男性看護師ならではの辛さ

男性看護師ならではの辛さ

男性看護師は毎年増加傾向にあります。患者から「男性の看護師さん増えたよね」と言われることも多くなりました。ですが、増えているといっても、診療科にもよりますが、病棟にせいぜい1~2人程度でまだまだ女性社会と言って良いでしょう。一般の人から見ると、「女性に囲まれていいじゃん」って思う人もいるかもしれません。実際、わたし自身も言われた経験が何度もあります。ですが、「女性に囲まれていい」なんて思ったことは一度もありません。女性が多い看護師の中で、男性も大変なことはたくさんあるのです。

男性看護師の特徴

男性看護師は特に、先輩とも後輩ともうまく人間関係を築きあげていくことが望ましいです。

男性看護師は、女性看護師に対してものすごく、叱り方、指導方法などに気を使いますが、女性看護師は相手が男性だろうが容赦なく攻撃してくることもあります。

男性看護師の特徴として、

  • 患者や職員に優しい
  • 女性看護師以上に気が利く
  • 業務に協力的である
  • 何かトラブルが起きれば率先して手を貸す
  • 体力がある
  • 誰の味方にもつかない

といったことがあげられます。

全人とは言いませんが、これらは男性看護師なら自然とできることなのかもしれません。

患者や職員にやさしい

患者さんからも「男性の看護師さんの方がやさしい」と言われることとも多いです。

かける言葉もやさしいし、基本的にゆっくりとしたペースで話をかけたりします。

また身体的ケアをおこなうにしても、羞恥心を考えたり、痛みを感じにくいようにケアしたりします。

そのためか、患者から気に入られることも少なくありません。

また、職員にもやさしいです。

男性看護師が本当に怒ったりしたら、女性看護師には負けないかもしれません。

腕力だって男性のほうがあります。

男性もそれをわかっているため、女性看護師に強くあたることはしません。

また、男性看護師は女性看護師を敵に回す怖さを知っているのです。

もし、男性看護師が女性看護師にいけないことをしたとしたら、その噂はたちまち広がって行くでしょう。

そして噂は大きくなり、場合によっては全く異なった事実まで流れ、誤解を生むかもしれません。

その怖さに、男性看護師気づいてくるのです。

できれば、「女性を敵に回したくない」と思っています。これも、女性看護師に優しくする理由なのかもしれません。

男性看護師は気が利く

男性看護師は、細かいところまで気が利くと言われることもあります。

女性に比べ周りを見て動くことができるのかもしれません。

そのため、何か困っているようなことがあったら、積極的に声をかけたり、業務が終わらないようだと感じたら手伝ったりといった傾向にあるのかもしれません。

本心では、自分だって早く帰りたいはずです。

しかし、残業をしてまで手伝うのが男性看護師なのかもしれません。

また、全員とは言えませんが、患者さんの手の届く位置に物を置いたり、本人が過ごしやすいように整理したりするのも、女性看護師に比べて男性の方が多いような気がします。

そのため、患者からも「あの子は気が利く」と言われるのはだいたいが男性看護師なのです。

協力的である

男性看護師は、困っている人を見かけたり、手伝ってほしいと頼まれたりしたときには、自分が大変でも手伝う傾向にあります。

それを手伝ったら、自分の業務が遅れる。それがわかっていても協力するのです。

また、女性に比べて筋力があるため、身体の大きい患者を受け持ったり、少し面倒な患者がいたら、女性看護師がトラブルにならないように、率先して受け持ったりといったこともしています。

何かトラブルが起きれば率先して手を貸す

患者の中には、女性だからといって威圧的な態度を取る男性患者もいます。

また、暴言、暴力、セクハラといったこともありえます。

そういったことがあったと知れば、男性看護師は患者に注意しにいったり

受け持ちを変わるなどの対応をしてくれます。

患者も男性看護師になると、何も言わなくなることもたくさんあるので、トラブルを避けることにもつながります。

体力がある

これはよく言われることではありますが、女性に比べて体力はあるのではないかと思います。

そのため、緊急で運ばれてくることが多い救急科、ナースコールの多い整形外科、暴れまわる患者が多い精神科には、男性看護師が多いです。

また、体力があるため、夜勤を担当することや、ナースコールに対応することも多いと思います。

寝たきりで動けない患者や手術後で動けない患者の身体の向きを変えたり、ケアをしたり、検査に連れていったりといった仕事も、力のある男性が担当してくれることが多います。

誰の味方にもつかない

女性が多い職場では、男性は板挟みになりやすい傾向にあるかと思います。

仲の悪い者同士の悪口を聞かされたり、意見や同意まで求めてこられたりします。

しかし、男性はできるだけそういったことには関わりたくありません。

そのため、どちらも傷つけないように、共感はしますが、決してどちらかの味方にもつくこともありません。

もし男性がどちらかに見方をしたとき、もう一方の女性に悪い噂を流される可能性があります。

男性看護師は、仕事をしていく中でそういったことがあるのも理解しています。

あくまでも中立な立場でいることがうまくやっていく方法だとわかっているので、誰の味方にもつかないのです。

男性看護師の辛いところ

年々、男性看護師は増えていますが、まだ、女性の仕事と思われることが多いです。

  • そのため、患者からの男性拒否
  • 働く診療科の制限
  • 力仕事のときだけ頼られる
  • 都合が悪くなると頼られる
  • イベントではいじられ役
  • 女性の会話に入りづらい
  • 聞きたくもない話を聞かなくてはならない。

