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医師と看護師の良好な人間関係の築き方とは?

医師と看護師の良好な人間関係の築き方とは?

医師と看護師の良好な人間関係の築き方とは?

医師・看護師のみなさんの職場での人間関係は良好でしょうか? 過去に人間関係で悩んだ経験はありますでしょうか? 私は看護師として働く中で一番悩んだのは医師との人間関係でした。医療現場で働くなら、医師との人間関係が良好であるにこしたことはありません。患者のことについての相談、薬の相談、その他にも医師にしかジャッジできないことなどがさまざまにあることから、医師と良好な関係を築くことは医療現場で働く上で非常に重要です。ここでは、私が医師との関係について悩んだことや、良い関係の築き方、さらに、関係が悪くなる原因などもご紹介していきたいと思います。

医師と看護師って仲が良いの?

とても仲が良い医療機関もあれば悪いところもあります。私の印象では、半々といったところでしょうか。私が働いていた病棟は、比較的医師と看護師の距離が近く人間関係も良好でしたので、その当時のことをご紹介します。

新しい環境で心細い中…

私は新年度より別の病棟に移動が決定した私。今までとは全く違った科ということもありとてもこころ細かく思っていたところ、ある医師に出会いました。新しい病棟の看護師は40~50代と比較的年齢層が高め。いろんなところで経験を積んできた大先輩ばかりでした。私はその病院で働き始めて3年目と日が浅かったことから、日々、先輩方にいろんなことを教わっていました。そんなある日、受け持ち患者のAさんの様子が変であることに気づき、主治医Bに連絡しようか迷っていました。迷っていた理由は、相談した結果、無下にされている同期の姿を目撃してしまったからです。その同期は、とても意欲的で仕事熱心。彼女は患者の少しの変化にもすぐに気づき、気になることがあるとすぐ医師に相談していました。ですが、相談された医師は彼女に向かって「また君か。少しは自分で考えて行動できるようにならないといつまでたっても成長しないよ」と言っていたのです。ですが、彼女は落ち込むどころかさらにやる気を出し、それ以来、医師からも一目置かれるようにまで成長していましたが、私は彼女のように医師から突き返されるのが怖く、そのときもギリギリまで連絡しようか迷っていたのです。そうこうしているうちに時間はどんどん経過して夜勤の看護師が出勤。申送りの時間が迫っていました。もし夜間帯に容態が急変したら大変だという思いが強かったので、とりあえず先輩に経緯を説明して、医師に連絡すべきか相談することにしました。すると先輩からは、「連絡してもいいと思うけどB先生はあまり病棟にも来ないし来てもすぐ帰っちゃうからあまり意味ないかも。C先生の方がすぐ対応してくれるし良い先生だよ!」と言われました。病棟でBの評判が悪いことは薄々気づいていましたが、何も別の医師まで紹介しなくても……と正直思いました。私は、先輩のアドバイスも一応受け止めたものの、結果的にBに連絡することにしました。

評判とは大違い

私「Aさんが今日の朝食から2割程度しか召し上がらず、ここ数日排便もありません。薬も拒否していて何か指示をいただけないでしょうか」B「そのようなことは今まで何度かありますか?」私「カルテ上ありません。ご本人はよくあると言っていましたが、認知症もあるため本当かどうか判断が難しい状態です」B「わかりました。今から行きます」前述したように、同期の件もあり恐る恐る連絡しましたが丁寧な受け答え。そして、今すぐ病棟に向かうと言ってくれたBに対して、評判とは正反対の印象を受けました。Bを待っている間に、Aはベッドの上で嘔吐していました。そのとき、「早めにBに連絡してよかった。今から連絡しても夜勤の看護師も混乱し大変なことになっていた」と思い、再度勇気を出して連絡してよかったと思いました。15分後、Bが到着してすぐにAのところに向かいました。嘔吐して意識も朦朧としているAを見て、すぐに看護師にさまざまな指示を下して処置したところ、ようやくAは落ち着きを取り戻しました。

看護師の思いを理解してくれていた

なぜ私がそこまで過敏にAの容態をBに連絡しようとしたかというと、私はAには逆流性食道炎の病歴あることを事前に認識していたためです。もしかしたら関係しているのではないかと思ったのです。ですが、そのことをBには何も伝えていなかったにも関わらず、「Aさんの病歴をきちんと確認して連絡をしてくれたおかげで早めに対処することができたよ、ありがとう」と言われました。それまで、Bに対しての周囲の噂や評判ばかりを信じ、勝手に敬遠していたことがとても恥ずかしくなりました。同時に、私自身がそれまで持っていた医師のイメージとは異なり、こんなにも看護師の思いを理解してくれる医師がいることに嬉しさを感じました。そのことがきっかけで、Bは病棟でも人気者になり、なにかあるとみんなBに相談するようになりました。Bのことをあまりよく思っていなかった先輩たちも、私と同様、噂や評判でしかBのことを知らなかったため「噂とかイメージだけで判断したらだめね」と反省している様子でした。医師はどちらかというと敬遠されがちなところがあることから、噂や偏見、イメージをもとに距離を置きがちですが、非常にもったいないということを感じました。私のように何気ないことでも勇気を出して相談などすることで。医師とより良い人間関係をはぐくむことができることも実感しました。

