小児科での診療に向いている電子カルテは?
電子カルテを選ぶ際の見極めポイントのひとつは、「自院の診療科に向いているかどうか」です。なぜなら、診療科によって必要な機能が異なるため。そのなかから今回は、小児科での診療に向いている電子カルテをご紹介します。
小児科の診療に向いているのはどんな電子カルテ?
小児科は、患者の対象年齢を一般的に0歳から15歳までを対象としています。そのなかでも年齢が低いほど、処置や診療を怖がったりじっとしていられなかったりして、診療に手間がかかることも。そのため、まず電子カルテに求められるのは、「素早く入力できる」ということでしょう。また、「力価処方」「体重計算」「成長曲線」という診療科特有の3つの機能に対応しているかも大切なポイント。そのほか、皮膚疾患が多いことから、デジタルカメラで撮影した画像を取り込めると便利なほか、子どもにも保護者にとっても負担になる待ち時間削減のために、「診療予約システム」搭載の電子カルテも好まれます。反対に、小児科にはあまり必要ないのは画像ファイリングとの連携です。なぜかというと、子どもの身体への影響を考慮して、レントゲン撮影はあまりおこなうことがないためです。
小児科向け電子カルテ7選
それでは早速、小児科向けの電子カルテには実際のところどんな電子カルテがあるのかをご紹介していきます。
株式会社ノーザ「WINE STYLE」
「小児科体重計算」「力価処方」「乳児検診」「家族検索機能」「成長曲線表示」などの機能を備えた電子カルテです。誕生から6歳までの成長曲線を表示することなども可能。また、マウスのクリック数が最小限になるような操作方法を意識して開発されているので、効率よく診察することができます。
株式会社ハイブリッド「E-Egg」
内科での院内検査機器からの数値自動取り込み、小児科での成長曲線・インフルエンザ予防接種等の診療予約管理など、小児科クリニックの診療に役立つ機能が多彩に搭載されています。画面展開数は最小限。少ない操作でスピーディに操作できます。
エムスリーデジカル株式会社「M3 Digikar」
マニュアル不要で直感的に操作ができるユーザービリティの高さが特徴的な、クラウド型電子カルテです。自動学習機能搭載のため、よくおこなう処置行為などは毎回探す必要がありません。撮影した写真は瞬時にカルテに反映。iPad Proアプリを使えば、紙カルテのような感覚でカルテを記入できます。成長曲線の確認も手軽におこなえます。
株式会社Donuts「CLIUS」
患者自身がオンライン上から症状などを記入できる「WEB問診」や「予約機能」など、待ち時間削減に役立つ機能も多彩に搭載。患者の病態に対して禁忌や慎重投与のある医薬品がオーダーされていないかなどをチェックして警告を表示する「オーダーチェック」機能など、安全性を高める機能も満載です。「力価処方」「体重計算」「成長曲線」は今冬より機能搭載。
株式会社マクロスジャパン「電子カルテMac」
新規患者登録をしてIDを確定すると、その患者がどの予防接種を受けているか、出産時の体重や身長、幼いことに患った病歴やアレルギー情報などの一般既往歴や過去の通院歴や入院歴、親族情報や親族の死亡原因、現在の身体の状況や病歴情報などの一般既往歴を登録管理することが可能。見落としも防止することができるので、より精度の高い医療を提供できます。
ネットビー株式会社「Bee Five」
モバイル作成機能でカルテデータをノートパソコンに複写して利用することで、インターネットの接続ができない場所でもカルテ入力ができるので、外来診療もおこなう小児科クリニックには特におすすめ。カルテに入力したデータから多種多様な帳票やレポートを出力できるのも特徴です。
電子カルテの良し悪しはクリニックの評判にも影響する
小児科クリニックの患者は基本的には15歳までの子どもですが、子どもが小さければ小さいほど、家族が同行するのが一般的でしょう。そのため、診療がスムーズであるか、正確であるかなどは大人が対象のクリニック同様、患者の家族によって厳しくチェックされています。使い勝手のいい電子カルテを導入して、診察および処置を効率よくおこなうことができたらクリニックの評判向上も期待できるので、電子カルテ選びには妥協せず、納得のいくものを選んでくださいね。