医師会や近隣病院へのクリニック開業挨拶のマナーは?
クリニック開業時には、地域の住民だけでなく、医師会や近隣病院にも挨拶しておきたいものです。その際に気になるのが、挨拶状や手土産についてでしょう。そこで今回は、クリニック開業時の挨拶に関するマナーについて解説していきます。
なぜ開業したら近隣病院、地域コミュニティに挨拶すべきなのか?
そもそも、なぜ開業したら挨拶が必要なのでしょうか? まず挙げられるのが、医療機関同士で連携をとることでよりよい医療を提供できるということです。また、「この症状であれば、うちでは治療できないけどあそこのクリニックならきちんと治療してくれるだろう」と患者を紹介してもらえることも考えられます。逆のパターンも然りです。自院では対応が難しい患者をつなぐことができますし、患者の情報を共有しあうこともできるでしょう。可能なら、地域の調剤薬局などで院長の性格などを聞いてから挨拶に行くと、よりよいコミュニケーションをとることができるでしょう。
同じ診療科のクリニックはライバルになるので、無理に挨拶に行く必要はありません。ただし、ライバルの強みや弱点などの情報を収集することは大切。ホームページには必ず目を通して、自院との違いや似ている点などを知って、差別化の対策を取りましょう。また、製薬会社のMRや医療機器メーカーの営業などから聞き出すことも有効ですし、患者への満足度調査アンケートに、近隣の医療機関について尋ねる質問を加えるのもいいでしょう。
医師会に関しては、たくさんの医師が出入りしていることから、行政や医療の情報が手に入りやすくなるのも大きなメリットと言えるでしょう。
クリニック開業の挨拶のタイミングは?
まず気になるのが開業の挨拶のタイミングです。
医師会への挨拶はどんなタイミングが適切かというと、開業候補地を決定してすぐです。この時点で、地区の医師会に入会の意向を伝えて関係役員に挨拶を済ませます。医師会に挨拶して入会しておくと、地域の検診や予防接種を委託されることもあるため、集患、増患にもつながります。
また、近隣病院への挨拶も同じタイミングが理想です。地域医療を担っていくうえでは、同じエリア内の医療機関としっかりとコミュニケーションをとる必要があるので、早い段階で挨拶を済ませて、良好な関係を保ちましょう。
地域の住民たちへの挨拶は開業1~2か月前
連日業者が出入りして開業準備が進んでいくと、周辺住民たちも新しくクリニックがオープンすることに気づき始めます。そんななかで、地域の商店会代表者やPTA、老人会などに挨拶に伺うタイミングはいつかというと、目安としては開業1~2か月前と思っていいでしょう。また、テナントでの開業であれば、同じテナント内の店舗などにも挨拶するのがマナーです。もちろん、テナントのオーナーに改めて挨拶することも大切です。
挨拶は医師本人が行くべき?
医師会や近隣病院への挨拶は医師本人が赴くべきです。ただし、商店会などへの挨拶も医師本人がおこなったほうがいいかというと、診療科や開業エリアにもよります。地元密着型の小さな診療所であれば、地域住民たちも見知った医師に診療してもらいたいでしょうし、今後長い付き合いになることが想定されるので、本人が挨拶に出向くに越したことはないでしょう。
しかし、たとえば都心部でレーシック手術をメインにおこなっていきたい眼科など、基本的に一度きりの付き合いで相手の生活習慣などもある程度把握しておく必要がない場合は、日ごろからコミュニケーションを取っておくことが望ましいわけでもないので、また勝手が違ってくるでしょう。
ただし、医師本人が赴く場合もスタッフが挨拶回りを担当する場合も、好感を持ってもらえるような丁寧なコミュニケーションを意識することはとても大切です。開業時の挨拶でいい印象を抱いてもらえるかどうかによって、集客率が変わってくるだけでなく、苦情を寄せられる可能性も変わってくるためです。静かな住宅地などであれば、小児科の患者の泣き声などを不快に感じる住民がいるケースもなきにしもあらずです。そのため、最初からできるだけ印象を良くしておくことが大切なのです。
挨拶時に手土産は必要?
近隣病院や商店会、PTAなどに挨拶に伺う際には、手土産を用意しておくことが望ましいでしょう。手土産の中身は、タオルやちょっとしたお菓子などで十分です。金額的には500円から1,000円程度が相場と言われています。
地域住民への挨拶に役立つ挨拶状作りは格安印刷などを利用するのも◎!
地域住民への挨拶には、手土産などは必要ありません。代わりに、開業を知らせるチラシや挨拶状をポスティングしましょう。診療圏全域にポスティングするとなるとそれなりの量が必要ですが、格安印刷などを利用すれば価格を抑えて用意することができます。
たとえば、ラクスルでは病院・医療関係の開業挨拶ハガキのテンプレートが用意されていたり、ポスティングを依頼できたりします。ほかにもテンプレートを用意している印刷会社はいろいろあるので、開業エリアで利用しやすいものを探してみてくださいね。
参照:ラクスル「挨拶状_病院・医療関係_開業_文例02のはがき・ポストカード無料デザインテンプレート」
完成した挨拶状のポスティング込みで依頼したい場合もラクスルなら便利。印刷と配布をセットにすればコストも抑えられる上、インターネットから24時間注文できるのでスムーズです。
評判のいいポスティング業者はそのほかにもいくつかあります。
株式会社ポスネット
東京、名古屋、広島、仙台などにグループ会社を有している「ポスネット」は、地域の認知と信頼の維持にも配慮したポスティングをおこなってくれます。GIS(国税調査)のデータをもとに、より高い反響を得るための提案をおこなってくれるところも魅力です。
株式会社アドワールド
大阪をメインに、日本全国のポスティングに対応している「株式会社アドワールド」は、日本ポスティング・クオリティー大賞を2年連続受賞しています。GISのデータや成功事例をもとに最適な配布プランを提案してくれたり、ポスティング禁止物件は避けて配布してくれたりと安心できる材料が豊富です。
ポストサービス
ポスティングに加え、デザインや印刷も請け負っている「ポストサービス」は、愛知や岐阜、三重、静岡を中心に展開。全国に出張もしてくれますが、地元のポスティングサービス会社とどちらがお得かは相見積もりをとって確認するといいでしょう。
効率よく挨拶を済ませることも考えたい
医師会、近隣病院、地域の商店会、地域住民など、挨拶すべき相手はたくさんいますが、一人ひとりに時間をかけて挨拶していては開業準備の進みが悪くなってしまいます。挨拶状作成とポスティングをまとめてお願いできる企業を見つけるのはもちろん、どんなスケジュールで挨拶すればいいかを考えて、効率よく動くことも大切ですよ。