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薬局薬剤師から好かれる医師、嫌われる医師

薬局薬剤師から好かれる医師、嫌われる医師

薬局薬剤師から好かれる医師、嫌われる医師

私は薬局薬剤師です。薬剤師として、つまり薬局側の視点で様々な病院やクリニック、そして医師や看護師などの医療従事者と接してきました。たくさんの医師と接したなかで気づいたことですが、薬局薬剤師から好かれる医師は総じて患者さんからも好かれています。つまり人気の医師ということです。特に開業後は、当然ながら院長がクリニックの顔となりますので、好かれるか嫌われるかは来院患者数に大きく影響します。

それを踏まえて、薬局薬剤師から好かれる医師、嫌われる医師の特徴を3つご紹介したいと思います。

好かれる医師の特徴

1.話ができる医師

「話ができる医師」とはどんな医師?と思うかもしれませんが、おそらく薬局薬剤師には通じる言葉だと思います。実は読んで字のごとく、薬局薬剤師の言葉を聞いて話をできるかどうかです。至極簡単なことのように感じるのではないでしょうか。しかし、この簡単なことが出来ない医師を私は何十人も見てきました。薬剤師からの意見や提案などに全く耳を傾けない医師や、疑義照会1つでも怒りの感情を出す医師などもいました。もちろん、病院の勤務医、クリニックで開業された医師も多忙な中で対応することは大変だとは承知の上です。しかし、そんななかでもしっかりと話を聞いて、それに対応して話が出来る医師は薬局薬剤師から好かれます。患者さんからも好かれます。

薬局薬剤師だからこそ言えますが、薬剤師にも至らない点が多数あると思います。過剰に医師に対して気を遣ったりする、いわゆる「薬局あるある」のような風潮があるからです。医師、薬剤師のコミュニケーションがしっかりとれてこその連携ですし、患者さんに質の高い医療を届けるためには必須だと考えております。

反対に、「話ができない医師」は嫌われます。薬局薬剤師はもちろんですが、実はクリニックのスタッフやメーカーのMR、問屋のMS、医療機器メーカーなどから嫌われてしまいます。それは一番大切な「患者さん」に嫌われてしまうのと同義なのです。患者さんのためにも「話せる医師」を心がけていただきたいと思います。

2.頼ってくれる医師

薬局薬剤師にとって職能発揮は「保険調剤」に伴う業務になります。だからこそ薬のことに関して何でも相談してほしいのです。例えば、何らかの疾患で治療中の患者さんがいて血液検査の数値などで悪化が見られた場合、逆に数値が改善し来た場合などです。

  • 薬の変更を考える
  • 薬の追加を考える
  • 薬の増量を考える

など処方薬を変更しようかどうかで医師が考えるケースは日常業務で往々にしてあると考えられます。その中で特に専門の領域でない場合や急性の疾患や外用薬などでも処方をどうしようか悩まれるケースはあるのではないかと思います。そんなときは薬局薬剤師を頼ってください。薬の増量や減量に関しても用法含めて適切な量をご提案することは可能ですし、内服薬であれば剤形、外用であれば使い方なども含めて理解しているので、内服薬の用法用量、外用薬の使用回数なども頼っていただければ薬剤師は即座に対応することができます。もちろん、処方薬を決めるのは医師です。しかし、そのサポートは薬局薬剤師でも可能です。薬局薬剤師を上手く活用してください。

薬局薬剤師は医師に頼られると嬉しい

もしかすると、「薬局薬剤師に頼って迷惑なのでは?」

と思っている優しい医師の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、薬局薬剤師にとっては、処方設計に携わることが出来るのは職能発揮の素晴らしい機会なのです。だからこそ遠慮なく頼っていただきたいと思います。むしろそれが嬉しいことだからです。「頼ってくれている」という認識を薬局薬剤師が得られた瞬間に、「好かれる医師」に近づいていると感じます。

3.コミュニケーションが取れる医師

医師も薬剤師も人間ですので、日々の業務連絡だけではなかなか密な連携をとることは難しいです。日々のコミュニケーションの積み重ねが信頼を生み、業務のうえでの円滑な連携をとっていくことができると考えています。これは、医師と薬剤師が双方に意識的におこなわないと最初は難しいことかもしれません。普段の業務中の連絡はどうしても電話口である場合が多く、医師、薬剤師ともに多忙なので、簡潔に業務連絡をおこなう必要があります。そこで雑談などは当然できません。だからこそ、業務の合間、朝や昼や業務終了後に時間を作り、話をすることが大切だと感じます。

定期的に合同で勉強会などをおこなっているのであれば、そのときでも良いでしょう。話の内容は出来るだけ業務と遠い話がいいでしょう。最近のニュースについてでも良いですし、休日の話でも何でも良いです。そこで付随して自然に患者さんの話などが出来ればそれでも良いと思います。

コミュニケーションは1日にしてならず

こんな雑談、他愛もない話こそがコミュニケーションです。毎日おこなうと自然と「他人」が「身内」に変わってきます。こんな日々の積み重ねが、コミュニケーションがとれるかどうかの要になります。1つずつは難しいことではないですが、これを続けていくことは意外と難しいことなのです。そして、コミュニケーションが取れることによって、医師、薬剤師の連携がスムーズになり、より円滑な業務へと繋がると思います。

お互いに「処方箋」という紙1枚でのやりとり以上の「連携」を感じ、満足度の高い医療を届けられるはずです。当然ですが、信頼度が増して満足度が上がるということは「好かれる医師」の誕生と同義です。

コミュニケーションが取れないと嫌われる

「コミュニケーションが取れない医師」は「嫌われる医師」となってしまいます。コミュニケーションが取れないと業務が円滑に進まない場合があります。ここで影響を受けるのは、医師でも薬剤師でもなく「患者さん」です。つまり、患者さんの満足度が低くなってしまうので、回りまわってクリニックと薬局双方にとって影響が出てしまうのです。

実は、クリニックと薬局の連携、つまり医師と薬剤師の円滑なコミュニケーションは、患者さんに非常にメリットを与えます。細かなことではありますが、クリニックと薬局で言っていることが違ったりすると患者さんは敏感に察します。逆に、相違がないと安心できるのです。

また、医師に言いづらいことを薬局で話してくれる患者さんは、恐らく医師が考えるよりもずっと多いのではないかと思います。そのフィードバックも大変重要です。日ごろのコミュニケーションの大切さが、こういったときに物をいうのです。

最後に

「好かれる医師」の特徴を3つ紹介しました。1つひとつは難しいことでなく、特別な技術が必要なことでもありません。しかし、忙しい業務の傍ら、継続しておこなうことは容易くはありません。日々の積み重ねが自分自身を変え、周りの目を変えていくのです。勤務医の方でも、開業されている院長でも、明日からでも始められることです。是非「好かれる医師」になっていただきたいと思います。

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