などを経験したことがある男性看護師も多いのではないでしょうか。

患者からの男性拒否

男性看護師なら誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。

入院患者さんは男女問わずいます。

高齢者であれば、男性看護師だろうがそこまで気にする患者は少ないですが、それでもゼロではありません。

特に身体的ケアである清拭や着替えといったことには、「男性禁止」とされることもあります。

また、若い女性は完全にNGなことも多く、男性看護師も羞恥心を考え受け持ちを避けることもあります

しかし、どうしても避けて通れないこともあります。

それは夜勤です。

夜勤はチームごとに分かれていることが多いので、受け持たなくてはならないこともあるのです。

場合によっては男性看護師同士で夜勤を行なうこともあります。

そういったときには、他の診療科の女性看護師にお願いして、観察してもらうこともあるのです。

男性看護師も仕事だからといって、すべての女性患者と関われるわけではありません。

それよりも、患者の年齢や環境を考えて看護に当たることの方がよっぽど重要になってきます。

働く診療科の制限

女性看護師であれば、そこまで診療科に制限はありません。

しかし、男性は違います。

男性が入りづらい診療科は産婦人科になります。

産婦人科では、男性医師を目にすることがあっても、男性の看護師にはほとんど会うことがありません。

男性看護師で産婦人科を希望する人も少ないかもしれませんが、そもそも男性が入りやすい診療科ではないとわかっているため、希望もしないのでしょう。

産婦人科は学生実習からすでの男性の領域ではないことを知ります。

産婦人科であるため、若い患者が多くデリケートな部位の観察が多いため、男性拒否であることがほとんどです。

それでも、男性は実習にはいかなくてはなりません。

わたしも実習に行ったときは、患者さんを受け持ったこともありません。

そのため、新生児が母親の母乳を飲んでいる姿も見たことがなければ、処置にも携わったことがないのです。

男子学生は、ひたすら新生児の沐浴(入浴)と身体状況の観察をおこなうのです。

力仕事になると男性看護師

患者のなかには寝たきりの人もいます。

そのため、身体の移動や清潔ケアなどを頼まれることもあります。

時には、「男性だから1人でできるでしょう」と思われ、1人で身体的ケアをおこなうこともあります。

また、重い荷物を運んだり、高い位置にある物を下ろしたりするために呼ばれることもあります。

女性看護師からも、「こういうとき、男性いると助かるよね」と言われることもありますが、助かるのは力仕事だけかと思ってしまうこともあります。

いくら力があっても、男性1人だと辛いこともあることは、わかってほしいことではあります。

都合が悪くなると男性看護師

看護をするにあたって、患者とのトラブルも少なくありません。

患者も自分の都合が悪くなったり、入院生活がながくなってきたりすると、わがままになってくる傾向にあります。

そのため、自己中心的な要望も増えてくるのです。

酷いときには、患者から怒鳴られたり文句を言われたりすることもあり、女性看護師では対処が難しくなってくることがあります。

男性看護師だからといって、患者から何も言われないわけではありませんが、男性看護師の方が論理的に話すことができるし、患者が男性であれば、同性同士話すことで理解できることもあるため、トラブルがおきると男性看護師が呼ばれることも少なくありません。

イベントではいじられ役

病院以外でもそうですが、歓送迎会や忘年会、新年会などさまざま行事があります。

そこでは、必ずと行ってよいほど、男性は女装させられたり、無茶ぶりを強要させられたりします。

お願いしている方や見ている人たちは面白いかもしれませんが、決してそういうイベントが好きな人たちだけではありません。

逆に苦痛でしょうがない人もいます。

また、男性は幹事を任されることもあります。

日時や場所決め、人数の把握、金額の設定、景品などを決め盛り上がるように設定します。

終わったと思ったら、また幹事を任されるなど大変なこともあります。

女性の会話に入りづらい

仕事面の話であれば、まだ会話に入りづらいといったことは少なくなりますが、休憩などプライベートな話になると会話に入りづらいとことがあります。

休憩室は、男女兼用になっていることもあるため、そこで休憩を共にしなくてはなりません。

無理に会話に参加する必要はありませんが、会話を振られたときにどう返したらよいか迷ってしまうことも多々あります。

休憩室はコミュニケーションを図り人間関係を築きあげるにも良い場所ではありますが、女性特有の陰口も多くなる場所です。

できれば、そういった会話には参加したくないというのが、男性の本音かもしれません。

聞きたくもない話を聞かなくてはならない

これは休憩室での会話とも被りますが、女性は男性と比べ陰口が多い傾向にあります。

そこからの情報収集で、今後の業務や指導方法を考えたり参考にしたりすることもありますが、

どちらかというと、批判するような内容の方が多いのではないかと思います。

男性が一番困るのが「どう思う?」と聞かれることです。

男性からすれば、「どう思うと言われても」と思ってしまいますが、相手からすれば同意をしてほしいため、返答に困ることがあります。

慣れている男性であれば、「そうなんだ」「初めて知った」など返すことはできますが、慣れていない男性は苦笑いするしかありません。

男性看護師もメンタルが鍛えあげられていく

男性看護師も女性に囲まれて仕事をしていくと、メンタル面でも鍛えあげられてきます。

わたし自身も新人として入職したころ、とにかく女性ばかりで怖いというイメージでした。

とにかくテキパキ動くし、仕事しているときの形相には凄まじいものを感じました。

また口調や態度なども威圧的で、すごい世界に入ってきてしまったなと思ったというのが率直なところです。

看護師の仕事は生命と隣り合わせです。

常に緊張が走り、考えて行動しなくてはなりません。

また患者たその家族、医師、薬剤師などの医療従事者との関わりもあり、楽しいことだけではありません。

男性看護師であるがゆえに辛いこともたくさんありますが、そんな臨床の現場で人と関わっていくうちに、男性もメンタルが強くなっていくのでしょう。

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