夜勤あるある

夜勤あるある

私は、総合病院の外科病棟で働く看護師です。今回は、実際の一緒に働く看護スタッフの声をもとに、医療関係者であれば共感できる「看護師あるある」について、私の体験を通して以下の3つの要点に沿って紹介していきます。

  • 看護師の夜勤
  • 看護師あるあるエピソード
  • 理想の医療現場

看護師の夜勤

私の病院では、救急車の受け入れをしているため、年中無休で昼夜問わず、患者さんが搬送されてきます。入院患者さんもいるため、それに伴って医療スタッフも昼夜問わず、働いております。病院では医師を始めとして、看護師や検査技師、薬剤師などさまざまな職種の医療スタッフが夜勤をして夜の病院を守っています。

病棟には入院患者さんが多くいるため、看護師は、他の職種と比べても、夜勤の回数が多いです。夜勤は、日中と比べるとスタッフの人数が限られており、少ない人数でたくさんの患者さんを看なければいけません。体力勝負なところもあるので大変ですが、不思議な経験をすることもあり、看護師同士で共感できる話題は増えていきます。次の章で、看護師のあるあるエピソードについて紹介していきます。

口にしてはいけないNGワード

医療現場では、なぜか口にしてはいけないNGワードがあります。NGワードというよりは、「あえて口にしないことば」と言った方がいいかもしれません。

それは、「暇」、「落ち着いている」、「安静」のように、その日の夜勤が"普段よりも忙しくない"といった内容のことばです。

具体的に言うと、落ち着いた夜勤の際に、「なんだか今日は落ち着いてるね」と誰かが言ったとします。すると、落ち着いていたことが嘘かと思うほど、その後、荒れてバタバタと忙しくなったりします。処置が必要になったり、急変したり、突然入院が来たり……。

まるで病院の中で誰かが聞いていて、「じゃあ忙しくしてやろうか」と荒らされたかのように慌ただしくなります。本当に不思議なことですが、医療スタッフであれば経験したことのある方も多いと思います。

また、よくあることと言えば、「〇〇さん、元気かな。最近来ないね」などと言っていると、噂していた患者さんが後日、入院してきたりします。言霊というか、引き寄せちゃうんでしょうか。一般的にも噂をすれば、偶然その人が現れたりすることもありますのでこれと似たような感じでしょうか。

急変が続く

不思議と急変や忙しい夜勤が続くときがよくあります。例えば、ナースステーション内では、「最近、私の夜勤、毎回急変対応しています」といったような言葉はよく聞こえてきます。なぜか急変患者が続くときがあったりします。気づけば落ち着いた夜勤に戻ったりするのですが、続くときは続くのです。

人が呼び寄せているのかある一定の時期に集中しているだけなのかもよくわからないのですが、夜間の当直で救急外来が混みがちな医師と、そうでもない医師もいます。前者の医師がいると、なぜだか毎回忙しくなるといった感じです。別にその医師の腕がどうとかそういった意味ではなく、なぜか、忙しいときによく当たる人がいるのです。

早食い

夜勤中は、患者さんが寝静まってから看護師は遅めの夕食を摂ります。患者さんがいつ具合が悪くなるのかわからないので、いつナースコールが鳴るのかわかりません。そのため、ごはんの途中だろうとナースコールが鳴れば患者さんのもとに駆けつけます。

このような生活をしているうちに、自然と看護師は早食いになることが多いです。食べるタイミングを失うと、夕食を食べられず、飲まず食わずで働かなければいけなくなる場合もあるためです。

看護師になる前は経験したこともなかったのですが、食事中に食事を目の前にして食べられなくなったり食事を中断されたりすることは、本当に不愉快です。普通に生活していればこのようなことを経験することもないと思いますが、防衛反応として早食いになってしまうのだと思います。

忙しいときに限って

重症患者がいたり、点滴や処置が重なり、バタバタしているときに限ってなぜかさらにナースコールがあちこちで鳴っていたりします。「体は1つしかないんだからいっぺんに押さないで~」「ちょっと待って~」と看護師は、内心いっぱいいっぱいです。患者さんの前では、落ち着いて何もないような顔をして対応しますが、「次の患者さんも待ってるから早く切り上げたい!」と思っていたりします。

忙しい夜勤に限って、ラウンド時に認知症の患者さんのところへ行くと、点滴の針を自分で抜去してしまっていたり、転倒していたりするので本当にゾッとします。「もう、こんなに忙しいときに勘弁してよ~」と思ってしまいます。

限られた人数で忙しく働いている上にこのような事態になると、ナースステーション内では心の声が駄々もれになってしまいます(笑)忙しかった夜勤の朝方には、疲労で10歳位老けているように感じられる看護師もいます(笑)

仮眠時間

私の働く病院は2交代のため、夜勤はかなり長いです。そのため、仮眠時間に熟睡しなければ、あとあと疲労と眠気で辛くなります。それはわかっているものの、夜勤中は気が張っているため、いざ横になっても、眠れずに仮眠時間が終わってしまうこともあります。眠れなかった分、朝方は本当に眠くて眠くてマスクの中であくびをしながら眠気と戦っているスタッフが多いです。逆に疲れすぎて熟睡してしまうと、仮眠時間が過ぎても起きられず、寝坊するスタッフもたまにいます。夜に働くって本当に大変だな、とつくづく思います。

夜勤明けの解放感

夜勤明けは、疲れや眠気と闘って仕事を終えたことから、解放感がものすごくあります。暗闇の中ライトを照らしながら働いていたせいか、病院を出ると太陽の光がまぶしくてまぶしくて……。スタッフの中には、夜勤を終えたことで逆にアドレナリンが出て、帰宅後も眠れないスタッフもいるようです。「やっと家のベッドで眠れる!」と思うと嬉しくて、逆に眠れないそうです(笑)

また、夜勤が終わった解放感から、ご褒美にと普段よりも豪華な物を食べたり、欲しいものを買ったりと、無駄遣いしがちになるといった声が多く聞かれました。夜勤中は、ホルモンバランスが崩れ、食欲が異常になります。そのため、夜勤明けの暴飲暴食には、本当に注意です。帰宅してあとは寝るだけなのに、食欲に抗わず食べてしまうと大変なことになります。暴飲暴食しないようにと普段、患者さんに注意している看護師がこれでは、患者さんに逆に怒られちゃいますね(笑)

理想の医療現場

最後に、私が考える理想の医療現場についてお伝えします。私の考える理想の医療現場とは、患者さんの重症度や患者数に応じて、必要な数の人材がしっかりと確保できていることです。患者さんの数に対して看護師が不足していると、業務量が多くなり、医療スタッフの負担も大きくなるので、時間に追われてしまい、余裕を持った対応ができなくなります。

そのため、バタバタしている看護師を見て患者さんが気を遣ってしまい、具合が悪いのに我慢してしまったり、遠慮してナースコールを押せなかったりと、お互いに悪循環になってしまいます。夜勤となると、少ない人数なのに業務量も多いですし、看護師の疲労や負担もかなり大きいです。

このような中で、患者さんにとってよりよい医療が提供できるようにするためには、医療スタッフの確保が一番の解決策なのですが、看護師自体が不足している現代では、それも難しいことです。そのため、限られた人数の中で、医療スタッフ同士が協力し合うことが大切であると考えます。個人的なことですが、普段バタバタしている医療現場で働いているので、時間にゆとりのある丁寧な暮らしには本当に憧れます。ぜひ、今後の病院運営の参考にしていただければと思います。今回の記事が、今後のより良い医療に繋がればと思います。

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