クリニックの平均売上は月いくらになるのか?

クリニックの開院を考えるなら、売上がいくらになるのかのシミュレーションを行なうでしょう。銀行から資金の借り入れを行うには「事業計画書」を提出する必要がありますが、そこにも売上高の予測値、推移を入れなければなりません。では、実際にクリニックの売上はいくらぐらいになるのでしょうか?
診療所の入院外の1件当たりの点数は「1,041.9」
『厚生労働省』の「社会医療診療行為別統計(令和元年)」「病院-診療所別にみた入院外の診療行為別1件当たり点数」によれば「診療所」は「1,041.9点」です。
参照・引用元:『厚生労働省』「令和元年社会医療診療行為別統計の概況」
これは1カ月ごとに提出される診療報酬明細書の1件当たりの平均の診療報酬点数なので、少し強引ですが、これを患者さん1人当たりの単価と読み替えれば、1人当たり「1万419円」になります。
つまり1日に患者さんが40人来れば、1万419円 × 40人 = 41万6,760円(1日の売上)になり、1カ月に20日(土日休みであれば通常は営業日は21日か22日)稼働するとして、これを1年間続ければ、833万5,200円 × 12カ月 = 1億2万2,400円(1年間の売上)になります。ざっくり1億円です。
ただし、『厚生労働省』のデータでは上記の1件当たりの点数を「1日当たり」にしたものもあり、こちらは「診療所」では「691.4点」です。こちらの方がより現実的な計算になるでしょう。これを患者さん1人1日当たりと読み替えて「691.4点」、すなわち「6,914円」です。
同様に1日40人で計算すると以下のようになります。
1日の売上 | 27万6,560円 |
1カ月間の売上 | 553万1,200円 |
1年間の売上 | 6,637万4,400円 |
ざっくり年間売上は6,600万円です。4,000万円近い開きがありますが、これがまさに客単価の違いというわけです。ちなみに患者さんが1日に3人増えれば、「691.4点」で計算しても1年間で「497万8,080円」の増収になります(年間売上:7,135万2,480円)。
ですので、少しでも患者さんを増やすことを考えましょう。
まとめ
クリニックの売上について推算してみましたが、いかがでしたでしょうか。「6,600万円」コースですと、自分の給料、人件費、家賃、経費などを考えるとそこまでもうからない計算になるはずです。また、クリニック開院すぐから毎日40人の患者さんを期待するのは難しいでしょう。そのため、少しでもスタートダッシュを良くするべく、開院前にサイトを作って潜在的な患者さんにアピールする、予約システムを導入しておく、宣伝を行うなどの施策を考えておくべきでしょう。