クリニックスタッフが辞める理由は？

10/12/2021

有能なスタッフが急に辞めたり、複数のスタッフが一斉に辞めたりすると、クリニックの業務に支障が出てくる場合があります。そうした事態に陥ることはなるべく避けたいものですが、辞めるほうにも理由があるのはもちろんのこと。では、そもそもどんな理由で辞めたいと考えるスタッフが多いのでしょうか？　また、スタッフから辞めたいと申し出があったときの適切な対応は？　詳しくみていきましょう。

スタッフが辞めたいと思う理由は？

まずは、クリニックのスタッフが辞めたいと考える理由について、ありがちなものを紹介していきましょう。

1. 職場の雰囲気が悪い、人間関係が悪い

職場の雰囲気や人間関係が悪ければ、通うのが億劫になって当然です。どんな職種の職場でも同じことが言えますし、学生さんにとっての学校も同じこと。嫌いな人、ソリの合わない人がいる場所、居心地の悪い場所に通い続けたいと思う人などいないでしょう。

職場の雰囲気や人間関係が悪いことを理由に退職するスタッフをひとりでも減らしたいなら、しっかりと時間をかけて一人ひとりとコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが大切です。また、スタッフがパワハラやセクハラ、上下関係の厳しさなどに悩まされることがないよう、風通しのいい職場環境を構築することを考えることも大切。院長自身が一人ひとりの心の状態にまで目を向けることが得意ではないなら、そうしたことが得意なスタッフを雇うのも一手です。

2. 待遇に納得いかない

「給料が低い」「残業が多い」「思うように休みが取れない」などの理由で辞めたいと考えるスタッフは多いでしょう。たとえば、クリニックの診療時間が朝9時から夕方18時までの8時間だとしても、その1時間前に到着して、患者が帰った後は片付けやあしたの準備をするとなると大変。子育て中のスタッフであれば、家のことまで手が回らないと考えるでしょうし、それでも給料が申し分なければ文句は出ないところ、昇給や賞与が十分でなければ、長く働き続けることは難しいでしょう。

しかし、開業したばかりで資金繰りが思うようにいっていないときなどは特に、十分な給与やスタッフが満足する待遇を用意できないのも実情かもしれません。そんな状況でも、働くスタッフにとって少しでも魅力的な条件を提示できるよう、医師会や地域の商工会議所などに加入するのは一手。そうすることで、個人病院であっても、大手福利厚生会社の制度を導入することができるからです。また、役職・職責手当や家族手当、通勤手当、住宅手当などの各種手当を設けることで、スタッフ間の公平性を担保することでも、不満が出にくくなるでしょう。

また、スタッフから不満の声が上がったときは、どこまでなら応えられるかを考えてみることも大切。考えた結果、どうしても希望に沿うことができない場合は、退職の申し出も納得して受け入れられることでしょう。

3. やりがいを感じられない

レセプト業務などは一度身に着けた後は新しいことを覚える必要もなく、マンネリ化してしまいがち。そうなると、仕事にやりがいを見出せず、転職を考え始める場合もあるでしょう。

やりがいが感じられないという理由での退職者を少しでも減らしたいなら、人材育成、教育に力を入れるといいでしょう。資格取得や研修費の支援制度を用意することも、スタッフのやる気を引き出すことにつながります。

4. キャリアアップを目指したい

現在の職場ではこれ以上成長できないと感じるたびに転職する人、常に新しいことにチャレンジしたいと考える人は一定数います。こうした人は、退職および転職の準備もしっかりと進めているので、快く送り出して応援してあげるのがいいでしょう。

スタッフが辞めた後はどうする？

スタッフが辞めたら、その穴埋めが必要になります。しかし、急な退職であれば、すぐに新しいスタッフを雇うのは難しい場合もあるでしょう。そうした事態にもなりえることを考慮して、欠員が出ても臨機応変に対応できるよう、日ごろからスタッフを育成しておけるといいですよね。同時に、退職者が出たときにすぐに人材を確保できるルートを抑えておくことも大切。クリニック開業ナビでは、より優秀な人材を確保できる事業者もご紹介できますので、人材・採用にお困りごとがありましたらお気軽にご相談くださいね。