クリニックの院内サインにはこだわったほうがいい?
クリニック開業時には、内装や外観でも理想を追求していきたいと考えるものですが、院内サインにまでこだわるドクターは少ないかもしれません。しかし、院内サインもクリニックのイメージを構築する大切な要素のひとつ。デザインを工夫するだけで、より自院らしさを演出できることもあるかもしれません。そこで今回は、クリニックの院内サインについて考えてみましょう。
院内サインとは?
クリニックの院内サインとは、院内に設置する案内標識を、一目で用途や目的がわかるサインのようにデザインしたものです。多くは、視覚記号のひとつであるピクトグラムなどを組み合わせることで、視覚を通してイメージしやすいようデザインされています。また、誰にとっても見えやすいものであるよう、大きな文字であること認識しやすい色であることも重要です。
よく使われるのはどんな院内サイン?
ピクトグラムで表される院内サインとしては、トイレ(男性用・女性用・ユニバーサル)、エレベーター、進行方向の矢印、妊婦(妊娠の可能性がある人含む)などが挙げられます。
そのほか、病床ありの医療施設であれば、医療介護支援ピクトグラムとして、「補聴器」「(入院職に)トロミ必要」「食事用チェック」「サージカルマスク」「経管栄養」などを展開しているところもあるので、興味のある人は、最近はどんなピクトグラムがあるのかを調べてみてもいいかもしれません。
なぜ院内サインにこだわるのがいいの?
冒頭で説明した通り、院内サインを工夫することは自院らしさを追求することにつながります。言い換えると、「どんなクリニックを目指しているのか」「どんな医療を提供して、どんなふうに患者の役に立ちたいか」を視覚化していくということです。もちろん、院内サインにこだわるだけで理想のクリニックに近づけるというわけではなく、想いを込めたからといってその想いがストレートに患者に伝わるとは限りません。しかし、院内サインひとつに対しても妥協することなくこだわる心構えがある人は、理想を現実化できる可能性が高いといえるでしょう。「自分は医療そのものにこだわりたいから、それ以外のことはなんでもいい」という考え方も間違いではありませんが、プロに任せるにしても、「こういうクリニックにしたいから、それが伝わる院内サインにしてほしい」などと伝えられるといいかもしれません。
院内サインを自院で用意することは可能?
院内サインをプロに頼んでお金をかけることは避けたいのであれば、フリー素材を上手に活用することで、自院で案内標識を作るといいでしょう。「フリー素材」とは、無料でダウンロードして使える素材のこと。インターネット上にはいくつかフリー素材サイトがあるので、イメージに合うものを探してみるといいでしょう。よく使われている素材サイトとしては以下のようなものがあります。
illust AC(イラストAC)
カテゴリメニューから「医療・福祉」カテゴリを選択すると、さまざまなイラストレーターから投稿された「医療・福祉」関連のフリーイラスト素材10万点弱が表示されます。テイストが同じ素材を一回でダウンロードできる「アイコンセット」も豊富なのでダウンロードも楽。感染対策が万全であることを伝えるイラストなどもたくさんあります。
SILHOUETTE ILLUST
もっともシンプルで使いやすいモノトーンのピクトグラムがそろっているサイトです。「医療・健康」カテゴリには「感染クラスターのシルエット」「部屋の換気のシルエット」などコロナ禍に役立ちそうなものも豊富に用意されています。
ICOOON MONO
洗練されたデザインのアイコンが豊富にそろっています。「健康・医療カテゴリ」には花粉症アイコンや松葉づえアイコンなども置かれているので、イメージに近いものが見つかりやすいでしょう。
silhouette AC(シルエットAC)
先に紹介したイラストACの姉妹サイト「シルエットAC」のなかにも、ピクトグラム素材の用意があります。
看護roo!(カンゴルー)看護師イラスト集
医療系に特化したフリー素材集のため、使える素材が豊富にそろっています。かわいいイラストが中心のため、小児科や高齢者の患者が多い整形外科などと相性がいいでしょう。
SOZAI GOOD
こちらもかわいいイラストが中心のフリー素材サイトです。動物が手洗いやうがいをしているイラストなどは、子どもに感染対策の大切さを伝えるために活用できそうです。
かわいいフリー素材集いらすとや
医療・健康関連のイラストが豊富にそろっています。「ダイエット・メタボリック」「健康診断」などのカテゴリもあるので、生活習慣病予防に力を入れているクリニックでうまく活用できそうです。
ロゴや看板のデザインと一緒に発注するのも◎!
上記のようなフリー素材集を活用して院内サインを自作するのも一手ですが、開業に合わせてロゴや看板をプロに発注する予定があるなら、その際に院内サインの制作も一緒に依頼するのもいいでしょう。複数点依頼することで金額的にお得になる場合があるというだけでなく、院内のイメージを統一できることも大きなメリットなので、ぜひ検討してみてくださいね。