開業のメリットを知りたい!どんなメリットがある?

勤務医として働いてきた医師が開業しようと思ったら、メリットについてもデメリットについても一度は考えるでしょう。当然、どちらも把握しておくことが大切ですが、デメリットにばかり気を取られていても仕方ありません。そこで今回は、メリットを中心に、開業について考えてみましょう。
収入アップが見込める
経営がうまくいけば、大幅な収入アップを期待することができます。勤務医と開業医で年収にどのくらいの差があるのかというと、医療法人として開業した場合、平均でも2倍近く変わります。
勤務医の平均年収
開設者 | 医師の平均年収(平均給料+賞与) |
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国立 | 14,319,511円 |
公立 | 15,139,401円 |
公的 | 14,330,453円 |
開業医の平均年収
開設者 | 院長の平均年収(平均給料+賞与) |
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入院診療収益ありの医療法人 | 34,659,368円 |
入院診療収益なしの医療法人 | 27,453,672円 |
参照:厚生労働省「第22回医療経済実態調査の報告(令和元年実施)」p.267、p.271 より一部抜粋
もちろん、これは平均の値であって、100%うまくいくということはありませんし、絶対に収入ダウンしない方法はありませんが、努力すればした分だけ収入が増える可能性は高いです。しかし、闇雲にがんばるのでは効率が悪すぎます。開業前には立地などの条件を多方面から考察すると同時に、専門家や先輩開業医に意見を聞くといいでしょう。金融機関から借入したいと考えているなら、しっかりとした事業計画書の提出が必須なので、事業計画書を作りながら考察を重ねていくのも一手。また、確実な集患につながる宣伝方法などについても、インターネット上の記事などを参考にしながら考えてみましょう。
診療時間や休日を自由に設定できる
ワークライフバランスを保ちやすいのも、開業医になることで得られるメリットです。家族と休みを合わせるために平日に休診日を設けることもできますし、無床診療所なら当直やオンコールもないため、心身をゆっくり休める時間を持つこともできるでしょう。
交際費などを経費として計上できる
クリニックの運営に関わる費用は、経費として計上できるので節税につなげられます。医院内の飲み会やお中元、お歳暮はもちろん、クリニック内で使っているテレビなどの家電製品、業務でも使う自動車なども経費として計上することができます。ただし、経費とプライベートの支出をきちんと区別しておくことが大切。税務署が調査にきたとき、きちんと証拠を提出して説明できるようにしておきましょう。
医療法人化すれば家族に給与や報酬を支払える
クリニックを医療法人化した場合、院長は法人から給与を受け取る形を取ることになります。また、家族を従業員として雇っていれば、その家族に役員報酬や給与を支給することが節税対策になります。なぜかというと、報酬にかかる税金は所得税であるため、たとえば一家で3,000万円必要だとすると、ひとりに3,000万円支払うより、1,500万円ずつ支払ったほうが、個々の所得金額が下がる分、所得税率が下がるからです。
事業展開できる
同じく医療法人化した場合のメリットですが、分院を設立したりデイケア施設を持ったりと事業展開することも可能になります。
理想の医療を追求できる
勤務医時代、病院の方針が自分の考えとは違ったとしても、病院の方針に従わなければならずモヤモヤしたという経験がある人もいるかもしれません。しかし、開業医となれば、自分の理想の医療を追求することができます。そのためには資金や知識も必要な場合もあるので、すぐに100%実現は難しいかもしれませんが、改良を重ねながらよりよい医療の提供を目指していくことには大きなやりがいを感じられるでしょう。
地域医療に貢献できる
開業医になれば、地域の小学校や中学校の健康診断医として仕事をすることもあります。また、小さい子どもから年配の方までの健康を支える役割を担うことになるので、大きなやりがいを感じるという人も多いでしょう。
開業するなら医療法人化を視野に入れるもよし!
冒頭の平均年収比較などでも記した通り、開業医としてクリニックを開くなら、医療法人化することもできます。医療法人化は必ずしもしなくてはいけないというわけではないので、これに関しても、メリットデメリットを見比べながら、自院にとって最適な選択ができるといいですね。