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女性医師・男性看護師は人気者?

女性医師・男性看護師は人気者?

女性医師・男性看護師は人気者?

医師、看護師の皆さん。日々働く中でお互い溝を感じたことはありませんか?私は正直何度も感じた経験がありますし、未だに感じることが多々あります。世間的には医師と看護師の恋愛や結婚が多いイメージですが、実際はそのようなイメージとはかけ離れていて、会話も業務的なことがほとんどであるためどのようにして恋愛関係になるのか疑問に感じるのが正直なところです。そこで今回は、私が実際に医師との間に感じた溝について、なぜ医師と看護師の溝は埋まらないのかについてご紹介したいと思います。

偏った医師に対するイメージ

医療現場で働いた経験の有無に関わらず医師に対して、

  • プライドが高そう
  • 自分が1番偉いと思ってそう

日本には昔から、医師は男性、看護師は女性というイメージがありましたが、近年はそのような価値観が変わりつつあります。女性の社会進出による女性医師の増加に加え、男性看護師も年々増え続けていることから、現場の雰囲気も従来の病院とは大きく異なってきています。

未だに女性社会である看護師の世界では、実は力仕事が非常に多く、体だけでなく精神的な負担も大きく、辞めていく看護師をたくさん見てきました。しかし、男性看護師の増加により力仕事の負担も軽減されたり、女性医師の増加により女性患者が心を開きやすくなったりしています。しかも、スタッフだけでなく患者からも非常に人気が高いです。そこで今回は、女性医師、男性看護師がなぜ人気なのかについて詳しくご紹介するとともに、男性医師、女性看護師のあり方などもご紹介したいと思います。

女性医師は老若男女問わず大人気!

まずは、経験談をもとに老若男女に問わず大人気である女性医師についてご紹介したいと思います。

誰もがお手上げ

男性患者Aは中度の認知症で退院先の施設調整待ちでした。Aは意志がとても強く、どれだけ優しい口調で話しても自分が否定されていると感じ、下記のような危険行動を起こしてしまいがちでした。

  • 車椅子から立とうとする(下半身の筋力はほぼなし)
  • ベッドから降りようとする
  • ナースコールを5分置きに鳴らす

安定剤を飲ませようとするも薬への不信感が強く拒否されたり、一晩中叫んで一睡もしなかったりということがよくありました。

Aが入院していたのは4人の大部屋。Aが連日騒いでいることが影響して、その他の3人も不穏や寝不足になっており、Aを個室へ移動させたいのは山々でしたが、Aは離婚して身寄りも金銭的な余裕もなく、個室料金を払うことが困難。泣く泣く大部屋に留めていました。

同室の患者からはクレームこそないものの、Aの影響を受け、それぞれ認知症が悪化していくのが目で見てわかるほどでした。そんなAの居る部屋に対してみんなお手上げ状態でした。

Aの元へ足しげく通うB

Aやその他の患者の容態は良くなることはなく、何週間もそのような状態が続きました。そして、Aを含めた他3人も施設の返事待ち。一刻も早く決まることを誰もが望んでいました。その頃、Aの主治医が別の病院へ退職することになり、新しく女性医師BがAの主治医となりました。

BはAの部屋に向かい、「今日からAさんの主治医になったBといいます。最後まで宜しくお願いしますね」とAに向かって声を掛けていましたが、「前の医者は俺を見捨てて女の医者なんかよこしたのか。本当にここは酷い病院だな」と言いました。すると、Bは困っているかと思いましたがなんと笑っていたのです。私はその光景を見て率直に驚きました。Aを含めその部屋の患者たちには、記録が出来ない程のナースコールを押されていましたし、度重なるインシデントで正直看護師全員疲労困憊。笑顔なんて一つも出ていませんでした。

BはAの主治医になってからというもの、毎日病棟に足を運びAの元へ挨拶をしに来ていました。Aがちょうどリハビリでいないときは再度訪れるなど、熱心なBに看護師全員驚いていました。

薬なしで朝まで熟睡

病棟は夕食が18時で、Aはだいたい17時辺りから落ち着きがなくなり、日によっては夕食が済むとすぐ寝て朝まで起きないこともありますが、大半は夕食後1時間程経つと、夕食を食べたことを忘れて怒り出します。「この病院は朝と昼にしか食事を出さないのか。俺を飢え死にさせようとしている」など言い出し、こちらの話には全く聞く耳を持たず。最終的には一晩中叫んで寝ないこともあるのです。