医師との良い関係の築き方

私や周りの看護師が抱いている、医師のイメージをいくつかご紹介しますと、

  • 忙しそう
  • 話しかけづらい
  • 話しかけてもそっけない態度をされそう
  • 怖いこのようなイメージを医師に抱いている

ことが多かったです。実際に医師からそのような態度を取られたことがある人ももちろんいますが、中には、私のように噂や偏見だけで上記のような印象を持ち、医師と良い人間関係を築けず悩んでいる人もいます。

何気ないことでも勇気をもってコミュニケーションをとる

実際、「もっと看護師とコミュニケーションを取りたいけど、どこかみんな他人行儀や怖がられていて壁を感じる」と医師が話しているのを聞いたこともあります。このことからも、看護師の方からも「お疲れ様です」などの挨拶や、もっと親しい関係になったら「先生いつもお忙しそうですね。お休みとかあるんですか?」など仕事以外の話などすることで、医師との距離が近くなりより良い人間関係を築くことができると感じました。反対に、医師の方から話しかけてくださることもあります。私が看護師になりたてのころ、怖いと噂の医師が気さくに話しかけてきてくれたことがありましたが、後になって、なぜ私のような新人に話しかけて下さったのか聞いたところ、「新人の君との会話は仕事の話が無くとても新鮮で良い息抜きになっていたからだよ」とおっしゃっていました。その医師のように、たまには仕事以外の何気ないことを話すことが息抜きになっている医師もいることから、看護師のほうから勇気をもってコミュニケーションを取ってみることをおすすめします。

明るい雰囲気の病棟であること

これは個人の力でどうにかできる問題ではありませんが、1人ひとりが意識的に取り組むことで、少しずつ良い方向へと変化していくことができる問題でもあります。これも私が過去に働いていた病棟であった出来事ですが、そこの病棟は人員不足で日々目まぐるしい業務に追われ、残業は当たり前といった状態でみんな表情も暗くへとへとでした。ストレスでいっぱいのときに、医師から強引な指示や急な指示変更などがあると、医師と看護師はしょっちゅうぶつかっていました。病棟の空気は悪く、医師が病棟に来ても挨拶はするものの「今度はどんな指示をされるのか」「今日も残業になるのか」などが頭によぎるため、ピリピリした雰囲気で誰も医師に話しかける人はいませんでした。しかし、次に配属された病棟は、前の病棟同様人員不足でしたが先輩看護師も後輩看護師に「何か手伝えることある?」など自分から問いかけ、いかに残業をせずみんな定時で終えられるかを考えている病棟でした。その病棟にいらっしゃる医師もとても明るく、何か指示があるときでも、「明日〇〇があるんだけど大丈夫かな? 忙しいところごめんね」というように看護師に寄り添う方ばかり。医師と看護師の人間関係の良さを感じました。医療現場は慢性的な人手不足でギスギスしがちですが、1人ひとりが意識的に協力することや笑顔でいることで雰囲気は良い方向に変わるので、ぜひ取り組んでいただきたいです。

患者さんから信頼される看護師

医師との人間関係でどうして患者がでてくるの? と思う方がいらっしゃると思いますが、患者さんは意外と、看護師がどのように接しているかを医師に話すことが多いのです。その中で「〇〇さんにはいつもよくしてもらっています」など患者さんから信頼されている看護師がいると、医師もその看護師を信頼して、その後の業務を任せやすいといった傾向があります。

よい人間関係を築けない人にありがちな言動

続いては、医師と看護師の関係性を悪くする、お互いの言動をご紹介します。

唐突に自分の意見ばかり言う看護師

医師と看護師とは立場は違えど、患者を救おうという目的は同じです。医師と看護師が常に協力して良い関係を築いておくことは、患者を救う上でも重要です。医療現場はそういった場であるのに、医師に対して自分の意見ばかり言う看護師が意外と多いのです。一分一秒を争うこともある現場だからこそ、やってしまうのかもしれませんが、自分の意見ばかりで相手の話を聞こうとしない人と、今後一緒に仕事をしていけると思える人は少ないのではないでしょうか。医療現場に限らず、よい人間関係を構築したいなら、自分の意見ばかり言うことは絶対にやってはいけません。

常にネガティブ

いますよね。どんな意見にも「でも」や「だって」と言う人。このような人は、危機管理をしすぎるあまりに常に最悪の状況を考える傾向があります。ですが、少しでも多くの命を救おうとみんなが奮起している中では特に、このようなネガティブな意見ばかり言う人は、良い人間関係を築くことは難しいです。実際にそのような医師に出会ったことがありますが、「じゃあどうしたいの? 助けたくないの?」とみんなが思い、次第にその医師に相談する人も減り、人間関係を築けていないどころか信用すらされていませんでした。危機的状況だからこそ、前向きな意見や姿勢でいることで、医師や看護師から信頼や評価を得られて、良い人間関係を築くことに繋がっていきます。

まとめ

慣れない新しい環境の場合は噂や評判を信じやすいのが人間です。ですが、少しの勇気で医師と良い関係を構築しておくと、信ぴょう性のない噂を周囲が信じてしまうこともなく、その後の仕事のやりやすさが格段に違ってきます。これは看護師として働く上で強みにもなりますので、ぜひ実践していただきたいと思います。

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