医療事務に必要なスキルは?人材の見極め方は?
クリニックを開業して院長になったら、自院のために働いてくれるスタッフを雇う必要があります。開業したてでなるべく経費を抑えたいとしても、最低限、医療事務と看護師は必要でしょう。今回はそのうち、医療事務に着目して、どんなスキルを重視して採用するのが理想であるかを考えていきます。
医療事務の仕事内容は?
医療事務の主な仕事は、受付や窓口での患者対応、レセプト業務、会計、カルテの入力・管理業務です。また、看護師の事務作業をサポートすることもあれば、患者の不安を緩和するために積極的にコミュニケ―ションをとることを求められることもあります。受付はクリニックの顔となる存在なので、清潔感があって、話しかけやすい雰囲気であるに越したことはないでしょう。
レセプト業務をこなすにあたっては、薬や医療に関する知識も必要ですが、知識の程度は人それぞれ。より高度な知識を有した人材に働いてもらいたいとなると、それなりの条件を提示することが必要でしょう。また、電子カルテの入力や、クリニックがSNSを運営している場合にはその更新などを任せることもあるかもしれませんが、パソコンスキルも人それぞれなので、どの程度のスキルを有した人材に働いてほしいか、しっかりと考えておくとよいでしょう。
医療事務の適正を見分けるポイントは?
医療事務は、カルテや被保険者証の情報といった個人情報に関するデータを扱うことが多いため、書類やファイルをしっかり管理できる几帳面な性格の人が向いています。また、レセプト業務や会計業務をおこなうにあたって数字を扱うことが多いので、細かい作業が苦にならないタイプが向いているとも言えるでしょう。
さらに、患者の不安や体調の悪さを察知して寄り添う心遣いや、医師や看護師と連携して業務をすすめられるコミュニケーション力が備わっている人も、医療事務への適性が高いと言えます。
医療事務に必要なスキルは?
さらに具体的に見極めるために、続いては医療事務に必要なスキルをみていきます。
1. 事務仕事の正確さと速さ
医療事務にもっとも必要なスキルは、事務処理の正確さと速さです。特に、レセプトは毎月の提出〆切日が決まっていることから、「間に合わない」というわけにはいきません。また、法改定があるとレセプト業務の内容は変わるため、一度やりかたを覚えても常に新しいことを学び続けなければなりません。
2. 柔軟な対応力
クリニックにはいろんな患者が訪れます。時には、いわゆるモンスターペイシェントを相手にしなくてはならないこともあるでしょう。相手が筋の通らない話をしていても、傾聴しなければならないことだってあります。また、小さな子どもや、年配で耳が遠い方がひとりで来院することだってあります。どんな患者が来院しても、臨機応変に対応する能力があれば、一緒に働く医師や看護師も助けられることでしょう。
3. 最低限のITスキル
電子カルテ入力やレセプト業務をスムーズにおこなえる程度のITスキルがあるかどうかは、必ず確認したいところです。また、ワードやエクセルも最低限使いこなすことができれば、患者へのアンケート作成などもお願いすることができますし、なにかと重宝するはずです。
人材採用において妥協はご法度!
これらのことを踏まえたうえで人材探しをスタートしても、納得のいく人材に巡り合えないということはありえます。その結果、とにかく開業に間に合わせたいからと、自分の中で合格点に達していない人材を採用してしまっては、理想の医療を提供できないことも。そうした事態を避けるためにも、人材探しには妥協しないことが大切。人材紹介事業者なども利用しながら、より理想的な人材を探していけたらいいですね。