【医療事務の年収事情】契約形態毎にご紹介
クリニックには医療事務を担当するスタッフが必要ですね。医療事務は普通の事務所とは異なり、医師のアシスタントとしてある程度は医療に関する知識が必要になります。では、医療事務に携わるスタッフにはどのくらいお給料を支払えばいいのでしょうか?
医療事務と通常の事務仕事の違い
まず「医療事務」と「通常の事務仕事」の違いを見てみましょう。
通常の事務仕事の内容
通常、「事務職」「事務仕事」として求人する場合には、その会社のどの部課で募集するかによって細部に違いはあるものの、以下のような仕事を想定しています。
専門職のアシスタントとしての総務・経理
総務・経理と一口に言っても幅広いですが、具体的には以下のような仕事です。
- 資料、書類の整理
- 文書作成、清書
- 伝票整理
- 電話番、メール、郵送物の手配などの通信業務
- 経費、交通費の精算
- 入庫、出庫への対応、併せて伝票作成、管理
- 勤怠管理、決算書作成の補助
- 接客、来訪者への対応
このような業務をこなすために、OA機器は使えないといけません。「OA」はもう昭和の時代の言い方ですが、「オフィス・オートメーション(Office Automation)」の略で、仕事を自動化・効率化するという意味です。
ですから「OA機器」を具体的にいえば、パソコンやプリンターなどです。最近はオフィスにパソコン、インターネット環境があって当たり前ですので、一般の事務の仕事では、パソコン、『Word(ワード)』『Excel(エクセル)』、メールが使えることが求められます。
医療事務の仕事内容
次のような仕事が医療事務の対象になります。
- 受付
- 電話番、メール、郵送物の手配などの通信業務
- 診察券の発行
- 患者さんの呼び出し
- カルテの準備
- レントゲン、検査データの準備
- 治療費の精算、会計業務
- レセプト(診療報酬明細書)業務
- その他、クリニックに付帯する業務
医療事務の場合には、まずクリニックを訪れる患者さんの受付、会計に対応する役をこなさなければなりません。ある意味、クリニックの「顔」を務める重要なポジションです。また、初診の場合には診察券の発行、カルテの準備も仕事です。
最重要なのは「レセプト業務」です。診療内容を正確に点数計算して、レセプトを作成し、これを「国民健康保険団体連合会」「社会保険診療報酬支払基金」といった「審査支払機関」に請求しなければなりません。これを間違うとクリニックの収入に影響します。
最近では「レセプト業務」に医事システム(レセプトコンピューター:レセコン)を使うのが普通ですので、少なくともコンピューターの入力操作はできる必要があります。
「医療事務」の年収の違い
医療事務の年収ですが、『求人ボックス 給料ナビ』によれば以下のようになっています。
契約形態 | 年収 |
正社員 | 280万円 |
アルバイト | 200万円前後 ※時給:999円/週5・8H勤務・21営業日数の場合 |
派遣社員 | 240万円前後 ※時給:1,198円/週5・8H勤務・21営業日数の場合 |
⇒参照・引用元:『求人ボックス 給料ナビ』「医療事務の仕事の年収・時給・給料情報」
正直にいえば、医療事務の仕事のお給料は総じて高くありません。日本のサラリーマンの平均年収が436万円といわれていますので、医療事務のお給料は低いほうだといえます。
事務長の年収は?
「医療事務」のお給料は確かに低いのですが、人を使うようになって管理職になると金額は上がります。クリニックの事務職を統括する「事務長」職では、年収が「450~800万円」が相場のようです。クリニックの規模にもよるので一概にはいえませんが、大規模なクリニックの事務長ともなれば年収が1,000万円を超えることもあります。
近年では、医療事務スタッフを募集するのが困難になっています。ただし、クリニック(特に無床)の場合には、大きな病院と異なり終業時間が明確ですので、そこまで応募者が少なくない、という話もあります。ぜひ、上掲のデータなども参考に応募人数が増えるようなスタッフ募集を行ってください。