その日の機嫌によって夕飯時に安定剤を飲んで下さることもありますが、だいたいが「薬なんて飲まなくても俺はどこも悪いところはない」の一点張り。飲んだ日は奇跡と言っても過言ではないくらいでした。

ある夜勤の日、私が出勤して来るやいつものようにAが不穏になりはじめました。その日は特にスタッフが少なく、正直Aに対応している暇はないといった状態でした。そのとき、グッドタイミングでBがやってきたのです。Bは病棟に来たかと思えばすぐさまAの元に向かいました。何か話している様子は見えたのですが内容までは聞こえません。ですが、これを機にAからのコールが止まって、みんな業務に集中することができたのです。

20分程してBは帰っていき、Aは夕食の時間まで1度もコールを押すことなく静かに食事が来るのだけを待っていました。いつもと様子の違いすぎるAに少々戸惑いましたが、良い傾向であることには変わりないため、このまま朝まで寝てくれないかなと心の中で僅かな希望を抱いていました。

なんと私の願いが叶ったのか、Aは薬の力も借りることなく朝を迎えたのです。それまでもAが朝まで1度も起きることがなかったことは何度かあったようですが、そのたびに病衣を全部脱いだり、ナースコールや布団などを床に落としたりの問題行動があったようです。しかし、私が夜勤の日はそのような問題行動は一切なく、なんとも平和に朝を迎えることが出来ました。

朝の送りでAのことを報告すると、誰もが驚き、中には信じがたいという人も居ましたが無事夜勤を終えることができその日はルンルン気分で帰宅したことを覚えています。

Bを娘と思って

何事も無かった夜を境に、Aは日中も以前のように大声を上げたり看護師に対して攻撃的な発言をしたりすることが減ってきたのです。決して薬を飲んだからではなく、看護師は全員「?」といった状態でした。

その日も、いつものようにBが病棟に来て、Aと何やら楽しそうに会話をしていました。そのとき、以前のAからは想像もできないような笑顔や笑い声が出ていたのです。正直そのようなAを見るのは初めてで驚きましたが、それ以上にBがどのようにしてそんなAを引き出すことができたのかふしぎで、ひとしきり2人を見ていました。すると、Bはどこからかの内線に対応して、足早にAの元から去って行き「今がチャンス!」と私は思い、Aに話をしに行きました。

お恥ずかしい話ですが、それまでAと話すことを避けていたので、なんと話しかけていいのか迷いましたが、こう切り出しました。

私「B先生とよくお話しされていますね」

A「娘と同い年でね。毎日来るからろくに昼寝もできないよ」

Aは発言とは裏腹に嬉しそうに話してくれました。

それから、私はAに積極的に話しかけ、Aの本当の思いを聞くことができたのです。

  • 医者(男性)は、朝、顔を見に来るだけでこっちの話は聞こうともしない
  • ナースコールで来てくれる看護師はみんな「どうしましたか?」と言わないし、「どうもしないよ」と言うとすぐどこかへ言ってしまう
  • 体温を測ったり処置をしたりするときだけ来て、終わるとそれっきり部屋に来ない

などAはただ何気ない会話がしたかっただけなのにいつも忙しそうにしている私たちに気を遣いながらも寂しさを感じていたことに気づくことができました。

BはAのその思いをいち早くキャッチして、僅かな時間でもAに会いに行き寂しさを軽減させることで不穏症状を軽減させようとしていたのです。そして偶然にも、Aの娘とBが同じ年ということもあり、よりBには心を開きやすかったのではないかと思いました。

Bのように男性患者の多くは実は寂しさを感じていて、女性医師に妻や娘の姿を投影して心を開かれる方も少なくありません。では、なぜ看護師も女性であるのになかなか心を開いてくれないのか。理由としては、看護師に対し気を遣っていたり、Aのように素直に寂しさを表現できず壁を作ったりしていることが挙げられます。このことからも、女性医師は人気であることがお分かりいただけたと思います。

男性看護師はスタッフ・患者両方から大人気!

