守ってほしい受付時間

守ってほしい受付時間

受付時間を守らない患者さんは、非常に多くいらっしゃいます。クリニックに勤務されている方なら、「あるある」と頷けるのではないでしょうか。受付時間を過ぎてからの診察を受ける/受けないについてはクリニックに側に委ねられます。この判断は、何度経験しても難しいことのひとつでもあります。

受付終了時間はクリニックによってさまざまですが、多いのは、診療時間の30分前に受付を終了されるところです。当クリニックも、診療時間の30分前に受付を終了します。その際、入り口に受付終了を知らせる看板をかけます。看板を見ているのか否か、時間外だとしても院内に入って来られる患者さんはいらっしゃいます。多いときには、1日で3人くらいいたこともありました。

たとえ1人だとしても、足を運んでいただいた患者さんへ受付をお断りすることは心苦しく思います。完全予約制ならこうした問題はありませんが、急患を受け入れるクリニックがほとんどではないでしょうか。医療事務の私としましては、受付時間はできる限り守ってほしいです。ただ、それは受付サイドの意見でしかなく、医者や患者さんの立場に立つことで、思いも変わってくると推測します。

今回は、受付時間を過ぎてから来院される患者さんについて、院長・患者さん・医療事務の目線で見てみようと思います。それを踏まえた上で、クリニックの運営をより円滑にするためにはどうしたらいいのか?  私の主観にはなりますが、それぞれの気持ちを汲み、クリニック内でルール化することが、問題の解消へと繋がるのではないかと考えます。

院長の考え

クリニックにおいて経営者でもあり、医師でもある、院長。自身が目指す医療を提供することが、クリニックを開業される理由のひとつではないでしょうか。

私の経験上でのお話にはなりますが、院長の考えとして、一人でも多くの患者さんを診察してあげたい気持ちが強いかと思います。せっかく来院された患者さんを無下にはできないと考える院長の意見は多く見受けられる印象です。

当クリニックの院長としましても、診察を待たれる患者さんが他にもいるうちは、受けてもいいのではないかという考えだと思います。

そうした認識のもと、診察中の院長に判断を仰ぐことは妨げになるため、できるだけ医療事務や外回りであるフリーの看護師が対応します。

患者さんの考え

当たり前ですが、わざと受付時間を過ぎる患者さんはひとりといません。

  • 仕事が終わらなかった
  • 道が混んでいた
  • 道に迷った
  • 急な体調の変化
  • 受付時間の勘違い

これらの理由から、受付時間に間に合わない患者さんは多い印象です。患者さんとしましては、せっかく来たのだからひとりくらいいいのではないか。それも1分過ぎただけなら、見逃してほしい。そういった気持ちもあるのかもしれません。

私自身が患者として体験したエピソード

私自身、他院のクリニックに受付時間を過ぎて来院したことがあります。理由は、受付時間を勘違いしていたためです。それでも受付時間を1分過ぎたか、過ぎてないか程度でした。

「本日の受付時間は終了しました」。受付にて、事務の方に言われました。同業者として恥ずかしながら食い下がりました。

「来週まで来られないため、何とか診察してもらえませんか?」と。受付の方は顔色を変えずに答えました。「緊急事以外はお断りさせてもらっています」。ピシャリと言われてしまいました。私にとっては緊急を要します! という言葉は飲み込み、肩を落として帰宅しました。体調が悪いうえに冷たい対応を受けると、自分が悪いとわかりつつも悲しくなります。

ただ、同じ医療従事者として気持ちはわかることは確かです。受付を1分過ぎただけであろうと、ひとりの患者さんを診ることで、10分20分、もしくはそれ以上に診察や検査に時間がかかる場合もあるからです。一般企業で就業時間を過ぎてから仕事を頼まれることと似ているかもしれませんね。

医療事務の考え

受付の対応業務を担う医療事務。私としましては、冒頭で説明した通り、受付時間は守ってほしいという考えです。受付時間を過ぎて来院される患者さんは、「薬がほしいだけ」や「検査結果を聞きたいだけ」とおっしゃることもあります。それでも、状況に応じてですが、お断りさせてもらうことがほとんどです。その理由として

  • 受付時間内に入られた、他の患者さんに示しがつかない
  • 時間を守らない方は、次回も遅れてくる傾向が高い
  • 毎回そのように受けていては、キリがない

大まかにですが、このように考えています。以前にピシャリと断られたクリニックについては、その後から受付時間をしっかり把握してかかるようになりました。それぞれのクリニックに独自の方針はあるかと思いますが、ルールに基づくことで、メリハリがつくと考えられます。しかし、患者さん全員が理解を示してくれるわけではありません。

知人が医療事務として体験したエピソード

私の知人が、受付時間を過ぎた患者さんへの対応においてトラブルに逢ったことがあります。その日は、通常より早めに診療が終わり、レジを締めていました。そのとき、一人の患者さんが、受付時間を過ぎて来院されたそうです。「本日は終了しました」とお断りしたのですが、患者さんは食い下がってきたようです。普段からストレートな口調の知人ですが、そのときはさらに強めに断ったとのことです。その後、クリニックの院長あてに、その患者さんからクレームが入りました。詳しい内容は分かりませんが、「あんな言い方をされる覚えはない。受付の対応はどうなっているんだ」とだいぶおかんむりだったようです。知人は、「強い口調で断らないと、納得してくれないと思った」と反省しながらも言っていました。私だったらクレームは入れないにしても、私も患者の気持ちがわかります。ただしもちろん、医療事務の気持ちもわかります。私も納得いただけない際は、つい口調が強めになってしまうことがあります。しかし、いくら正しい主張をしたとしても、言い方ひとつでトラブルをまねきかねないと痛感しました。

円滑にクリニックをまわすためにも

円滑にクリニックをまわすには、患者さんの考えを汲むことも必要になると考えます。そして一人ひとりの患者さんを大事にしたいと考える、院長の気持ちも尊重しています。そのため、止むを得ない事情があって遅れることや、緊急を要する場合などは、患者さんの気持ちに寄り添って対応しています。お断りする場合には丁重にお詫びすることを心がけています。それでも、ごねる患者さんもなかにはいらっしゃいます。そういった場合、トラブルになりかねるため、食い下がる患者さんに対しては看護師からお断りするようにお願いしています。私の見解にはなりますが、医療事務の立場で説得するより、看護師からの一言で納得していただけることの方が多いのです。それぞれのクリニックにおいて、そのクリニックに合うルールが必要になるかと思います。受付時間を過ぎてからの診察を受けるか受けないかは、きちんとルール化することが、問題を改善する近道なのかもしれません。そして、ルールがあることで、スタッフの心持ちも変わるのではないかと想像します。そのなかで、ときに人として臨機応変に対応することも必要かと思います。曖昧になりがちな受付時間のルールですが、なるべく患者さんにも理解していただきたい課題でもあります。まずはスタッフ全体で意見をまとめ、患者さんに理解を示し、お互いの気持ちに寄り添うことで円滑にクリニックの業務をまわせるのではないかと考えます。

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