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医療事務員として、プロの心構え

医療事務員として、プロの心構え

医療事務員として、プロの心構え

患者さんの健康や命を守る医療事務の仕事は、単に院内の事務的な作業をこなすだけではありません。患者さんと適切なコミュニケーションを取り、診察がスムーズに進むよう流れを作ることも大事な仕事です。

今回は、来院した患者さんの視線や表情に気を配り、適切で誠実な対応ができるようになる上で大事なポイントをお伝えします。

医療事務員は医院の顔

問い合わせや予約の電話対応から始まり、来院した患者さんを最初に迎え入れ、診療の終わった患者さんを送り出すポジションの医療事務員。そのため、必然的に多くの人の印象に残ることから、「医院の顔」と言われています。

笑顔で優しく接してくれる事務員のおかげで、気持ちよく帰宅することができた経験がある人も多いでのはないでしょうか? 緊張した面持ちで来院した患者さんの、診察に対する不安な気持ちを和らげ、安心して診察を受けていただけるような空間を作るのも医療事務の大切な仕事です。

プロの事務員はコミュニケーション上手であることが必須

テキパキと効率よく事務作業をこなすことももちろん大切ですが、何よりも医療事務員として重要視してほしいのは、患者さんとの円滑なコミュニケーションです。もちろん、患者さんに対してだけでなく、院内で仕事するうえで、円滑なコミュニケーションはとても大事です。

そこがなっていないと、医院の評判が下がることもあります。自分の何気ない一言で医院の評価が下がってしまうと、仕事に対する自信を失ってしまいますよね。そうならないためにも、プロの意識をもって誠実な態度で接することがとても大切なのです。

患者さんに合わせた臨機応変な対応を

医院の顔であることを意識するあまり、いつも同じ優しい笑顔でいるというのもまたよくありません。痛みが強く、早く診察してほしい患者さんと、快方に向かっている患者さんとに同じ対応を取ってしまうと、どう思われるでしょうか?

痛みが強く必死の思いで来院した患者さんに向かって、いつもの優しい笑顔で丁寧な説明や順番待ちの案内などは、必ずしも必要でしょうか? 「説明はいいから、はやく手を貸してくれ!」とお怒りになる患者さんも中にはいるかもしれません。実際に大きな声でお怒りになられては、待合室にいる他の患者さんにまで不安な気持ちにさせてしまいます。その場に応じた適切な対応ができるよう心掛けたいですね。

反対に、快方に向かっている患者さんに対しては、明るいトーンでの対応が◎! 症状が改善していることを一緒に喜んであげると、患者さんの反応はどうでしょうか? 緊張していた表情がやわらぎ、少しお喋りになってしまう患者さんもいるかもしれません。こういったコミュニケーションから垣間見えた患者さんのうれしそうな反応を記憶し、次回そのことを話してあげると大変喜ばれます。

最初のクレームも事務員が対応

最初にクレームの対応をするのは、事務員のいる受付であることが多いです。しかし、一番苦手な業務がクレーム対応という人も多いのではないでしょうか? そもそも、好んで対応する人も少ないはず。時には、とっさの機転を効かせなければならず、神経もすり減ります。

また、患者さんは、医院の対応、ドクターの診察やナースの説明に対する不満など、診察室で言えなかったモヤモヤを受付で漏らしていきます。時には「そんな小さなことで……」「こちらに非はなかったのに……」と思うこともありますが、そうした不満を漏らす患者さんが共通して感じているのが、「医院全体の対応の悪さ」や「説明不足からくる不安」です。患者さんを送り出すときに、カルテを確認しつつ、相手を気遣った一言をかけてあげるだけでも、クレームを防止できるかもしれません。

また、クレームは院内全体で管理することが大切です。患者さんが、なぜクレーマーと化してしまったのか、しっかりとヒアリングして間違いのない内容で院長に伝達します。受付だけで解決した内容でも、そのときの状況を細かくまとめ院内で共有して、再発防止に努めることが最大のクレーム対応になるのではないでしょうか。

ドクターとナースの関係修復に一役?

医療事務は、ドクターやナースのように医学的専門知識を持ち合わせていません。もちろん中には、資格を取得していたり、勉強熱心であったりする事務員もたくさんいます。

しかし、そういった事務員は、患者さんとドクターや、ドクターとナースの間に立ち、中立的な立場からの意見を述べることもできます。どちら側でもないので、どちらの意見も理解し、どちらにも共感できるのです。

そのため、何かと意見の衝突が多いドクターとナースの仲介役をすることもあります。「そんなことまで事務員がしてられない……」と思いながら働くよりも、いつも患者さん向けている優しい笑顔で、一度仲を取り持ってみてください。その際には、受付で鍛えられた事務員のコミュニケーション能力が役立つはず。職場の雰囲気を自然といい方向に変えることのできる人材は、医療事務でなくとも重宝されます。

待合室の空間づくりにも

待合室が乱雑な状態だと、「適当な医院」というイメージを持たれてしまいます。同じ家でも、洋服や本が散らかり放題の家と適度に整頓されている家では、ずいぶん印象が変わりますよね。クリニックもそれと同じこと。手の空いた時間に、できるだけ綺麗な状態に整えることが大切です。

その際、意外と見落としがちなのがデスク周りです。患者さんからは見えていないと思わず、デスクの上や引き出しの中も、必要なものをすぐ取り出せるように整えておきましょう。散らかっていると作業効率が下がるだけでなく、アポイントのミス、患者さんの大事な保険証・診察券や金銭授受におけるミスにも繋がります。常に業務の動線を考え整理しておくと、作業効率がグッと上がり、動きに余裕が生まれます。

また、来院した患者さんが、最も長い時間滞在する待合室も、快適な空間に保ちたいもの。忙しく込み合っている時間帯は特にバタバタと対応してしまいがちですが、そんなときこそ周囲に気を配り、丁寧な対応をして、快適な空間を演出してみてください。

個人情報の管理は慎重に

事務的な作業のひとちに、レセプト請求やカルテの管理があります。今は電子カルテを導入している医院も増え、管理にかかる時間がずいぶんと減りました。

しかし、保険証の確認は現物の受け渡しでおこなっているところがほとんどですよね。そこで注意したいのが、生活保護受給者や低所得者が保有している医療券の確認です。名称をそのまま読み上げたり、周囲の人にも分かるような内容で伝えてしまうと、「周りの人にバレると恥ずかしい」と思う患者さんがいます。「そんなに大きな声で言わなくてもいいじゃない!」と感じさせてしまわぬよう、声のボリュームを下げたり、言い方を変えたり、筆談で伝えるのもいい方法です。

また、お薬の説明をするときも同様です。「病名を周りに知られたくない」と思っている患者さんがいるかもしれません。どんなに腕のいいドクターが在籍する医院でも、受付でそういった嫌な思いをさせてしまうと、いい医院とは言えません。周囲の状況と、患者さんの表情を読み取りながら、適切な対応を心掛けましょう。

さいごに

医院の顔として医療事務の仕事をするということは、簡単ではないように思えるかもしれません。しかし、心を込めた対応をすることによって、「あそこの受付、感じ良く対応してくれるし、いい病院よ」と噂が広まればとてもうれしい気持ちになりませんか? そのことをしっかりイメージしながら働くことができる、心優しい事務員が増えることを願います。

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