続いて、男性看護師がなぜ人気なのかについてご紹介していきます。

身長差30cm?

私の同僚Aは身長148cmと小柄。その姿から高齢の患者からは孫のように思われるなど、スタッフ間でも妹的な存在でした。ある日、Aは170cmの男性患者Bを受け持つことになりました。Bは以前独歩で病院内を散歩していましたが、高齢になりつまずきや転倒も増えたことから、歩くときは必ず手引き介助ということになっていました。

男性で170cmとは平均的な身長ではありますが、148cmのAが隣に並ぶと身長差が凄く、Bがとても大きく感じました。Bは冗談交じりに「なんだか私が看護師さんを引っ張って歩いているみたいだね」と言っていました。

共倒れ?

その日はスタッフも少なく助手も手が回らず、看護師も自分たちができることはできる限りおこなうといった状態でした。栄養科からBの体重測定を頼まれ、Aが手引きでBを体重計のところまで連れて行っているときのことでした。無事に体重を測り終えて部屋へ戻ろうとしたとき、話に夢中になっていたBは僅かな段差を踏み外したのです。すると、AとBには30cm程の身長差があったことから、AはBを引き上げることができることはおろか共倒れになってしまったのです。打ち所が悪かったのか、Bは少し皮膚損傷を起こしており、Aも軽度の捻挫を負ってしまいました。

男性看護師だったら…

何度も言うように、AとBには大幅な身長差があったことを、私を含め他の看護師も知って居たなか、Bの受け持ちをAのままにしたことが今回のインシデントに繋がってしまったと師長から話をされました。体格の大きい患者はなるべく男性看護師が受け持つことで、患者も安心して身を委ねることができることから、私の居た病棟では、Bのような身長の高い患者や体重の重い患者には積極的に男性看護師を受け持ちとしてつけていました。

私は、高齢施設での経験もあるのですが、Aのような患者や利用者を支えきれず共倒れというインシデントをたくさん見てきました。病気でも高齢でもない方が少々つまずいたりしても、ある程度自分の力で踏ん張ることができます。しかし、特に高齢の患者は、咄嗟に判断して動くことが難しくなっていることから、小柄の女性スタッフは支えきれず共倒れしてしまうのです。何かと力仕事の多い医療現場では、男性看護師が患者だけでなく女性看護師からも大人気です。

男性医師・女性看護師のあり方

続いては、男性医師と女性看護師のあり方をご紹介します。

それぞれの役割という認識

男性患者で若くして下半身マヒになった方で、女性看護師に陰部洗浄などの排泄介助をされるのが恥ずかしいという方がいました。そのときはその患者の気持ちに寄り添う余裕がなく、手早く終わらせたりなどして対応していましたが、そのようなときは無理せず男性看護師にバトンタッチすることが大切です。逆もしかりで、女性患者でお風呂介助が男性看護師では恥ずかしいという方の場合、女性看護師とバトンタッチするなど、それぞれの役割という認識を医師や看護師が持つことで、よりよい病院、医療に繋がるという風に感じます。

価値観にとらわれない

日本では、医師は男性、看護師は女性といった価値観が未だに存在しています。そのような価値観にとらわれないようにと意識はしていても、環境とは怖いもので、そのような価値観の現場にいると自然と自分の中に植え付けられてしまいがち。いつの間にか「これは男の先生がした方が、女性の看護師がしたほうが」と思ってしまうようになります。そのようなことがないよう、1人ひとりが意識的に従来の価値観にとらわれないし姿勢をとることが重要になってくると感じました。

まとめ

まだまだ女性医師や男性看護師は医療現場には少ないのが現状で、本人としても気が引ける面があるかもしれませんが、少なくとも女性看護師たちは同性の女性医師のことが大好きです。なぜかというと、男性医師に対してはどこか発言しにくいのが本音だからです。反対に、男性医師も数少ない男性看護師と何気ないことでも意見交換することで息抜きになると以前きいたことがあります。

医療現場はどこも慢性的な人手不足です。男女ともに力を合わせて、スタッフからも患者からも人気になるような素晴らしいスタッフがどんどん増えていくこと、自分自身もそうなるよう意識的に取り組む必要があることを再確認することができました。

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