クリニック内覧会とは?どんなことをすればいいの?
マンションやお店の新規オープン時同様、医院開業時にも内覧会が実施される場合があることはご存知ですか? 内覧会は、「必ずおこなわなくてはいけない」というものではありませんが、おこなうメリットはたくさんあります。では、どんなメリットがあるのでしょうか? また、そもそも内覧会を開催する目的とは? 早速みていきましょう。
どうしてクリニックの内覧会を開催するの?
クリニックの新規オープン時に内覧会を開催する目的は、その地域の人たちにクリニックの設備やスタッフ、またクリニックの存在そのものを知ってもらうことです。昨今、医療機関の広告には制限があるため、広告によって自院の強みを十分にPRすることは困難です。しかし内覧会であれば、訪れてくれた人一人ひとりに直接アピールすることが可能。診療方針などを詳しく説明することもできますし、患者さんからしても、日ごろ医療に関して気になっていることを直接質問できるチャンスなので、丁寧に受け答えすることで、「信頼できるクリニック」と思ってもらえます。
また、なによりも一番のターゲットとなる地域住民にPRできるのが大きな魅力。院長やスタッフがどんな人かを知っておいてもらえば、患者さんからすると、いざ風邪を引いたときなどにも見知った顔の相手に診てもらえるということで安心できるでしょう。効果的な集患のためにもぜひ実施しておきたいものです。
内覧会準備、内覧会当日はどんなことをすればいいの?
では続いて、具体的にどんなことをするのかをみていきましょう。まずは、開催日より前に準備すべきことを説明します。
開催日前
1.多くの人に足を運んでもらえる日時を考える
内覧会は、ひとりでも多くの人に来てもらえる日時に設定しましょう。もっとも一般的なのは、開業日直前の週末です。時間帯としては、10時から16時あたりが理想的でしょう。開業日直前の週末が祝日で三連休などになっている場合は、在宅している可能性が高い、連休後半に設定するのがおすすめです。
2.どんなことをPRしたいかを考えて、チラシ作成に取り掛かる
内覧会の日時が決まったら、内覧会日時およびクリニックの特徴などを簡潔にまとめたチラシを作ります。せっかく内覧会を開催しても、内覧会が開催されることが知られていなければ訪れてくれる人がいないためです。チラシには、来場者目線になって「行ってみたい」と思ってもらえる内容を記すことも大切ですし、他のチラシと一緒にまとめて捨てられないよう、目をひくデザインにすることも大事です。
3.新聞折り込みやポスティングでお知らせする
チラシを印刷し終わったら、新聞折り込みやポスティングなどを活用して、地域住民に届けます。その際、広範囲に闇雲に配るのではなく、配布エリアを絞ってコストを抑えることも考えるといいでしょう。
続いては、開催日当日にどんなことをするのかを説明します。
開催当日
1.開始1時間前には集合して、各スタッフの役割を再度確認する
開始時間の1時間前までにスタッフ全員に集合してもらい、今一度当日のそれぞれの役割を確認しましょう。
2.建物の外にポスターを貼るなどして来場者を迎える準備をする
建物の外にポスターを貼ったり、受付に芳名帳や来場者プレゼントなどを準備したり、当日やるべきことは意外とあります。天気によっては、マットや傘立て、傘袋などを準備することも必要です。
3.清掃する
「オープン前のクリニックだから清掃しなくてもキレイに決まっている!」と考えるかもしれませんが、小さなホコリなどは一日掃除しないだけでも存在するもの。隅々までキレイにしておくことで、「清潔感があるクリニック」と思ってもらえます。
4.来場者にチラシやノベルティを配る
開催時間になったら、来場者を笑顔で迎えます。受付で芳名帳に名前を記入してもらったら、チラシやノベルティを配布。院内を案内しながら、自院が提供する医療などについて説明します。来場者から質問があったら、丁寧に受け答えしましょう。
内覧会を成功させるために必要なことはどんなこと?
せっかく内覧会を開催するなら、最大限集患につなげたいですよね。そこで次に、内覧会を成功させるために意識したいポイントを考察していきましょう。
1.地域住民が来場しやすい日時に設定する
まず大切なことは、開催前に必要な準備として説明した通り、地域住民が来場しやすい日時に設定すること。内覧会を開催しても、地域住民に足を運んでもらわないことには、自院のよさを知ってもらうことができません。ひとりでも多くの来場者を迎えられるよう、ベストな曜日および時間帯に設定しましょう。
2.徹底的に清潔にする
こちらも、開催前に必要な準備として説明した通り。人の出入りによってホコリが舞いやすいエントランスやトイレなどは、オープン前はもちろん、昼休憩などにも一度チェックして再度掃除するといいでしょう。
3.内覧会の目的をみんなで共有する
内覧会開催日を考えることと並行しておこないたいのが、内覧会の目的をスタッフみんなで共有すること。「うちのクリニックはこんないいところがあるから、それを伝えられる内覧会にしましょう」という意識を共有することができれば、来場者がクリニックに抱く印象もぐっとよくなるはず。「スタッフの人柄のよさを伝えたい」「地域の人たちの役に立ちたいと思っていることを伝えたい」などの目的が明確になれば、そのためにどんな工夫をすればいいかもみえてくるものです。
4.治療や機器などといった自院の強みを今一度考え、説明できるようにしておく
地域の他のクリニックと比べて秀でていることに関しては特に、来場者にもしっかり伝えたいところ。「最先端の医療機器がある」「院長はこれまでにこんな治療に力を入れてきた」など、スタッフ一人ひとりが説明できるようにしておきましょう。
5.来場者に「何かあったときにはお世話になりたい」と思ってもらえるような言動を心がける
来場者一人ひとりに丁寧に接することはもちろん、「ネガティブな印象を与える言動は絶対におこなわない」のも大切なこと。たとえ来場者が少なく暇を持て余していたとしても、スタッフ同士での私語は控えるなどは基本中の基本です。また、「困ったことがあればいつでも連絡してきてくださいね」などの声かけでも、来場者に好印象を与えられるでしょう。
6.当日は、来場者、地域住民のニーズを知ることができる機会だということを念頭に置いておく
内覧会開催当日は、地域住民をはじめとする潜在的顧客のニーズを知ることができる絶好のチャンス。そのことを念頭に置いたうえで来場者と積極的にコミュニケーションを図り、今後の治療方針などにも反映させることを意識すれば、内覧会を開催する意味が何杯にも膨れ上がることでしょう。
内覧会は、スタッフと自院の理念を共有できるチャンスでもある
冒頭に記した通り、内覧会の開催は必須ではありません。なかには、「面倒くさいから開催しなくていいや」と思う人もいるでしょう。しかし、いざ開催してみると、思ってもみなかった地域住民のニーズに気づくことができたり、来場者の一言によって自院に足りない部分に気づかされたりすることもあるかもしれません。また、内覧会開催に向けてスタッフが一致団結することで、スタッフの絆が強くなるということも考えられます。実際に開催するかしないは置いておいて、「開催するとしたらどんな内覧会にしたいか?」を紙に書き出してみることでも、見えてくることがあるかもしれませんね。