーカードで受診できる環境をしっかり整えていただき、マイナンバーカードで受診したい患者のニーズに対応いただける環境を整えておくことが必要なのではないかと考えています。

――確かに一般には「マイナンバーカードを持っている人なんてほとんどいない」という認識があるかもしれません。 

柏尾さん はい。マイナンバーカードの交付状況が実は進んでいるというのは先ほど述べたとおりです。これに加えて、オンライン資格確認等システムの導入による医療機関・薬局側のメリットをあらためて認識いただくことで、導入を前向きに検討いただけるとありがたいなと考えています。

具体的には、初診の患者であっても特定健診の情報、薬剤の情報を見ながら治療に当たることができるという利便性をもたらします。2022年の夏ごろになれば、手術情報、透析情報が加わります。2023年の1月までスパンを伸ばすと「電子処方せん」がこのオンライン資格確認のシステム基盤を使ってできるようになる予定です。

オンライン資格確認はデータヘルス改革の基盤になりますので、特にこれから開業する医師の皆さんにはぜひご賛同をいただいて、積極的に導入いただけるとありがたいです。

――すでに電子処方せんまで視野に入っているのですね。

柏尾さん はい。データヘルス改革はオンライン資格確認等システムを基盤として続いていきます。

2021年3月31日までに「顔認証付きカードリーダー」を申し込んだ施設は全体の約56%でした。補助金を受けるためには、2023年3月末までにオンライン資格確認等システムの導入を終えている必要があります。

つまり理論上は、2023年3月末時点では日本全国の病院・診療所・薬局のうち過半数の施設でオンライン資格確認等システムが稼働していることになります。医療機関・薬局のうち、2つに1つ以上の施設が同システムを導入している世界がすぐそこに迫っておりますので、ぜひ乗り遅れないようにしていただきたいと思います。

――ありがとうございました。

まとめ

オンライン資格確認は、データヘルス改革のシステム基盤として10月20日に本運用が開始されます。2023年3月には2つに1つ以上の施設でオンライン資格確認システムが稼働しているはずです。つまり、病院・診療所・薬局にはあって当然というものになるのです。医師・クリニック院長の皆さんは「うちにはない」とならないようにご注意ください。

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